30秒でわかる、この記事の答え
- 答え空室だらけでも、全部空いていても、アパートは売れます
- 理由値段は、土地の値段と直したあとの家賃からも決まるから
- まずやること空室の理由と、いつから募集していないかをメモする
あなたの状況から読む
- 全部の部屋が空いている土地と直したあとの家賃で決まる値段へ
- 古くて埋まらない空室の原因ごとの売り方へ
- 埋めてから売るか迷う満室にしてから売るかの判断へ
- 売るまで空けておく全空のときに気をつけることへ
「8部屋のうち、埋まっているのは2部屋だけ。こんなアパート、誰が買うのか」
「全部空いてしまった。満室にしないと売れないと言われた」
結論からお伝えします。
空室だらけのアパートも、全空室のアパートも売却できます。空室が多いと、「家賃÷利回り」で出す収益の値段は小さくなります。
ことばの説明:利回り
買う値段に対して、1年に入る家賃が何%かを表す数字です。利回り10%なら、値段の1割の家賃が毎年入る計算です。
そのときの値段は「土地の値段」と「直したあとに取れる家賃」で決まります。
全空のアパートは、直して貸す買主にとってはむしろ扱いやすい状態です。
満室にしてから売ったほうが高く売れる、というのは半分だけ本当です。
満室にするための費用と時間、その間にかかる返済や税金を足すと、今のまま売ったほうが手元に残ることも少なくありません。
この記事では、まず空室が多いと値段がどう下がるのか、収益で値段がつかないときに何で決まるのかをお話しします。
そのうえで、満室にしてから売るべきか、全空のまま売るときに気をつけることを順に見ていきます。
満室でもないアパートなんて、相手にされないと思っていました。
そんなことはありません。空室が多いアパートを、直して埋めるのが仕事の買主もいます。値段の決まり方がわかれば、不安の多くは消えます。
この記事を読んで理解できること
- 空室が多いアパートが、なぜ安く見られるのか
- 家賃で値段がつかないとき、何で値段が決まるのか
- 空室の原因によって、売り方がどう変わるか
- 満室にしてから売るか、今のまま売るかの判断
- 全空のアパートを売るまでに気をつけること
- 空室だらけのアパートを買う買主の考え方
空室が何部屋あっても、全部空いていても査定します。今の入居状況のまま、金額をお伝えします。
査定・ご相談は無料です。2営業日以内にご連絡します。
この記事の目次
空室が多いアパートは、なぜ安く見られるのか
空室が多いと、どのくらい安くなるんですか。
収益で値段を出すと、空室の分だけそのまま下がります。仕組みを先に知っておくと、査定の金額に振り回されません。
収益物件の値段の出し方は、国土交通省の不動産鑑定評価基準にある「収益還元法」がもとになっています。
不動産が生む収益を、一定の率で割り戻して値段を求める方法です。アパートの売買では、次の形で使われます。
| 考え方 | 年間の家賃収入 ÷ 買主が期待する利回り = 値段 |
| 満室の例 | 1室5万円×8室×12か月=年480万円。利回り10%で見ると4,800万円 |
| 2室だけ入っている例 | 1室5万円×2室×12か月=年120万円。同じ利回りで見ると1,200万円 |
数字は説明のための例ですが、今の家賃だけで値段を出すと、空室が多いほど値段はそのまま小さくなることがわかります。
今の家賃だけで値段を出すと(利回り10%の例)
※1室5万円で計算した、説明のための例です。
「満室でないと売れない」「値段がつかない」と言われるのは、この計算をしているからです。
さらに、空室が多いと、買主は「なぜ空いているのか」「買ったあとも埋まらないのではないか」と考えます。
融資を使う買主は、金融機関からも家賃収入の少なさを指摘され、融資が出にくくなります。
こうして買える人が減り、値段はさらに下がりやすくなります。
査定の金額が会社ごとにばらつく理由
空室が多いアパートは、査定を頼むと会社ごとに金額が大きく違うことがあります。
今の家賃で計算する会社、土地の値段で考える会社、直したあとの家賃で考える会社があるからです。
同じアパートでも、どの計算かで金額が何倍も変わります。
高い金額が出ても、その根拠が「満室になったら」の家賃なら、実際にその値段で買う人がいるとは限りません。
金額を聞くときは、必ず「どの計算で出した金額か」を確かめてください。
空き部屋は全国で増えています。
総務省の令和5年住宅・土地統計調査(住宅数概数集計)によると、2023年の空き家は900万戸です。
そのうち賃貸用の空き家は443万戸でした。買主が「埋まるかどうか」を慎重に見るのは、このためです。
2023年の空き家(総務省)
