30秒でわかる、この記事の答え
- 答え店舗付き住宅は、店も住まいも今のままで売れます
- 理由店を借りたい人、家賃で持ちたい人、直して貸す会社がいるから
- まずやること店をだれが使っているかと、契約書の有無を確かめる
あなたの状況から読む
- なかなか売れない売れにくい3つの理由へ
- 店に借り手がいる借り手ごと売る方法へ
- 店を閉めて物が残る什器と残った物の扱いへ
- 税金が気になる3,000万円控除の範囲へ
「1階でやっていた店を閉めた。2階に住んできた家ごと、もう手放したい」
「親の店舗付きの家を相続した。1階には床屋さんが入ったままだ」
結論からお伝えします。
店舗付き住宅は、店の中も住まいも今のままで売れます。
テナントがいれば、その契約ごと買主に引き継げます。
空き店舗で什器が残っていても、片付けずに買い取る会社があります。
ただし、ふつうの家と同じ売り方をすると、時間がかかりやすい建物です。
買う人を「住みたい人」だけに絞ると、店の部分が重く見られるからです。
売り方は3つあります。住まいとして、テナント付きで、今のまま買取で。
どれが合うかは、店を今だれが使っているかで、ほぼ決まります。
この記事では、売れにくい理由、3つの売り方、テナントの引き継ぎを順にお話しします。
廃業後に残った什器の扱いと、税金と用途地域の注意も見ていきます。
店の部分があるせいで、うちの家は売れないと言われました……。
買う人はいます。店を借りたい人、家賃で持ちたい人、直して貸す会社。住みたい人だけに絞らなければ、相手は広がります。
この記事を読んで理解できること
- 店舗付き住宅が、ふつうの家より売れにくい3つの理由
- 住まいとして・テナント付きで・今のまま買取、3つの売り方の選び方
- テナントがいるまま売るときの、契約と保証金の引き継ぎ
- 店を閉めたあとに残った什器・在庫・リース機器の扱い
- 3,000万円の特別控除が、住まいの部分にしか使えないこと
- 用途地域によって、次に店として使えるかが変わること
店を閉めたまま、あるいはテナントが入ったまま。今の状態のままいくらになるかを、先に知っておいてください。
査定・ご相談は無料です。2営業日以内にご連絡します。
この記事の目次
店舗付き住宅が売れにくい3つの理由
駅からも近いのに、なぜ問い合わせが来ないんでしょう。
建物が悪いのではなく、買える人が限られる作りだからです。理由は大きく3つあります。
店舗付き住宅は、1階が店、2階が住まいという作りが多い建物です。
住みたい人にとっては、使わない店の部分まで買うことになります。
店をやりたい人にとっては、業種や広さが合うかどうかが先に来ます。
両方の希望がそろう買主は、ふつうの家に比べてずっと少なくなります。
売れにくい3つの理由
- 用途が限られる住む人にも店をやる人にも、半分しか合わない
- ローンが使いにくい店の部分の代金には住宅ローンが使えない
- 店の原状回復厨房や造作をどうするかで話が止まる
住宅ローンは、店の部分に使えない
住みたい人の多くは、住宅ローンで家を買います。ここが2つ目の壁です。
住宅金融支援機構の【フラット35】の借入対象となる住宅の条件を見てみます。
店舗付き住宅では、住宅部分の床面積が店舗などの部分以上であることが要件です。
さらに、店舗や事務所の部分の購入価額は、借入の対象外とされています。
住まいの部分の床面積が、店の部分以上ある?
