30秒でわかる、この記事の答え
- 答え築古・小規模の一棟マンションも、修繕前・空室のままで売れます
- 理由融資を使わず、積算と家賃の両方で値段を出す買主がいるから
- まずやること家賃の一覧と、エレベーター・消防の点検の書類を出す
あなたの状況から読む
- 融資で話が止まる一棟アパートとの違いへ
- 設備の費用が重いエレベーター・消防・修繕へ
- 旧耐震の建物だ旧耐震のRCの扱いへ
- 値段の根拠を知りたい買う会社の見方へ
「父が建てた鉄筋コンクリートの一棟マンション。仲介に出しても、融資がつかずに話が止まる」
「エレベーターの交換と外壁の修繕の見積もりが来た。続けるか売るか、分からなくなった」
結論からお伝えします。
築古・小規模の一棟マンションも、修繕の前でも、空室があっても売れます。
仲介で話が止まる理由の多くは、建物の古さより、買主の融資です。
融資を使わず、積算と家賃の両方で値段を出す買主なら、今のまま話が進みます。
一棟マンションの売却を扱う記事の多くは、築年数が浅く、満室に近い物件を前提にしています。
けれど困っているのは、築30年を過ぎ、修繕と設備の費用が重くなった持ち主の方です。
この記事では、まず一棟アパートとの違いを、耐用年数と設備の2つから見ていきます。
続いて、旧耐震の扱いと、現況のまま買う会社が値段をどう出すかをお話しします。
古い鉄筋コンクリートのマンションなんて、建て替えるしかないと思っていました。
建て替えなくても、直して貸し続ける買主がいます。その買主に向けて売れば、今のままで話が進みます。
この記事を読んで理解できること
- 一棟マンションと一棟アパートで、売るときに何が違うか
- 耐用年数47年を過ぎた建物が、融資で止まりやすい理由
- エレベーター・消防用設備・受水槽で、法律が決めている点検と検査
- 旧耐震の鉄筋コンクリート造の、診断と改修の決まり
- 現況のまま買う会社が、積算と家賃で値段を出す見方
- 仲介で長く売れないときの、もう一つの売り方
築古の一棟マンションを、修繕の前の今のままいくらで売れるか。まず数字を見てから考えてください。
査定・ご相談は無料です。2営業日以内にご連絡します。
この記事の目次
一棟マンションは、一棟アパートと何が違うのか
マンションは丈夫だから、アパートより売りやすいと思っていました。
丈夫なぶん、融資は長く付きやすい建物です。ただ、築40年を超えると話が変わってきます。
「一棟マンション」と「一棟アパート」に、法律で決まった呼び分けはありません。
一般に、鉄筋コンクリート造や鉄骨造の建物を、マンションと呼ぶことが多いです。
売るときに大きく違うのは、税法上の耐用年数と、建物に付いている設備の2つです。
国税庁の耐用年数表では、住宅用の鉄筋コンクリート造は47年です。
住宅用の木造は22年、鉄骨造は骨格材の厚さによって27年か34年です。
住宅用の建物の法定耐用年数
※国税庁「耐用年数表(建物)」より。鉄骨造は骨格材の肉厚で分かれます。
ことばの説明:法定耐用年数
税金の計算で、建物の値段を何年に分けて経費にするかを決めた年数です。建物が使えなくなる年数ではありません。
金融機関は、建物があと何年使えるかを見て、融資の額と期間を決めます。
そのため鉄筋コンクリート造は、同じ築年数の木造より、融資の期間を取りやすい建物です。
けれど築40年を超えると、47年の残りはわずかです。ここで木造との差が小さくなります。
中古で買う人の経費の年数は、短くなる
中古の建物を買った人は、残りの使える年数で、建物の経費を計算します。
国税庁のタックスアンサー(No.5404)には、その年数の簡単な出し方があります。
法定耐用年数を全部過ぎた建物は、法定耐用年数の20%を年数とします。
一部を過ぎた建物は、残りの年数に、過ぎた年数の20%を足します。
1年未満の端数は切り捨て、2年に満たないときは2年とします。
中古で買った人の耐用年数(簡便法の例)
- 築40年の鉄筋コンクリート造15年(残り7年+40年の20%の8年)
- 築47年以上の鉄筋コンクリート造9年(47年の20%。端数は切り捨て)
- 築22年以上の木造4年(22年の20%。端数は切り捨て)