※令和5年住宅・土地統計調査(住宅数概数集計)より。
「満室でないと値段がつかない」と言われても、土地と直したあとの家賃から見れば値段は出ます。その計算をお見せします。
査定・ご相談は無料です。2営業日以内にご連絡します。
家賃で値段がつかないとき、値段は土地の値段で決まる

全部空いていたら、家賃収入はゼロですよね。値段もゼロなんですか。
ゼロにはなりません。土地には値段がありますし、直せば家賃は取れます。全空のときは、この2つで考えます。
空室が多く、今の家賃では値段が出ないときは、次の2つの見方で値段を考えます。
| 見方 | 考え方 | こんなときに効く |
| 土地の値段から | 土地の値段を土台に、建物の状態を足し引きする | 建物が古く、今の家賃がほとんどない |
| 直したあとの家賃から | 直したあとに取れる家賃から、直す費用と空室を埋める期間を差し引く | 場所に借りたい人がいて、直せば埋まる見込みがある |
土地の値段の目安は、路線価で調べられる
土地の値段の目安は、国税庁の路線価で調べられます。
ことばの説明:路線価
道に面した土地1㎡あたりの値段として、国税庁が決めている目安です。国税庁のサイトで、だれでも調べられます。
国税庁は路線価等についての中で、路線価を地価公示価格等の8割程度を目安に定めているとしています。
路線価に土地の面積を掛けると、土地のおおよその評価がわかり、それを0.8で割り戻すと、公示価格の水準に近い目安になります。
土地の値段の目安の出し方
- 路線価を調べる国税庁のサイトで
- 面積を掛ける土地のおおよその評価
- 0.8で割り戻す公示価格の水準に近い目安
「壊す前提」か「直す前提」かで、値段が大きく変わる
ここで値段を大きく分けるのが、買主が建物をどうするつもりかです。
不動産鑑定評価基準でも、建物を取り壊すことが最も有効な使い方だと認められる場合を定めています。
その場合は、敷地の値段から、取り壊し・除去・運搬などにかかる費用を差し引いて考えるとされています。
つまり、建物を壊して土地として売るつもりの買主は、解体費を値段から引きます。
一方で、建物を直して貸すつもりの買主は、解体費ではなく修繕費を見込み、直したあとの家賃から値段を考えます。
空室だらけのアパートこそ、どちらの買主に売るかで手取りが変わります。
壊す前提の買主/直す前提の買主
- 建物を壊して土地として売る
- 敷地の値段から解体費を差し引く
- 解体費ではなく修繕費を見込む
- 場所がよければ全空でも値段がつく
直したあとの家賃から逆算する
直して貸す買主は、次の順で値段を考えます。土地の値段と見比べて、高いほうが値段の土台になることが多いです。
| 直したあとの家賃 | 同じ場所・同じ広さの部屋の募集家賃から、直したあとに取れる家賃を見込む |
| 直したあとの値段 | 直したあとの年間家賃 ÷ 期待する利回り |
| 差し引くもの | 直す費用、空室を埋めるまでの期間の家賃、募集の費用、買主の手間と利益 |
| 今の値段 | 直したあとの値段から、差し引くものを引いた額 |
この計算では、今の空室の数はあまり関係ありません。大事なのはその場所で、直した部屋がいくらで貸せるかです。
だから、場所さえよければ、全空でもしっかり値段がつきます。
ボロボロでも空室だらけでも売れた例は、横浜市の築古アパートの売却で写真とともに紹介しています。
全空だった1Kアパートの例も含む、横浜市の事例です。
空室の原因で、売り方が変わる
うちが埋まらないのは、古いからだと思うんですが……。
古さが原因なら、直せば埋まります。原因が別のところにあるかどうかで、売り方も値段も変わるので、一度整理してみましょう。
| 空室の原因 | 買主の見方 | 売り方のポイント |
| 家賃が相場より高い・募集が弱い | 家賃と募集を見直せば埋まる。前向きに評価されやすい | 近くの募集家賃を示し、埋まる根拠を伝える |
| 部屋が古い(和室・古い台所や浴室) | 直せば埋まる。直す費用を差し引いて評価する | 直して貸す買主に売る。先に直す必要はない |
| 建物の傷み(雨漏り・外階段・給排水) | 修繕費を見込む。直せば貸せるかを見る | 不具合を伝え、現況のまま買う買主に売る |
| 場所に借りたい人が少ない | 直しても埋まりにくい。土地の値段で考えることが多い | 土地としての使い道も含めて、買主を広く探す |
いちばん多いのは、2つ目と3つ目の「古さ」と「傷み」です。
これは直せば埋まる空室なので、直して貸す買主にとっては値段を下げる理由ではあっても、買わない理由にはなりません。
空室の原因は、部屋の古さや建物の傷み?
