「築50年の実家。更地にしないと売れないと言われた」
「でも解体に100万円以上かかる。先に払って、損をしないだろうか」
結論からお伝えします。
築50年の家は、更地にしなくても売れます。
比べるべきは売値ではなく、解体費や税金を引いたあとの「手取り」です。
解体費は、売るために壊したのなら税金の計算で差し引けます。
ただし差し引けるのは税額の一部で、手取りが解体費の分だけ戻るわけではありません。
この記事では、更地で売る・そのまま売るの手取りを、実例と国税庁の決まりで比べます。
解体の見積りを取ったら、そのまま売った場合の金額と必ず並べてください。逆転していることがよくあります。

この記事を読んで理解できること
- 築50年の家が、更地にしなくても売れる理由
- 更地にして売る・そのまま売るの手取りの比べ方(本庄市の実例)
- 解体費用は税金の計算で差し引けるのか(国税庁の決まり)
- 取得費がわからないときと、相続した家の3,000万円控除
- 解体して売るときの費用と時期の決め方
- 解体せずに売る方法と、売る前に確かめること
この記事の目次
築50年の家は、更地にしないと売れない?
築50年です。不動産屋さんに「建物の価値はゼロ」と言われました。それでも売れるんですか?
売れます。税金の計算上の価値がゼロなのと、買う人にとっての価値がゼロなのは別の話です。
築50年の家は、1970年代半ばに建てられた家です。
木造住宅の法定耐用年数は22年なので、税金の計算上は建物の価値がほとんど残りません。
でもこれは「壊さないと売れない」という意味ではありません。
古い家を買う人は、大きく3つに分かれます。
| 買う人 | 建物をどう見るか | 更地にする必要 |
| 家を建てたい人 | 壊すもの。解体費の分を値段から引いて考える | 売主が壊すか、買主が壊すかを相談 |
| 直して住みたい人 | 直せば住める価値のあるもの | ない |
| 直して貸したい人 | 直して貸せる価値のあるもの | ない |
更地は「家を建てたい人」だけに向けた売り方です。
そのまま売れば、直して住む人・貸す人も買い手になります。
リハコも、古い家を買い取って直し、その街で家を探している人に貸しています。
解体してはいけない家もある
家を建てる土地は、原則として幅4m以上の道路に2m以上接している必要があります(建築基準法第43条)。
この条件を満たさない土地は、今の家を壊すと新しい家を建てられないことがあります。
市街化調整区域の家も、壊すと建て直しの許可が取りにくくなることがあります。
こうした家は、建物があるうちに「直して使う人」に売るのが基本です。
見分け方は「更地にして売るか、古家付きで売るか」で説明しています。
再建築できない土地や、市街化調整区域の家?
更地にして売る・そのまま売るを手取りで比べる
やっぱり更地にしたほうが高く売れるんじゃないですか?
売値は更地のほうが高くなりやすいです。でも解体費や待つ間の税金を引くと、手取りが逆転することがあります。
手取りは、次の式で比べます。
手取り=売値−(解体費+片付け費+仲介手数料+売れるまでの税金・管理費)−売ったあとの税金。
そのまま売るなら、解体費と片付け費が0円になることがあります。
買取なら、仲介手数料もかかりません。
更地にして売る/そのまま売る
- 家を建てたい人に探しやすい
- 売れるまで土地の税金が上がることがある
- 売れないと、解体費だけが出ていく
- 直して住む人・貸す人も買い手になる
- 住宅用地の軽減が続く
- 買取なら早く決まる
本庄市台町の実例:解体前提で3か月売れず、そのまま買取
埼玉県本庄市台町の家は、相続後に10年ほど空き家でした。
草が生い茂り、建物は傾き、家の中には荷物がたくさん残っていました。
売主様は仲介で、解体前提の380万円で売り出しました。
しかし3か月たっても、買い手は見つかりませんでした。
リハコが中を見て、解体も片付けもせずにそのままの状態で買い取りました。
| 解体して売る(計画) | そのまま売った(実際) | |
| 売値 | 380万円で売り出し(3か月売れず) | そのままの状態でリハコが買取(金額は非公開) |
| 解体費 | 先に払う(仮に木造30坪なら本体で約90万〜135万円) | 0円 |
| 荷物の処分 | 別にかかる | 0円(そのまま引き渡し) |
| 仲介手数料 | かかる(380万円なら約19万円) | かからない(買取のため) |
| 売れるまでの税金・管理 | かかり続ける | すぐ終わる |
※解体費は家の広さが分からないため、木造30坪の目安で置いた仮の数字です。
仲介手数料は「売値×3%+6万円」に消費税を足した上限で計算しています。
仮に380万円で売れていれば、解体費と仲介手数料を引いても、200万円台が残った計算です。
売れていれば、手元に残る額は多かった可能性があります。
ただ実際は3か月売れず、荷物の処分費や、待つ間の税金・管理費もかかり続けます。
そして解体費は、売れる前に自分で用意しなければなりません。
売主様は、少なくても今すぐ確定し、もう何も払わなくていい道を選ばれました。
売主様のお話は「本庄市の売却者様の声」で読めます。