※住宅金融支援機構「【フラット35】借入対象となる住宅」の要件より。民間の住宅ローンは金融機関ごとに条件が違います。
民間の銀行のローンは、それぞれの銀行が条件を決めています。
いずれにしても、店の部分の代金は手元のお金で払う買主が多くなります。
店の部分の原状回復で、話が止まる
3つ目は、店の中をどうするかです。
飲食店なら厨房やダクト、美容室なら給排水など、業種ごとの造作が残ります。
次も同じ業種で使う人には便利でも、ほかの人には壊す費用がかかる物です。
テナントが出ていく場合は、借りた人が直す範囲も問題になります。
民法(e-Gov法令検索)621条は、借りた人の原状回復の義務を定めています。
ただし、ふつうに使って生じた傷みや古くなった分は、その対象から除かれています。
ことばの説明:原状回復
借りた人が出ていくとき、借りたあとに付いた傷を元に戻すことです。ふつうに使った傷みや古くなった分は除かれます。
どこまでを誰が戻すかは、店の賃貸借契約の特約で決めていることも多いです。
契約書が見つからないときは、そのことも含めて買主に伝えてください。
買主が限られる建物でも、直して貸す前提なら値段の出し方があります。店の部分も含めてお見せします。
査定・ご相談は無料です。2営業日以内にご連絡します。
売り方は3つ。店をだれが使っているかで選ぶ
不動産屋さんには「ふつうの家として」売り出してもらっています。それでいいんでしょうか。
店が空いていて、住まいとして使える作りならそれも一つです。ただ、ほかに2つの売り方があります。
店舗付き住宅の売り方は、大きく分けて3つです。
店舗付き住宅の3つの売り方
- 住まいとして住みたい人に仲介で売る。店の部分の使い方は買主が決める
- テナント付きで家賃が入る収益物件として、投資する人に売る
- 今のまま買取店の造作も残った物もそのまま、会社が買い取る
住まいとして売る
店を閉めて空いていて、2階だけで暮らせる作りなら、住みたい人に売れます。
ただ、先ほどの住宅ローンの壁があり、買主が見つかるまで時間がかかりがちです。
店の部分を住まいに直してから売る方法もありますが、その費用は売主が先に払います。
テナント付きの収益物件として売る
1階に借り手がいて家賃が入っているなら、その家賃に値段を付ける買主がいます。
家賃で持ちたい人は、住むための家ではなく、収益を生む物件として見ます。
2階の住まいも、売主が出たあとに貸せる作りなら、見方はさらに広がります。
収益物件の売り方の全体は収益物件を売却する流れと期間にまとめています。
今のまま買い取ってもらう
空き店舗のまま、什器や在庫が残ったまま、建物の傷みもそのまま。
こうした状態で買主を探すより、買い取る会社に売るほうが早いことがあります。
買い取る会社は、店の部分を直して貸すか、別の使い方にするかまで見込みます。
そのうえで、今の状態のままの値段を出します。
いま、店に借り手(テナント)がいる?
値段は、土地の値打ちと、入る家賃(または入りそうな家賃)の両方から考えます。
買取で売るときの流れと日数はアパート買取の流れと期間でお話ししています。
テナントがいるまま売る。契約も保証金も買主へ
1階の床屋さんに、出ていってもらわないと売れませんか。
出ていってもらう必要はありません。借りている人の契約は、そのまま買主に引き継がれます。
借り手がいるまま建物を売ることを、オーナーチェンジと呼びます。
ことばの説明:オーナーチェンジ
借り手が入ったまま、建物の持ち主だけが替わる売り方です。借り手は同じ条件で借り続けます。
借地借家法(e-Gov法令検索)31条にこうあります。
建物の賃貸借は、登記がなくても、引き渡しがあれば新しい持ち主に効力が及びます。
民法605条の2では、その場合、貸す人の立場は買主に移るとされています。
同じ条の4項で、敷金(保証金)を返す義務も買主が引き継ぐと定めています。
また民法605条の3は、貸す人の立場を移すのに、借り手の承諾は要らないとしています。
テナントがいるまま売るときの引き継ぎ
- 契約を集める賃貸借契約書・家賃・保証金の額
- 買主に伝える更新の時期・原状回復の特約
- 決済で精算家賃と保証金を売主と買主で分ける
- 借り手に通知新しい振込先と連絡先を知らせる
※借地借家法31条、民法605条の2・605条の3をもとにしています。
保証金は、決済の日に売主と買主の間で精算する形をとることが多いです。
返す義務が買主に移るので、預かっていた分を売値から差し引く考え方です。
売るからといって、出ていってもらうことはできない
借地借家法28条では、貸す人からの更新の拒絶や解約に「正当の事由」が要ります。
売りたいという事情だけで、借り手に出ていってもらうのは難しいと考えてください。
借り手がいるなら、借り手ごと売る道を先に考えるほうが、話がこじれません。
先にそろえておくもの
- 店の賃貸借契約書(無ければ、家賃や保証金が分かる通帳や領収書)
- 毎月の家賃と、預かっている保証金・敷金の額
