30秒でわかる、この記事の答え
- 答え旧耐震のアパートも、診断や補強をせずに売れます
- 理由現金で買って直して貸す買主や、土地の値段で考える買主がいるから
- まずやること確認済証で、建築確認を受けた日を確かめる
あなたの状況から読む
- 旧耐震か分からない確かめる書類と見分け方へ
- 補強すべきか迷う診断・補強をするかの判断へ
- 値段の決まり方を知りたい土地の値段と家賃での決まり方へ
- 入居者がいる現況のまま売る進め方へ
「旧耐震のアパートは売れない、と不動産屋に言われた」
「耐震診断や補強をしないと、買ってもらえないのだろうか」
結論からお伝えします。
旧耐震のアパートも売却できます。旧耐震とは、1981年(昭和56年)5月31日以前に建築確認を受けた建物のことです。
ことばの説明:建築確認
建物を建てる前に、その計画が基準に合っているかを確かめてもらう手続きです。受けると確認済証を受け取ります。
買主が融資を使いにくいため、融資で買う一般の投資家には売りにくくなります。
けれど、現金で買って直して貸す買主や、土地の値段で考える買主には売れます。耐震診断や補強は、売るための条件ではありません。
大切なのは、旧耐震であることを隠さず、「どんな買主なら買うのか」を知ったうえで売り方を選ぶことです。
売り方を間違えると、仲介で何か月も売れずに値下げを重ねることになります。
この記事では、まず旧耐震かどうかの見分け方と、売りにくいと言われる理由をお話しします。
そのうえで、耐震診断と補助の使いどころ、現況のまま売る進め方を順に見ていきます。
旧耐震って聞いただけで、もうダメなんだと思っていました。
ダメではありません。買える人が限られるだけです。その限られた買主に、まっすぐ届く売り方を選べば売れます。
この記事を読んで理解できること
- 旧耐震かどうかを、書類で確かめる方法
- 旧耐震のアパートが売りにくいと言われる3つの理由
- 売るときに、買主へ何を説明する必要があるか
- 耐震診断・補強をしてから売るべきかの判断
- 旧耐震のアパートの値段の決まり方
- 入居者がいるまま、現況のまま売る進め方
旧耐震と言われたアパートも、診断や補強の前に今の状態のまま査定します。建築年がわからなくても大丈夫です。
査定・ご相談は無料です。2営業日以内にご連絡します。
この記事の目次
旧耐震かどうかの見分け方
うちのアパートが旧耐震かどうか、どうやって確かめればいいですか。
見るのは「建てた年」ではなく「建築確認を受けた日」です。ここを取り違えている方がとても多いんです。
建物の耐震の基準は、1981年6月1日に大きく改められました。
それより前の基準で建てられた建物を「旧耐震」、後の基準のものを「新耐震」と呼びます。
分かれ目になるのは、工事が終わった日ではなく、建築確認を受けた日です。
建築確認を受けた日は1981年6月1日より前?
| 確かめる書類 | どこにあるか | わかること |
| 確認済証(確認通知書) | 建てたときに施主が受け取る。家の書類の中にあることが多い | 建築確認を受けた日 |
| 建築計画概要書・台帳記載事項証明 | 市区町村の建築指導の窓口で閲覧・取得できることがある | 確認の日付や番号 |
| 登記事項証明書 | 法務局で取得できる | 新築の年月日(確認の日ではない) |
登記簿の新築の日付は、工事が終わった日です。建築確認から完成までには数か月かかります。
そのため、登記の新築日が1981年の後半から1983年ごろの建物は、旧耐震の基準で確認を受けている可能性があります。
登記の日付だけで「新耐震だ」と決めつけず、確認の日付を確かめてください。
確認済証の日付/登記の新築日
- 確認から完成まで数か月ずれる
- 1981年後半〜1983年ごろは要注意
- 旧耐震かどうかはこちらで決まる
