30秒でわかる、この記事の答え
- 答え建て替え・大規模修繕・売却の3つから、家賃で取り戻せるかで選ぶ
- 理由建て替えは数千万円、修繕も戸あたり100万円を超える時期があるから
- まずやること借入の残りと入居者の数を確かめる
あなたの状況から読む
- 建て替えを考えている建て替えの費用と立ち退きの壁へ
- 修繕の見積もりがある修繕費の目安と取り戻せるかへ
- 今のまま売りたい老朽化したまま売るときの値段へ
- どれにするか迷う選ぶときの判断の順番へ
「築40年を過ぎて、あちこち傷んできた。建て替えるべきか、直すべきか」
「大規模修繕の見積もりを見て、手が止まってしまった」
結論からお伝えします。
老朽化したアパートの選択肢は、建て替え・大規模修繕・売却の3つです。
建て替えは本体工事だけで数千万円かかり、入居者に出ていってもらう必要があります。
大規模修繕は、国の資料でも時期によって戸あたり100万円を超えます。
どちらも「かけたお金を家賃で取り戻せるか」で判断してください。
取り戻せない、または手間をかけられないなら、今の状態のまま売るのが手取りを守る選択です。
築40年という年数そのものより、大事なことが3つあります。
借入が残っているか、入居者が何人いるか、その場所で部屋を借りたい人がいるか、です。
この記事では、国の資料にある数字を使って3つの選択肢を比べ、あなたのアパートがどれを選ぶべきかを判断する順番をお話しします。
親の代から40年以上のアパートです。建て替えないといけないんでしょうか。
そう決まっているわけではありません。建物はまだ使えることも多いですし、建て替えがいちばん大きなお金と手間のかかる道です。まず3つを並べてみましょう。
この記事を読んで理解できること
- 築40年のアパートで、法律上・建物上なにが起きているか
- 建て替え・大規模修繕・売却の費用と期間の違い
- 建て替え費用の目安を、国税庁の資料から出す方法
- 大規模修繕の時期と費用の目安(国土交通省の資料)
- 老朽化したまま売るときの値段の決まり方
- どれを選ぶかを決める、4つの確認の順番
建て替えか修繕か迷っているなら、何もせずに売った場合の金額も並べてください。3つ目の答えとしてお出しします。
査定・ご相談は無料です。2営業日以内にご連絡します。
この記事の目次
築40年のアパートで起きていること
「耐用年数を過ぎている」と言われたのですが、もう住めないということですか。
いいえ。法定耐用年数は税金の計算のための年数で、建物の寿命ではありません。ただ、値段の付き方と融資には影響します。
国税庁の耐用年数表(建物)では、住宅用の建物の法定耐用年数は次のとおりです。
| 構造 | 法定耐用年数(住宅用) | 築40年の時点では |
| 木造 | 22年 | 18年ほど前に過ぎている |
| 鉄骨造(骨格材の肉厚が4mmを超えるもの) | 34年 | 6年ほど前に過ぎている |
| 鉄筋コンクリート造 | 47年 | まだ残っている |
木造や軽量鉄骨のアパートでは、築40年なら法定耐用年数はとうに過ぎています。
これは「減価償却を終えた」という意味で、住めなくなったわけではありません。
ことばの説明:減価償却
建物にかかったお金を、決まった年数に分けて毎年の経費にする税金の計算です。年数を過ぎても、建物が住めなくなるわけではありません。
ただ、金融機関は融資の期間を耐用年数の残りで考えることが多くあります。
そのため買主が融資を使いにくくなり、買える人が限られるという形で値段に影響します。
耐用年数が値段に響くしくみ
- 耐用年数を過ぎる住めなくなるわけではない
- 融資が使いにくい金融機関は残りの年数で考える
- 買える人が限られる値段に影響する
実際に傷みが出やすいところ
築40年前後のアパートで、実際に問題になりやすいのは次の部分です。
| 屋根・外壁 | 塗装の劣化、ひび割れ、さび。放っておくと雨漏りにつながる |
| 外階段・廊下 | 鉄部のさび、踏み板の腐食。入居者の安全に直結する |
| 給排水管 | 古い配管の詰まりや漏水。床下や壁の中で起きるので見つけにくい |
| 床下 | シロアリや湿気による土台の傷み |
| 室内 | 和室、バランス釜の浴室、古い台所。今の入居者に選ばれにくい |


写真は、リハコが買い取って再生した横浜市のアパートの外階段です。
外構・外壁・外階段が傷んでいても、直して貸せる状態に戻せる建物は少なくありません。
築40年は、旧耐震かどうかの境目