- 契約の期間と、次の更新の時期
- 原状回復や造作についての特約
- 家賃の遅れや修理の約束など、借り手との間の取り決め
書類がそろっていなくても、分かっている範囲から査定は始められます。
テナントの契約書が古くても、手元にある分だけで構いません。借り手がいるままの金額をお出しします。
査定・ご相談は無料です。2営業日以内にご連絡します。
店を閉めたあとの什器・在庫・残った物の扱い
廃業して、厨房の機械も椅子も残ったままです。全部捨ててからでないと売れませんか。
捨てなくても売れます。ただ、捨てるなら家庭ごみとは扱いが違うので、先に知っておいてください。

店で使っていた物は、捨てる前に3つに分けて考えます。
店に残った物を3つに分ける
- 自分の物買った什器・椅子・在庫。売るか、残すか、捨てるか決める
- リースの物リース会社の物。勝手に捨てたり売ったりしない
- 借り手の物テナントが付けた造作。契約の特約で扱いを確かめる
リースの機械は、自分の物ではない
業務用の冷蔵庫や製氷機、レジなどは、リースで借りていることがあります。
リースの物はリース会社の持ち物です。契約書を出し、解約や返し方を確かめます。
どれがリースか分からないときは、機械に貼られたシールや毎月の引き落としを見ます。
店のごみは、家庭ごみに出せない
廃棄物処理法(e-Gov法令検索)3条は、事業者の責務を定めています。
事業で生じた廃棄物は、事業者が自らの責任で適正に処理しなければなりません。
たとえば川崎市の事業系ごみの案内では、市は事業系ごみを収集しないとしています。
自分で市の焼却施設に運ぶか、許可を受けた業者に頼むかで、どちらも有料です。
店の什器や在庫を片付けるだけで、思った以上の手間とお金がかかることがあります。
居抜きで欲しい人もいる。片付けずに売る道もある
次も同じ業種で使う人には、残った厨房や設備が役に立つこともあります。
片付けるかどうかは、売り方を決めてからでも遅くありません。
今のまま買い取る会社に売るなら、残った物ごと引き渡す形もとれます。
残った物の費用を誰が持つかは残置物の撤去費用は誰が払う?も参考にしてください。
3,000万円の特別控除は、住まいの部分だけ
自宅を売ると3,000万円まで税金がかからないと聞きました。うちも全部それで済みますか。
使えるのは、住んでいた部分だけです。店の部分は、その特例の外になります。
国税庁タックスアンサー No.3452「店舗併用住宅を売ったときの特例」の内容です。
3,000万円の特別控除などを受けられるのは、自分が住んでいた部分に限られます。
住まいと店の床面積で分け、土地も建物の住まいの割合に合わせて分けて計算します。
店舗付き住宅を売ったときの3,000万円控除
- 3,000万円の特別控除などの対象
- 土地も住まいの割合の分が対象
- 3,000万円の特別控除は使えない
- ふつうの譲渡所得として計算する
※国税庁タックスアンサー No.3452「店舗併用住宅を売ったときの特例」より。
同じページには、住まいの部分がおおむね90%以上なら、全体を住まいとして扱えるとあります。
2階で暮らし、1階を小さな店にしていた家では、割合を確かめる値打ちがあります。
店を閉めて引っ越したあとは、期限に注意
国税庁タックスアンサー No.3302「マイホームを売ったときの特例」には期限も示されています。
住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ることです。
廃業と同時に別の家へ移った方は、この期限から逆算して売る時期を考えてください。
ほかにも、親子や夫婦の間の売買ではないことなど、いくつかの条件があります。
親から相続した店舗付き住宅は、考え方が変わります。
相続した物件の税金は相続したアパートの売却税金でお話ししています。
実際の計算と申告は、税務署か税理士に確かめてください。店の消費税の扱いも同じです。
住まいの割合や期限を確かめたら、今の状態で売った場合の金額も並べてください。手取りの見通しが立ちます。
査定・ご相談は無料です。2営業日以内にご連絡します。
用途地域で、次に店として使えるかが変わる
いまの店は昔から営業してきました。次の人も同じように店を開けますよね。
同じとは限りません。建物が建っている地域の決まりで、開ける店の種類や広さが変わります。
都市計画では、土地ごとに建てられる建物の用途が決められています。これが用途地域です。
ことばの説明:用途地域
街を、住まい中心・商店中心・工場中心などに分けた区分です。区分ごとに建てられる建物が決まっています。
住まい中心の地域では、店を兼ねた家に厳しい条件があります。
建築基準法施行令(e-Gov法令検索)130条の3が、第一種低層住居専用地域の条件です。
延べ面積の2分の1以上を住まいに使い、店などの部分は50㎡以下であること。
店の種類も、日用品の店、食堂や喫茶店、理髪店や美容院などに限られます。
第一種低層住居専用地域にある店舗付き住宅?