確認済証がどこにもなく、役所でも記録が見つからないこともあります。その場合でも売ることはできます。
登記の新築日、建物の造り、わかる範囲の経緯を買主に伝え、旧耐震かもしれない前提で値段を決めればよいのです。
書類がそろわないことを理由に、売るのをあきらめる必要はありません。
また、増築をしている建物は、元の建物と増築部分で確認の時期が違うことがあります。
増築の記録があれば、あわせて確かめておいてください。
木造は2000年にも基準が見直されている
木造の建物は、2000年(平成12年)にも接合部の金物や壁の配置などの基準が見直されています。たとえば横浜市の「木造住宅の無料耐震診断」は、平成12年5月31日以前に新築の工事に着手した木造住宅までを対象にしています。1981年以降の木造アパートでも、耐震性を気にする買主がいることは知っておいてください。
確認済証が見つからなくても査定できます。わかる範囲の情報だけで、旧耐震のアパートの目安をお伝えします。
査定・ご相談は無料です。2営業日以内にご連絡します。
旧耐震のアパートが売りにくいと言われる3つの理由
どうして旧耐震だと売りにくいんでしょう。
理由は「買主がお金を借りにくい」「入居者や買主が不安に思う」「この先の費用が読めない」の3つです。
買主が融資を使いにくい
アパートを買う投資家の多くは、金融機関の融資を使います。
金融機関は、建物があと何年使えるか、担保としていくらの価値があるかを見て、融資の額と期間を決めます。
旧耐震のアパートは築40年を超えていて、法定耐用年数をすでに過ぎていることがほとんどです。
国税庁の耐用年数表(建物)では、住宅用の木造は22年、鉄骨造(骨格材の肉厚4mm超)は34年です。
法定耐用年数と旧耐震のアパート
- 木造(住宅用)22年
- 鉄骨造(肉厚4mm超)34年
- 旧耐震のアパート築40年超
※国税庁「耐用年数表(建物)」より。
そのうえ金融機関によっては旧耐震の建物への融資に慎重なこともあり、融資で買う買主が減る。
これが売りにくさのいちばんの理由です。
入居者や買主が、地震への不安を持つ
地震のたびに、古い建物の被害が報じられます。
入居者募集で旧耐震であることを気にする人もいますし、買主は「入居者が集まり続けるか」を心配します。
この先の修繕や建て替えの費用が読めない
旧耐震のアパートは、屋根・外壁・給排水などの大きな修繕が重なる時期にあります。
耐震補強まで考えると、買ったあとにいくらかかるのかが読みにくく、買主は慎重になります。
鉄骨造や鉄筋コンクリート造の旧耐震アパートでも、考え方は同じです。構造によって、修繕の中身や費用は変わります。
それでも「融資がつきにくい」「この先の費用が読みにくい」ために買主が限られる点は同じです。
3つとも、裏を返せば「融資を使わず、直す費用を自分で見積もれる買主」にとっては問題になりにくいということです。
旧耐震のアパートは、買主を選べば売れるのはこのためです。
売るときに、買主へ説明すること
旧耐震だということは、言わないといけませんか。
聞かれなくても、建てた時期は資料で必ずわかります。隠す意味はありませんし、診断を受けていればその内容も説明の対象になります。
不動産会社が間に入って売る場合、契約の前に「重要事項説明」が行われます。
ことばの説明:重要事項説明
不動産会社が契約の前に、買主へ物件の大事なことを説明する手続きです。説明する事項は法律で決まっています。
宅地建物取引業法施行規則の16条の4の3は、説明する事項を定めています。
その一つが、1981年6月1日より前に新築の工事に着手した建物が、耐震診断を受けているときの内容です。
つまり、診断を受けていない建物に、売るためだけに診断を受ける義務はありません。
一方で、すでに診断を受けていて結果が悪かった場合は、その結果を買主に伝えることになります。
耐震診断を受けたことがある?