※国税庁タックスアンサーNo.5404の計算式で出した例です。住宅用の場合。
築古の一棟マンションは、融資が付きにくく、買える人は自己資金の多い人や会社に絞られます。
これが、築古の一棟マンションが仲介で長く売れない、大きな理由の一つです。
建物が悪いのではなく、融資を使う買主に向いていないだけなのです。
融資で話が止まった一棟マンションも、融資を使わない前提で金額をお出しします。
査定・ご相談は無料です。2営業日以内にご連絡します。
エレベーター・消防・修繕。一棟マンションならではの費用

エレベーターの点検や、消防の点検の費用が毎年かかります。これが重くて。
木造のアパートには少ない費用です。買主も同じ費用を見て値段を出すので、まず記録をそろえてください。
一棟マンションには、木造アパートにはあまり無い設備が付いています。
エレベーター、消防用設備、受水槽などです。どれも点検や検査が法律で決まっています。
エレベーターは、定期の検査と報告が要る
エレベーターは、資格者に定期に検査させ、結果を特定行政庁へ報告します。
ことばの説明:特定行政庁
建築確認などを受け持つ役所のことです。多くは、市や県の建築の窓口がこれにあたります。
これは建築基準法12条3項の決まりです。
報告の間隔は、おおむね6か月から1年の間で、特定行政庁が決めます。
建築基準法施行規則6条の定めです。
エレベーターの税法上の耐用年数は17年です。建物の47年より、ずっと短い設備です。
数字は減価償却資産の耐用年数等に関する省令の別表によります。
築40年を超える建物なら、交換を済ませたか、いつ替えたかを、買主はまず聞きます。
消防用設備は、点検と報告が要る
消火器や自動火災報知設備などの消防用設備は、点検して消防署へ報告します。
根拠は消防法17条の3の3です。
東京消防庁の案内では、機器点検は6か月に1回、総合点検は1年に1回です。
共同住宅の報告は3年に1回です(消防法施行規則31条の6)。
受水槽が大きいときは、年1回の検査
受水槽の有効容量の合計が10立方メートルを超えると、簡易専用水道になります。
設置者は、毎年1回以上、登録を受けた検査機関の検査を受けます(水道法34条の2)。
中身は東京都保健医療局の案内で確かめられます。
法律で決まっている、設備の点検と検査
- エレベーターおおむね6か月〜1年ごとに検査・報告
- 消防用設備6か月と1年ごとに点検、3年ごとに報告
- 受水槽(10㎥超)毎年1回以上、検査を受ける
※建築基準法施行規則6条、東京消防庁の案内、水道法34条の2より。時期は建物と自治体で違います。
大規模修繕も、木造とは中身が違う
鉄筋コンクリート造でも、屋上の防水、外壁、鉄部、給排水管の修繕は周期的に来ます。
国土交通省の「民間賃貸住宅の計画修繕ガイドブック」には、鉄筋コンクリート造のモデルもあります。
時期と金額の目安はアパートの修繕費の目安でお話ししています。
木造の一棟アパート/一棟マンション
- 共用部は外階段と外廊下が中心
- 修繕は屋根・外壁・鉄部・水まわり
- エレベーター・消防用設備・受水槽の点検と検査が続く
- 修繕は屋上防水・外壁・給排水管・設備の交換
※耐用年数は国税庁「耐用年数表(建物)」の住宅用。
どれも、持ち続ける限り続く費用です。買主も、この費用を引いて家賃から値段を出します。
だから点検の報告書や修繕の記録がそろっているほど、買主は費用を正しく置けます。
旧耐震の鉄筋コンクリート造は、どう扱われるか
旧耐震の建物です。耐震診断をしないと、売れないのでしょうか。
売るためだけに診断する義務はありません。ただ、大きな建物には診断の努力義務があるので、記録の有無は確かめておきます。
建築確認を受けた日が1981年6月1日より前の建物を、旧耐震と呼びます。
鉄筋コンクリート造でも同じです。築45年を超える建物は、旧耐震の可能性があります。
耐震改修促進法14条は、一定の古い建物の持ち主に、診断と改修の努力を求めています。
同法の施行令6条では、賃貸の共同住宅もその対象です。
対象になる規模は、階数3以上で、床面積の合計が1,000平方メートル以上です。
旧耐震で、階数3以上・床面積の合計1,000㎡以上の賃貸の共同住宅?