今年(2026年)で築40年のアパートは、1986年ごろに建てられた建物です。
建築基準法の耐震の基準は1981年6月に大きく改められ、それより前に建築確認を受けた建物は「旧耐震」と呼ばれます。
築40年前後のアパートは、この境目の前後にあたります。
旧耐震かどうかで、買主が融資を使えるか、入居者募集で説明が要るかが変わります。
建築確認を受けた日は、確認済証か、役所で閲覧できる建築計画概要書などで確かめられます。
旧耐震のアパートの売り方は旧耐震のアパートを売却する方法にまとめています。
建て替えの見積もりを取る前に、売った場合の手取りを知っておくと比べやすくなります。住所と入居状況だけで目安をお出しします。
査定・ご相談は無料です。2営業日以内にご連絡します。
建て替え・大規模修繕・売却を比べる
結局、どれがいちばん得なんでしょう。
アパートごとに答えが違います。ただ、費用と期間、入居者への影響を並べると、どれが重いかははっきりします。
| 比べるところ | 建て替え・大規模修繕・売却(現況のまま) |
| 費用 | 建て替え:解体+新築で数千万円。多くは新たな借入が必要 大規模修繕:数百万〜数千万円(規模と範囲による) 売却(現況のまま):かからない(仲介なら仲介手数料) |
| 期間 | 建て替え:立ち退き・設計・工事で年単位 大規模修繕:数か月 売却(現況のまま):買取なら早ければ1〜2か月 |
| 入居者 | 建て替え:全員に出ていってもらう必要がある 大規模修繕:工事中の騒音などの説明が要る 売却(現況のまま):そのまま引き継げる |
| 家賃収入 | 建て替え:工事中はゼロ 大規模修繕:工事中も続く 売却(現況のまま):売った時点で終わり、代金が入る |
| 向いている人 | 建て替え:立地がよく、長く持ち続けたい・借入ができる 大規模修繕:借入が少なく、まだ家賃が取れる 売却(現況のまま):管理を続けられない・借入や修繕の負担が重い |
建て替えは、うまくいけば家賃を大きく戻せますが、いちばんお金と時間と手間がかかります。大規模修繕は、その中間です。
売却は、アパートからの収入はなくなりますが、これから先の修繕・空室・借入の心配もなくなります。
3つの選択肢の費用と期間
- 建て替え解体+新築で数千万円・年単位
- 大規模修繕数百万〜数千万円・数か月
- 売却費用はかからない・買取なら早ければ1〜2か月
建て替え:費用の目安と、立ち退きという壁
建て替えると、いくらくらいかかるんでしょうか。
建物の大きさで変わりますが、国税庁の資料から、本体の工事費のおおよその目安を出せます。
国税庁の建物の標準的な建築価額表は、国土交通省の建築着工統計をもとに、建てた年ごとの1㎡あたりの工事費を示しています。
2023年(令和5年)の木造は1㎡あたり204,100円です。
たとえば延べ床面積200㎡の木造アパートを建て替えるとします。
204,100円×200㎡で、本体だけで約4,080万円が目安になります。
延べ床200㎡の木造アパートを建て替えると
※全国の平均的な工事費です。解体費・設計費・立ち退き料などが加わります。
これは全国の平均的な工事費で、実際には地域や仕様で変わります。さらに次の費用が加わります。
- 今の建物の解体費(構造・大きさ・アスベストの有無で変わる)
- 設計費、地盤調査、外構工事、各種の申請費用
- 入居者の立ち退き料と引っ越しの費用
- 工事期間中の家賃収入がなくなる分
入居者に出ていってもらうには「正当の事由」が要る
借地借家法の28条では、貸主から契約の更新を断ったり解約を申し入れたりするには、「正当の事由」が必要とされています。
ことばの説明:正当の事由
貸主から「出ていってほしい」と言うときに要る、それなりの理由のことです。建物の古さだけでは足りず、立ち退き料の申し出なども考え合わせます。
建物の古さだけで当然に認められるわけではなく、立ち退き料の申し出なども考え合わせて判断されます。
交渉が長引けば、そのぶん建て替えは遅れ、空いた部屋の家賃も入りません。
立ち退きの考え方と費用は築古アパートは立ち退きなしで売却できるにまとめています。
そもそも同じ大きさで建て替えられるか
古いアパートは、建てた後の法改正で今の基準に合わなくなっている「既存不適格」のことがあります。
建て替えると、今より小さな建物しか建てられないこともあります。
また、道路に2m以上接していない敷地は、原則として建て替えができません。
敷地が道路に2m以上接している?