※建築基準法施行令130条の3より。ほかの用途地域は市区町村の資料で確かめてください。
今の店が昔から営業していても、次の人が別の業種で開けるとは限りません。
住まいを店に変えるときは、広さによって手続きも要ります。
建築基準法(e-Gov法令検索)87条は、用途を変えるときにも確認の手続きを準用しています。
店や飲食店などに変える部分が200㎡を超えると、その対象になります(同法6条)。
用途地域は、市区町村の都市計画の窓口やホームページの地図で調べられます。
調べた結果を買主に伝えると、次の使い方を考えてもらいやすくなります。
リハコは、店舗付き住宅を今のまま買い取ります
リハコは、古いアパートや空き家を買い取り、直して、その街で部屋を探す人に貸す会社です。
これまでに空き家・築古物件を累計200戸以上再生してきました。
戸建ての買取は63件、アパートの買取は23件です。
建物の傷み、残った荷物、借り手がいる部屋。どれも、そのまま引き受けてきました。
店舗付き住宅も、同じ考え方で見ます。
店の部分は、店として貸すか住まいに直して貸すかを、地域の決まりと合わせて考えます。
だから、空き店舗も、残った什器も「買わない理由」にはなりません。
- 店に借り手がいるまま、契約と保証金ごと引き継ぎます
- 空き店舗のまま、什器や在庫が残ったままでも買い取ります
- 土地から見た値段と、家賃から見た値段の両方で、根拠をご説明します
- 関東はリハコが直接買い取ります。2営業日以内にご連絡します
ほかで断られた理由が分かっていれば、それも教えてください。
断られやすい物件の売り方は訳ありアパートの買取でも紹介しています。
店を閉めて「この建物をどうしよう」と思ったら、片付ける前に一度お話しさせてください。
この街で、あなたの店舗付き住宅を買いたい人がいることを、金額と根拠でお見せします。
読み終えたら、まずやること
- 店をだれが使っているか、借り手がいれば契約書と保証金の額を確かめる
- 残っている機械のうち、リースの物を引き落としや契約書で調べる
- 住まいと店の床面積の割合と、住まなくなった日をメモしておく
よくある質問
1階の店にテナントが入ったままでも、店舗付き住宅は売れますか?
売れます。借り手に出ていってもらう必要はありません。
借り手が引き渡しを受けていれば、賃貸借は新しい持ち主にも効力があります(借地借家法31条)。
貸す人の立場も保証金を返す義務も、買主に引き継がれます(民法605条の2)。
店を閉めて厨房の機械や在庫が残っています。片付けないと売れませんか?
片付けなくても、今のまま買い取る会社に売れます。
片付けるなら、店のごみは事業のごみとして自分の責任で処理します(廃棄物処理法3条)。
リースの機械はリース会社の物なので、勝手に捨てずに契約を確かめてください。
店舗付き住宅を売ると、3,000万円の特別控除は全部に使えますか?
使えるのは、自分が住んでいた部分だけです。
国税庁タックスアンサー No.3452では、住まいの部分に限るとされています。
住まいの部分がおおむね90%以上なら、全体を住まいとして扱えます。
店舗付き住宅が、ふつうの家より売れにくいのはなぜですか?
住みたい人と店をやりたい人の、両方に合う買主が少ないからです。
店の部分の代金には住宅ローンが使えず、手元のお金で払う買主が多くなります。
厨房などの造作をどうするかでも、話が止まりやすくなります。
売り方の全体像は、築古アパートの売却・買取のまとめでご案内しています。
あわせて読みたい:オーナーチェンジ物件が売れない理由、入居者がいるアパートを売却する手順
店が空いていても、借り手がいても、この街でこの建物を使いたい人はいます。今の状態のままの金額をお伝えします。
査定・ご相談は無料です。2営業日以内にご連絡します。