雨漏りや傾き、シロアリなど、わかっている不具合も同じです。伝えたうえで売れば、あとで責任を問われることを防げます。
雨漏りがあるまま売る方法は雨漏りする家の売却をご覧ください。
旧耐震であること、雨漏りがあること。全部伝えていただいたうえで、直して貸す前提の金額をお出しします。
査定・ご相談は無料です。2営業日以内にご連絡します。
耐震診断・補強は、してから売るべきか

補強してからのほうが、高く売れるんじゃないですか。
補強の費用ほど値段が上がることは、ほとんどありません。売るつもりなら、まず今のままの値段を確かめてからにしてください。
耐震診断や補強には、多くの市区町村で補助の制度があります。
たとえば横浜市は、市が耐震診断士を派遣する無料の耐震診断を行っています(「木造住宅の無料耐震診断」)。
対象は、2階建て以下の在来軸組構法の木造住宅です。
申し込みには、建物の所有者全員の同意に加えて、賃借人など住んでいる人・使っている人の同意が必要とされています。
横浜市の案内では、診断は2〜3時間ほどで、所有者の立ち会いが必要とされています。
診断士が家の中に入り、押入れなどから筋かいの状況を確かめます。
横浜市の無料耐震診断(木造住宅)
- 対象2階建て以下の在来軸組構法の木造住宅
- 同意所有者全員と、住んでいる人・使っている人
- 時間2〜3時間ほど。所有者の立ち会いが要る
※アパートが対象になるかは、市区町村の窓口でご確認ください。
アパートで受けるなら、入居者の部屋に入らせてもらう段取りも要ります。
入居者に「何かあるのか」と不安を持たれないよう、説明の仕方も考えておいてください。
ただし、アパートが対象になるか、補強工事の補助が使えるかは、自治体と建物の構造・規模によって違います。
使う場合は、アパートのある市区町村の窓口で確かめてください。
売る場合と持ち続ける場合で、考え方は分かれます。
| あなたの考え | 耐震診断 | 耐震補強 |
| 売るつもり | 急がなくてよい。買主が自分の判断で調べる | 売る前にはしない。費用が値段に乗りにくい |
| まだ迷っている | 補助で無料や少ない負担で受けられるなら、受けておくと判断材料になる。ただし結果は買主への説明の対象になる | 売った場合の手取りと比べてから |
| 持ち続けるつもり | 受ける。入居者の安全のためにも | 補助を使い、家賃で取り戻せるかを見て決める |
補強工事は、建物の状態と工事の内容で費用が大きく変わり、入居者がいる部屋では工事そのものが難しいこともあります。
売るつもりなら、補強の見積もりを取る前に、補強しないまま売った場合の値段を確かめてください。
旧耐震のアパートの値段は、どう決まるか
旧耐震だと、建物には値段がつかないんですか。
建物の評価は小さくなります。そのぶん、土地の値段と、直したあとに取れる家賃で考えることになります。
旧耐震のアパートの値段は、次の2つを見比べて決まります。
| 土地の値段から | 路線価×土地の面積で土地の評価の目安を出す。国税庁は路線価等についてで、路線価を地価公示価格等の8割程度を目安に定めているとしている |
| 家賃から | 今の家賃、または直したあとに取れる家賃の1年分を、買主が期待する利回りで割り戻す |
たとえば、土地の評価が家賃から出した値段より高いアパートは、土地の値段が下支えになります。
反対に、駅に近く家賃がしっかり取れるアパートは、家賃から出した値段のほうが高くなることもあります。
どちらの見方で出した金額なのかを、査定のときに必ず確かめてください。
ここで値段を大きく分けるのが、買主が建物を壊すつもりか、直して使うつもりかです。
壊すつもりの買主は、解体費を値段から引きます。直して貸すつもりの買主は、解体費ではなく修繕費を見込みます。
入居者がいるアパートなら、壊すには立ち退きも必要になるので、直して使う買主のほうが話は早く進みます。
壊すつもりの買主/直して貸すつもりの買主
- 入居者がいれば立ち退きが要る
- 土地の使い道で値段を考える
- 入居者がいるまま買える
- 話が早く進む
また、今の基準では同じ大きさの建物が建てられない「既存不適格」になっていることもあります。
その場合、建物を壊すと土地の使い道が狭まるので、なおさら「直して使う」買主が向いています。
詳しくは既存不適格物件の売却をご覧ください。相場の考え方は築古アパートの買取相場にまとめています。
旧耐震のアパートを買うのは、どんな人か
売り先を考えるときは、「誰なら買う理由があるか」から逆に考えると迷いません。
| 買主 | 旧耐震のアパートへの向き合い方 | 売れやすさ |
| 融資を使う個人の投資家 | 融資の期間や額が出にくく、買いたくても買えないことが多い | 低い |
| 現金で買う投資家 | 利回りと修繕費を自分で計算して判断する。価格が合えば買う | 中くらい |