努力義務なので、売る前に診断や改修を済ませなければならないわけではありません。
ただし、すでに診断を受けていれば、その内容は重要事項として買主へ説明されます。
根拠は宅地建物取引業法施行規則16条の4の3です。
旧耐震の一棟マンションは、融資がさらに付きにくく、買える人は現金で買う人に寄ります。
そのため、直して使えるかを自分で見積もれる買主に向いた建物です。
旧耐震かどうかの確かめ方は旧耐震のアパートは売却できるでお話ししています。
旧耐震でも、エレベーターの交換前でも構いません。診断や修繕の前の今のままで金額をお出しします。
査定・ご相談は無料です。2営業日以内にご連絡します。
現況のまま買う会社は、一棟マンションをどう見るか
査定をもらったら、会社ごとに何を基準にしたのかが、ばらばらでした。
一棟マンションは、積算と家賃の両方で見ます。そこから、修繕と空室の見込みを引きます。
国土交通省の不動産鑑定評価基準には、値段を求める手法が示されています。
一棟マンションでよく使うのは、原価法と収益還元法の2つです。
原価法は、建物を今建て直す費用から、古くなった分を引いて値段を出す方法です。
こうして出す値段を積算価格と呼びます。土地の値段と合わせて見るのがふつうです。
ことばの説明:積算価格
建物を今建て直す費用から、古くなった分を引いた値段のことです。建物が古いほど、この分は小さくなります。
収益還元法は、1年に残る家賃を、利回りで割り戻して値段を出す方法です。
一棟アパートの値段の物差しと、考え方は同じです。
2つの物差しの使い方はアパートの売却相場・買取相場でお話ししています。
積算で見る/家賃で見る
- 建て直す費用から古さの分を引く
- 築古ほど建物の分は小さい
- 直したあとに取れる家賃で考える
- 設備の点検や保守の費用を先に引く
※国土交通省「不動産鑑定評価基準」の原価法・収益還元法の考え方をもとにしています。
一棟マンションならではなのは、ここに設備と修繕の見込みが大きく入ることです。
家賃から見るときに、引くもの
家賃から出す値段では、まず運営の費用を家賃から引きます。
エレベーターの保守、消防の点検、共用部の電気や清掃などです。
そのうえで、これから来る修繕と、空室が埋まるまでの期間を見込んで引きます。
現況のまま買う会社の値段の出し方
- 家賃を置く直したあとに取れる家賃
- 運営の費用を引く保守・点検・共用部の電気や清掃
- 利回りで割り戻す家賃から見た値段を出す
- 修繕と空室を引く防水・外壁・設備の交換、埋まるまでの期間
※最後に、積算で見た値段と見比べて金額を決めます。
修繕の見込みは、屋上防水、外壁、給排水管、エレベーターの交換の時期で大きく変わります。
記録がないと、買主は分からない分を多めに引くしかありません。
反対に、どこをいつ直したかが分かれば、その分だけ引く額は正確になります。
査定を頼む前に、手元に出しておく書類
- 部屋ごとの家賃・入居した時期・敷金の一覧
- エレベーターの定期検査の報告書と、保守の契約書
- 消防用設備の点検結果の報告書
- 受水槽の検査の結果(受水槽がある場合)
- 大規模修繕や設備の交換の記録・見積書
- 確認済証・検査済証・図面(手元にあれば)
そろっていなくても査定はできます。無い書類は「無い」と伝えてください。
買取業者の型と選び方はアパート買取業者の選び方でお話ししています。
仲介で長く売れないときは、現況のまま売る

仲介で長く出していますが、問い合わせがあっても、融資の審査で止まります。
融資を使わない買主に絞れば、話は早く進みます。修繕の前でも、空室があっても構いません。
仲介で問い合わせが来ても、その多くは融資を使って買いたい人です。
築古の一棟マンションは融資の期間が短く、審査の段階で話が止まりがちです。
修繕してから売り直そうと考える方もいますが、先に計算してください。
大規模修繕やエレベーターの交換をしてから売る?