自分で管理していて、募集を止めていた場合
ご高齢のオーナーさんが自分で管理しているアパートで、よくあることです。
退去のあとに部屋を直す気力がなく、募集そのものを止めていたのです。
この場合の空室は「借りたい人がいない」のではなく「貸していない」だけです。
買主にとっては、直して募集すれば埋まる見込みのある空室なので、そう伝えるだけで見られ方が変わります。
いつから、なぜ募集していないのかを、わかる範囲でメモしておいてください。
空室が多いまま仲介で売りに出して、なかなか買主が見つからないこともあります。
その対処はオーナーチェンジ物件が売れないときでお話ししています。売り方の全体は古いアパートを売りたい人へもご覧ください。
空室の原因が古さや傷みなら、直して貸すリハコにとっては買う理由になります。部屋の写真だけでも見せてください。
査定・ご相談は無料です。2営業日以内にご連絡します。
満室にしてから売るか、今のまま売るか

少しでも埋めてから売ったほうが、高く売れますよね。
高くはなります。ただ、その分の費用と時間をかけても手取りが増えるかを、先に計算してください。
空室を埋めてから売れば、家賃収入が増え、収益で見た値段は上がります。けれど、埋めるまでには次の費用と時間がかかります。
| 部屋を直す費用 | 原状回復、設備の入れ替え、和室を洋室にする工事など |
| 募集の費用 | 仲介会社への広告料、募集の写真やチラシ |
| 埋まるまでの時間 | 数か月から、場所によってはそれ以上。その間も返済・固定資産税・保険は続く |
| 埋まらないおそれ | 直しても、場所によっては埋まらないことがある |
比べ方はシンプルです。まず「埋めてから売った場合の値段」から「埋めるまでにかかった費用と、その間の返済や税金」を引きます。
その額と、「今のまま売った場合の値段」を並べてください。
埋めてから売る/今のまま売る
- 部屋を直す費用・募集の費用
- 埋まるまで返済と税金が続く
- 埋まらないおそれもある
- 手間とリスクがない
- 入居者はそのまま引き継ぐ
前者が大きく上回らないなら、今のまま売るほうが、手間もリスクもなく手元に残ります。
たとえば、埋めるのに1年かかり、その間の返済と固定資産税で数百万円が出ていくとします。
それなら埋めたあとに値段が上がっても、差し引きで手元に残るお金はあまり変わらないことがあります。
しかも、その1年の間に建物はさらに古くなります。「埋めてから売る」は、時間を味方につけられる人のための選択です。
埋めるなら、買主の出口を狭めないように
もう一つ気をつけたいのは、新しく入居者を入れると、あとで建物を壊して使いたい買主には売りにくくなることです。
入居者に出ていってもらうには正当の事由と立ち退きの交渉が要るからです(築古アパートは立ち退きなしで売却できる)。
売ることが決まっているなら、埋めるかどうかは買主と相談してからでも遅くありません。
反対に、すでに入居者がいるなら、その入居者はそのまま引き継げます。
空室が多くても、入居している部屋があること自体が、買主にとって「この場所で借りる人がいる」という証拠になります。
全空のアパートを売るまでに、気をつけること
全部空いていると、何か困ることはありますか。
人が住まない建物は、傷みが早く進みます。売るまでの間、最低限の手入れだけはしておいてください。
| 換気と通水 | ときどき窓を開け、水を流す。排水の封水が切れると、下水の臭いや虫が上がってくる |
| 雨漏りの応急処置 | 雨漏りは放っておくと床や柱まで傷む。売るまでの間も止めておく |
| 防犯 | 郵便受けのチラシがたまると空き家だとわかる。施錠と見回りを |
| 火災保険 | 全空になると、保険の扱いが変わることがある。契約内容を保険会社に確かめる |