建て替えを考えるなら、まず役所で確かめてください。詳しくは既存不適格物件の売却と再建築不可物件とはをご覧ください。
修繕の見積もりが手元にあるなら、その見積書ごと見せてください。修繕せずに売る場合の金額と並べてお伝えします。
査定・ご相談は無料です。2営業日以内にご連絡します。
大規模修繕:国の目安と「取り戻せるか」

建て替えは無理でも、直せばまだ貸せますよね。
貸せることは多いです。ただ、大きな修繕は一度で終わりません。いつ、いくらかかるかを先に見ておきましょう。
国土交通省の民間賃貸住宅の計画修繕ガイドブックに、長期修繕計画のイメージがあります。
鉄筋コンクリート造・20戸(1LDK〜2DK)の賃貸住宅を例にしたものです。
その中から、築年数の古いアパートで重くなる時期の主な項目を抜き出します(金額は1戸あたり)。
| 部位 | 11〜15年目 | 21〜25年目 |
| 屋根 | 塗装 44,000円 | 葺き替え 319,000円 |
| 外壁 | 塗装 115,500円 | 塗装 115,500円 |
| ベランダ | 塗装・防水 53,900円 | 塗装・防水 53,900円 |
| 階段・廊下 | 塗装・防水 49,500円 | 塗装・防水 49,500円 |
| 浴室設備 | 部分交換 22,000円 | 部分交換 220,000円 |
| 戸あたりの小計 | 546,150円 | 1,158,850円 |
ガイドブックでは、21〜25年目の修繕は戸あたり約116万円(20戸の棟で約2,320万円)とされています。
新築から30年間の合計は戸あたり約225万円で、30年目以降も修繕が必要になるとしています。
戸あたりの修繕費の目安(国土交通省のガイドブック)
- 11〜15年目戸あたり約55万円
- 21〜25年目戸あたり約116万円
- 30年間の合計戸あたり約225万円
※鉄筋コンクリート造・20戸の例です。木造では金額は変わります。
築40年を過ぎたアパートでは、これらの修繕が一度も行われていないことがよくあります。
あるいは、一巡して二度目が来ていることもあります。
木造アパートでは構造も規模も違うので、金額はそのまま当てはまりません。見積もりは必ず取ってください。
そのうえで、次の計算をします。
| 修繕の費用 | 見積もりの合計(足場代・諸経費を含む) |
| 増える家賃 | 修繕で空室が埋まる・家賃を上げられる見込み(1年分) |
| 取り戻すまでの年数 | 修繕の費用 ÷ 増える家賃 |
| 建物があと何年使えるか | 取り戻すまでの年数より長く貸せるか |
屋根や外壁の修繕は、雨漏りを防ぎ建物を長持ちさせるためのもので、家賃を上げる効果はあまりありません。
修繕しても家賃が変わらないなら、その費用は取り戻せない出費です。
そのお金を出してでも持ち続ける理由があるか、ここで考えてください。
修繕で空室が埋まる・家賃を上げられる見込みがある?
雨漏りだけは、決める前に止める
建て替えか修繕か売却かを決めかねていても、雨漏りは放っておかないでください。水は柱や床下まで回り、傷みを大きくします。売ると決めた場合でも、雨漏りがあること自体は伝えれば売れますが、放置して建物が傷むほど値段は下がります。雨漏りのまま売る方法は雨漏りする家の売却をご覧ください。
売却:老朽化したまま売るときの値段の決まり方
ボロボロのアパートに、値段がつくんですか。
つきます。建物に値段がつかなくても、土地には値段がありますし、直して貸せるなら家賃からも値段が出せます。
老朽化したアパートの値段は、主に次の2つの見方で決まります。
| 見方 | 考え方 | 老朽化したアパートでは |
| 土地の値段から見る | 土地の値段に、建物の値段を足す | 建物の評価はほぼなくなり、土地の値段が土台になる |
| 家賃から見る | 年間の家賃収入を、期待する利回りで割り戻す | 今の家賃か、直したあとに取れる家賃で考える |
土地の値段の目安は、国税庁の路線価で調べられます。
ことばの説明:路線価
道路ごとに決められた、土地1㎡あたりの値段の目安です。地価公示価格などの8割ほどを目安に、国税庁が決めています。
国税庁は路線価等についての中で、路線価を地価公示価格等の8割程度を目安に定めているとしています。
路線価に土地の面積を掛けると、おおよその土地の評価がわかります。
注意したいのは、買主が「解体して土地として売る」つもりなら、解体費が値段から引かれることです。
反対に、建物を直して貸す買主なら、解体費は引かれません。老朽化したアパートほど、どんな買主に売るかで手取りが変わります。
老朽化したアパートは、買主で手取りが変わる