修繕の見積もりが来ているなら、直さずに売った場合の値段と並べてから決めてください。
入居者がいるまま売れば、大家さんの立場は買主に移ります。
敷金を返す義務も買主に移ります(民法605条の2)。
不動産会社が買主になる買取では、売ったあとの責任を負わない形で契約するのが一般的です。
分かっている不具合は、隠さず先に伝えてください。伝えたことは値段に織り込まれます。
買取の流れと日数はアパート買取の流れと期間でまとめています。
仲介で長く売れていない一棟マンションも、入居者がいるまま・修繕の前のままで金額をお出しします。
査定・ご相談は無料です。2営業日以内にご連絡します。
リハコが、関東の一棟マンションを直接買い取る理由
リハコは、川崎市多摩区にある会社です。
古いアパートや空き家を買い取り、直して、その街で部屋を探している人に貸しています。
これまでに空き家・築古物件を累計200戸以上再生してきました。アパートの買取は23件です。
一棟マンションも、関東はリハコが直接買い取ります。
私たちは、建て替えのためではなく、直して貸し続けるために買います。
だから積算と家賃の両方で計算し、修繕と空室をいくら引いたかをお見せできます。
- 入居者がいるまま買い取ります。立ち退きは要りません
- エレベーターの交換や大規模修繕の前でも、現況のまま査定します
- 旧耐震でも、診断や補強の前に金額をお出しします
- 積算と家賃の両方で、価格の根拠をご説明します
- 入居者への「持ち主が変わります」というご案内も、こちらで行います
- 関東はリハコが直接買い取ります。2営業日以内にご連絡します
「古い」「融資が付かない」と言われて、売るのをあきらめかけているなら、一度お話しさせてください。
この街で、あなたのマンションを買いたい人がいることを、金額と根拠でお見せします。
読み終えたら、まずやること
- 部屋ごとの家賃と入居の状況を、分かる範囲でメモする
- エレベーターと消防用設備の点検の報告書を探す
- 修繕の見積もりの前に、今のままの値段を聞く
よくある質問
築40年を過ぎた鉄筋コンクリートの一棟マンションでも、売れますか?
売れます。仲介で止まりやすい理由の多くは、建物の古さより買主の融資です。
融資を使わず、積算と家賃の両方で値段を出す買主なら、修繕の前でも空室があっても話が進みます。
エレベーターの交換や大規模修繕をしてから売ったほうがいいですか?
先に計算してください。かけた費用ほど、値段が上がるとは限りません。
現況のまま買う会社は、修繕の見込みを値段に入れて買います。直さずに売った場合の値段と並べてから決めてください。
旧耐震の一棟マンションは、耐震診断をしないと売れませんか?
売るためだけに診断する義務はありません。
階数3以上・床面積の合計1,000平方メートル以上の賃貸の共同住宅には、診断と改修の努力義務があります。
すでに診断を受けていれば、その内容は重要事項として買主へ説明されます。
売り方の全体像は、築古アパートの売却・買取のまとめでご案内しています。
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融資が付かない、修繕が重い。それでもこの街で部屋を借りたい人はいます。直して貸す前提の金額を、今のままお伝えします。
査定・ご相談は無料です。2営業日以内にご連絡します。