解体費用は税金の計算で差し引ける?
解体費用は、確定申告で経費になるんですか?
売るために壊したのなら「譲渡費用」として差し引けます。ただ戻ってくるのは、税金のうちの一部です。
土地や建物を売って利益が出ると、譲渡所得として税金がかかります。
国税庁のタックスアンサー(No.3202)では、次の式で計算します。
譲渡所得の計算
- 売った金額収入金額
- 差し引く取得費+譲渡費用
- 特別控除使える場合だけ
- 残りに税金所有5年超なら所得税15%・住民税5%
※所得税には、ほかに復興特別所得税がかかります。
売るための解体費は「譲渡費用」
国税庁のタックスアンサー(No.3255)は、譲渡費用の例を挙げています。
その中に「土地などを売るためにその上の建物を取り壊したときの取壊し費用」があります。
壊した建物の損失額(残っていた建物の価値)も、譲渡費用になります。
反対に、土地と建物を買ってすぐに建物を壊した場合は、壊す費用は土地の取得費になります。
これは買った人の側の話です(No.3252)。
差し引いても、手取りは解体費の分だけ減る
たとえば解体費150万円を譲渡費用にすると、税金の対象になる利益が150万円減ります。
所有5年超なら、所得税・住民税で約20%なので、税金は約30万円減ります。
でも解体費150万円は自分で払っているので、売値が同じなら手取りは約120万円減ります。
「解体費は経費になるから損はない」とは言えないのです。
解体費150万円を差し引いたとき(売値が同じ場合)
※所有5年超・利益が出ている場合の目安です。復興特別所得税は省いています。
取得費がわからないときは5%
親が昔買った土地などで、買ったときの金額がわからないこともあります。
そのときは、売った金額の5%を取得費にできます(No.3258)。
売値1,000万円なら、取得費は50万円です。
取得費が少ないほど利益は大きく見えるので、売買契約書が残っていないか探してください。
相続した家なら、3,000万円控除も確かめる
相続した空き家を売るときは、国税庁のタックスアンサー(No.3306)の特例があります。
一定の条件を満たすと、譲渡所得から最高3,000万円を差し引けます。
2024年1月1日以後の売却で相続人が3人以上なら、1人2,000万円です。
3,000万円控除の主な条件(国税庁 No.3306)
- 昭和56年5月31日以前に建てられた家であること
- 相続の直前まで、亡くなった方が1人で住んでいたこと
- 相続から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること
- 売った金額が1億円以下であること
- 2027年12月31日までに売ること
この特例は、家を壊して土地を売る場合や、耐震リフォームして売る場合に使えます。
2024年以後の売却なら、買主が翌年2月15日までに壊す・耐震改修する形でも使えます。
売主が先に解体しなくてもよい場合があるので、解体の前に確かめてください。
詳しくは「相続した空き家の売却」の記事と、税務署・税理士にご確認ください。
税金の判断は専門家へ
譲渡所得の計算や特例の条件は、家ごとに違います。この記事は国税庁のタックスアンサー(令和8年4月1日現在法令等)をもとにした一般的な説明です。実際の申告は、税務署や税理士にご確認ください。
解体して売るなら:費用と時期の決め方
土地として売ると決めたら、いつ、いくらで解体すればいいですか?
先に解体するより、買主が決まってから解体するほうが安全です。費用は見積りで確かめてください。
木造の解体費用は、本体工事で坪3万〜4.5万円が目安です。
木造30坪なら約90万〜135万円、50坪なら約150万〜225万円です。
ここに塀・庭木・家の中の荷物・アスベストの分が加わります。
坪数ごとの総額は「家の解体費用の坪数別一覧」で確かめられます。
1月1日に更地だと、土地の税金が上がる
固定資産税は、毎年1月1日の土地の状態で決まります。
その日に更地だと、住宅用地の軽減が外れ、翌年度から土地の税金が上がります。
「6倍」と言われますが、更地には別の上限があり、目安は約3〜4倍です。
計算は「更地にすると固定資産税はいくら上がる?」で説明しています。
売れてから解体する「解体更地渡し」
古家付きで売り出し、買主が決まってから解体して引き渡す方法があります。
売買契約で、売主が解体すること、引き渡しの期限、費用の負担を決めておきます。
代金を受け取ってから解体費を払えるので、先に大きなお金を用意しなくて済みます。
解体更地渡しの流れ
- 古家付きで売り出す更地渡しにも応じると書く
- 売買契約解体と引き渡しの期限を決める
- 解体工事1月1日をまたがないように
- 滅失登記解体から1か月以内
- 引き渡し残りの代金を受け取る
建物の滅失登記は、壊してから1か月以内に申請します(不動産登記法第57条)。
解体費が払えないときの道は「解体費用が払えないときの道」にまとめています。
土地として売るなら、まず解体の見積りを取ってください。手取りの計算に使えます。見積りの手配はリハコが窓口になります。
解体の見積りを依頼するお電話 0120-228-590
リハコが窓口になり、解体工事業の登録を持つ業者と進めます。2営業日以内にご連絡します。
築50年の家を解体せずに売る方法
壊さずに売るには、どんな方法があるんでしょうか。
古家付き土地として売る、更地渡しにも応じる条件で売る、買取で売る。この3つです。