| 草木と共用部 | 草が伸び、ゴミが置かれると、近所からの苦情や不法投棄のもとになる |
全空になった理由も、わかる範囲で整理しておいてください。
理由によって、買主が見込む直す費用や埋まるまでの期間が変わるからです。
たとえば「前の管理会社が募集をやめていた」「雨漏りで貸せなくなった部屋から空いていった」などです。
「建て替えのつもりで退去をお願いしていた」という理由もあります。
理由がはっきりしている全空は、理由がわからない全空より安心して買えるものです。
また、全空だからといって建物を壊すのは、急がないでください。
住宅が建っている土地は、固定資産税の課税標準が最大6分の1になる特例があります(総務省「固定資産税の概要」)。
建物を壊すとこの特例が外れて、税金が上がります。解体費もかかります。
建物を残したまま、直して貸す買主に売れるかを先に確かめるほうが安全です。
全空だから、建物を壊してから売る?
解体の相談はリハコの解体の窓口、残った荷物の片付けは片付けの窓口でも受けています。
全空のアパートは、壊す前に一度お話しさせてください。建物を残したまま、直して貸す前提の金額をお出しします。
査定・ご相談は無料です。2営業日以内にご連絡します。
リハコが、空室だらけのアパートを買う理由

リハコは、古いアパートや空き家を買い取り、直して、その街で部屋を探している人に貸している会社です。
これまでに空き家・築古物件を累計200戸以上再生してきました。アパートの買取は23件、そのうち14件が神奈川県です。
リハコの実績
空室だらけのアパートは、私たちにとっては「直せば埋まる部屋がたくさんある建物」です。
全空なら、全部の部屋をまとめて工事でき、家賃も今の相場に合わせて設定し直せます。
入居者がいる部屋を避けながら少しずつ直すより、かえって進めやすいこともあります。
だから、今の家賃収入だけで値段を決めることはしません。
土地の値段と、直したあとに取れる家賃の両方を見て、根拠を説明できる金額をお出しします。
- 空室が何部屋あっても、全空でも、現況のまま買い取ります
- 入居している部屋があれば、入居者はそのまま引き継ぎます
- 解体も片付けも不要です。売る前に部屋を直す必要もありません
- 全国対応(関東はリハコが直接買取、関東外は提携先と進めます)。2営業日以内にご連絡します
相場の考え方をもう少し詳しく知りたい方は築古アパートの買取相場をご覧ください。
空室が埋まらず経営そのものに悩んでいる方は、アパート経営の失敗と、続けるか手放すかの判断もあわせてどうぞ。
読み終えたら、まずやること
- 路線価で、土地の値段の目安を調べる
- 空室の理由と、いつから空いているかをメモする
- 建物は壊さず、今のままの状態で査定を頼む
よくある質問
空室だらけのアパートでも売れますか?
売れます。空室だらけでも、全部の部屋が空いていても売却できます。
空室が多いと家賃から出す値段は小さくなりますが、そのときは土地の値段と直したあとの家賃で決まります。
満室にしてから売ったほうが高く売れますか?
値段は上がりますが、手元に残るお金が増えるとは限りません。
直す費用や募集の費用、埋まるまでの返済や税金を引くと、今のまま売るほうが残ることもあります。
全部空いているなら、建物を壊して更地にしてから売るべきですか?
急がないでください。壊すと住宅用地の固定資産税の特例が外れ、税金が上がります。
解体費もかかるので、建物を残したまま、直して貸す買主に売れるかを先に確かめるほうが安全です。
売り方の全体像は、築古アパートの売却・買取のまとめでご案内しています。
空室だらけでも、全部空いていても、この街で部屋を借りたい人はいます。直して貸す前提の金額を、今の状態のままお伝えします。
査定・ご相談は無料です。2営業日以内にご連絡します。