- 土地の値段から解体費を差し引く
- 建物を直して使う
相場の考え方は築古アパートの買取相場で詳しくお話ししています。
売るときに、先に直したり、入居者に出ていってもらったりする必要はありません。直すのは買主の仕事です。
入居者も、賃貸借契約ごと新しい持ち主に引き継がれます。
売る前にそろえておくと、話が早いもの
次の書類があると、買主は建物と収入の状態をつかみやすく、値段の根拠もはっきりします。
手元にないものがあっても売れますので、探すのに時間をかけすぎる必要はありません。
| 入居の状況 | 部屋ごとの家賃・共益費・入居した時期・敷金の一覧。賃貸借契約書 |
| 建物の資料 | 確認済証・検査済証、図面。なければ役所の建築計画概要書で代わりになることもある |
| 修繕の記録 | いつ、どこを、いくらで直したか。領収書や見積書でもよい |
| 税金・借入 | 固定資産税の納税通知書、借入の残高がわかる書類 |
| 不具合 | 雨漏り・漏水・シロアリなど、わかっている不具合のメモ |
不具合は、先に伝えるほど値段に正しく織り込まれ、あとで揉めることがなくなります。
「言ったら安くされる」と隠すより、伝えたうえで直す前提の買主に売るほうが、結局は手取りが残ります。
老朽化したアパートは、直して貸す買主に売れば解体費を引かれずに済みます。今の状態のままの金額をお伝えします。
査定・ご相談は無料です。2営業日以内にご連絡します。
どれを選ぶか:判断の順番
いろいろ聞いて、かえって迷ってしまいました。
順番に確かめれば、答えは自然に絞れます。次の4つを上から見てください。
| 借入は残っているか | 残っていて、修繕や建て替えのためにさらに借りる必要があるなら、負担が重くなる。売れば返しきれるかを先に確かめる |
| 入居者は何人いるか | 入居者が多いと建て替えは立ち退きが大きな壁になる。売却なら入居者はそのままでよい |
| その場所で借りたい人はいるか | 駅や学校に近く、直せば家賃が戻る場所なら、修繕や建て替えで持ち続ける道がある |
| この先、誰が管理するか | 自分の年齢や体力、子が継ぐかどうか。相続まで見据えるなら築古アパートを相続したらも参考に |
借入がなく、入居も安定していて、場所もよい。
そういうアパートは、必要な修繕をしながら持ち続けるのがいちばん手残りが大きいことが多いです。
反対に、借入が残っている、入居者が減ってきた、自分では管理を続けられない、という状況もあります。
それなら、建て替えや大規模修繕に何千万円もかける前に、今のまま売った場合の手取りを確かめてください。
借入がなく、入居も安定していて、場所もよい?
リハコは、古いアパートを買い取り、直して、その街で部屋を探している人に貸している会社です。
アパートの買取は23件、そのうち14件が神奈川県です。
老朽化したアパートも、入居者がいるまま、雨漏りや傷みがあるまま、現況のまま買い取ります。
建物を壊さず直して使うので、解体費を差し引かずに値段を考えられます。
- 建て替えも修繕もしないまま、今の状態で査定します
- 入居者の立ち退きは要りません。契約ごと引き継ぎます
- 全国対応(関東はリハコが直接買取、関東外は提携先と進めます)。2営業日以内にご連絡します
読み終えたら、まずやること
- 修繕の見積書や、いつどこを直したかの記録を手元に集める
- 借入の残りと、入居者の数をメモに書き出す
- 今の状態のまま売った場合の金額を聞いてみる
よくある質問
築40年のアパートは、建て替えないといけませんか?
そう決まっているわけではありません。選択肢は建て替え・大規模修繕・売却の3つです。
どれも、かけたお金を家賃で取り戻せるかで判断します。
取り戻せない、または手間をかけられないなら、今の状態のまま売るのが手取りを守る選択です。
法定耐用年数を過ぎたアパートは、もう住めないのですか?
住めます。法定耐用年数は税金の計算のための年数で、建物の寿命ではありません。
ただ、金融機関は融資の期間を耐用年数の残りで考えることが多く、買える人が限られて値段に影響します。
ボロボロの古いアパートでも、値段はつきますか?
つきます。建物に値段がつかなくても、土地には値段があるからです。
直して貸す買主なら、解体費は値段から引かれません。どんな買主に売るかで手取りが変わります。
売り方の全体像は、築古アパートの売却・買取のまとめでご案内しています。
建て替え・修繕・売却の3つを、同じ土俵の数字で比べてから決めてください。売却の数字はリハコがお出しします。
査定・ご相談は無料です。2営業日以内にご連絡します。