| 直して貸す買取会社 | 建物の状態と、直したあとの家賃から値段を出す。入居者がいても買う | 高い |
| 土地として買う会社 | 解体して土地として使う・売る。入居者がいると立ち退きが要るので敬遠しやすい | 空室なら中くらい |
| 隣の土地の持ち主・地主 | 敷地を広げたい理由があれば買うことがある | 相手による |
仲介で売りに出すと、問い合わせの多くは融資を使う投資家から来ます。
旧耐震だとそこで話が止まり、「売れない」という結論になりがちです。
はじめから、現金で買う人や直して貸す会社に届く売り方を選ぶことが、旧耐震のアパートでは近道です。
旧耐震のアパートは、壊すか直すかで値段が変わります。直して貸すリハコなら、解体費を引かずに考えます。
査定・ご相談は無料です。2営業日以内にご連絡します。
入居者がいるまま、現況のまま売る進め方

入居者さんには、どう説明すればいいんでしょう。
売る前に説明する必要はありません。売ったあとは、持ち主が変わったことと家賃の振込先を、入居者さんへお知らせする形が一般的です。
入居者がいるアパートは、そのまま売れます。
賃貸借契約は新しい持ち主に引き継がれるので、入居者に出ていってもらう必要はありません。
詳しくは築古アパートは立ち退きなしで売却できるでお話ししています。
入居者がいるまま売る流れは入居者がいるままアパートを売る方法をご覧ください。
| わかることを整理する | 建築確認の日付(わからなければ登記の新築日)、入居の状況、わかっている不具合 |
| 査定を受ける | 住所と入居状況から目安を出し、現地で建物を確かめて金額を決める |
| 条件を決める | 引き渡しの日、敷金の引き継ぎ、入居者への連絡の方法 |
| 契約・引き渡し | 旧耐震であること・不具合を書面に残す。残っている荷物や修繕は買主が引き受ける形にできる |
遠方に住んでいて現地に行けない場合も、鍵の受け渡しと書類の郵送で進められることがあります。
建物の確認はこちらで行い、写真と所見をお送りします。
相続したばかりで建物をよく知らない、という方も、わかる範囲の情報からで構いません。
リハコは、古いアパートを買い取り、直して、その街で部屋を探している人に貸している会社です。
アパートの買取は23件、そのうち14件が神奈川県です。
リハコのアパート買取
建物の状態を見て、直して貸せるか、どこまで手を入れるかを自分たちで判断するので、融資の条件に左右されずに買い取れます。
- 旧耐震でも、耐震診断や補強をしていなくても査定します
- 入居者がいるまま、雨漏りや傷みがあるまま、現況のまま買い取ります
- 解体も片付けも不要です
- 全国対応(関東はリハコが直接買取、関東外は提携先と進めます)。2営業日以内にご連絡します
査定を頼むときに、聞いておきたいこと
旧耐震のアパートは、査定する会社によって金額の考え方が大きく違います。「解体する前提ですか、直して使う前提ですか」「融資を使う買主を探すのですか、御社が買うのですか」の2つを聞いてください。答えがはっきりしていて、金額の根拠を土地の値段と家賃の両方で説明できる会社なら、話を進めても安心です。
老朽化したアパートを建て替えるか、修繕するか、売るかで迷っていませんか。
その場合は築40年の老朽化したアパートはどうする?もあわせてご覧ください。
読み終えたら、まずやること
- 確認済証を探して、建築確認を受けた日を見る
- 雨漏りや傾きなど、分かっている不具合を書き出す
- 補強の見積もりより先に、今のままの値段を確かめる
よくある質問
旧耐震のアパートでも売れますか?
売れます。融資で買う投資家には売りにくいものの、現金で買って直して貸す買主や、土地の値段で考える買主には売れます。
旧耐震であることを隠さず、どんな買主なら買うのかを知ったうえで売り方を選ぶことが大切です。
耐震診断や補強をしてからでないと、売れませんか?
要りません。耐震診断や補強は売るための条件ではなく、補強の費用ほど値段が上がることもほとんどありません。
ただし、すでに診断を受けていて結果が悪かった場合は、その結果を買主に伝えることになります。
うちのアパートが旧耐震かどうかは、どうやって確かめますか?
建築確認を受けた日で決まります。1981年6月1日より前に確認を受けていれば旧耐震で、確認済証で確かめられます。
登記簿の新築日は工事が終わった日です。新築日が1981年後半から1983年ごろでも、旧耐震の可能性があります。
売り方の全体像は、築古アパートの売却・買取のまとめでご案内しています。
「旧耐震だから」とあきらめる前に、直して貸す買主の目で見た金額を知ってください。補強の見積もりより先にお出しします。
査定・ご相談は無料です。2営業日以内にご連絡します。