| 方法 | 向いている家・人 | 気をつけること |
| 古家付き土地として仲介で売る | 土地の値段が高く、時間に余裕がある | 売れるまで時間がかかることがある |
| 更地渡しにも応じる条件で売る | 家を建てたい人にも売りたい | 契約で解体の期限と費用を決める |
| 買取で売る | 早く終わらせたい。荷物や傷みがある | 仲介で売れる値段より低くなりやすい |
リハコは、築古の家を現況のまま買い取っています。
荷物が残っていても、雨漏りや傾きがあっても、解体も片付けもせずに引き渡せます。
関東はリハコが直接買い取り、関東の外は提携先と進めます。

解体の見積りと並べるために、そのまま売った場合の金額を確かめてみませんか。荷物が残ったままでも査定します。
査定・ご相談は無料です。2営業日以内にご連絡します。
売る前に確かめること
築50年の家を売る前に、次のことを確かめておくと話が早く進みます。
汚れや傷みより、「建て直せるか」「直して使えるか」が値段を大きく左右します。
| 確かめること | 理由 |
| 道路に2m以上接しているか | 接していないと建て直せないことがある(建築基準法第43条) |
| 市街化調整区域かどうか | 建て直しや用途に制限があることがある |
| 雨漏り・傾き・シロアリ | 直して使えるかの判断に関わる |
| 境界と、塀や庭木のはみ出し | 隣との話し合いが要ることがある |
| 相続登記が済んでいるか | 売買の決済までに、相続人の名義にする必要がある |
相続登記は、2024年4月1日から義務になりました。
名義が亡くなった方のままでも、査定や相談はできます。

よくある質問
家は更地にしたほうが高く売れますか?
売値は高くなりやすいですが、手取りが多いとは限りません。
解体費を先に払い、売れるまで土地の税金も上がります。手取りで比べてください。
土地を売るときの解体費用は、確定申告で差し引けますか?
売るために建物を取り壊した費用は、譲渡費用として差し引けます(国税庁 No.3255)。
ただし減るのは税金の一部で、解体費の全額が戻るわけではありません。
親が買った土地で、取得費がわかりません。
売った金額の5%を取得費にできます(国税庁 No.3258)。
売買契約書が見つかれば、実際の金額を使えます。
3,000万円控除は、解体しないと使えませんか?
家を壊して土地を売る方法のほか、耐震リフォームして売る方法もあります。
2024年以後の売却なら、買主が翌年2月15日までに壊す形でも使えます(国税庁 No.3306)。
荷物が残ったままでも売れますか?
買取なら、荷物が残ったままでも売れます。
仲介で売る場合は、片付けてから引き渡すか、費用の負担を契約で決めます。
解体して売るか、そのまま売るか。まずは解体の見積りで比べる材料をそろえましょう。リハコが窓口になります。
解体の見積りを依頼するお電話 0120-228-590
リハコが窓口になり、解体工事業の登録を持つ業者と進めます。2営業日以内にご連絡します。




