「親の空き家を解体したい。補助金が出るらしいけれど、うちも対象になるの?」
「いくら出るのか、いつ申請すればいいのかがわからない」
先に結論をお伝えします。
家の解体補助金は、国ではなく市町村の制度です。
埼玉県・神奈川県で2026年9月に確認できた11市では、上限20万〜50万円が中心でした。
そして、どの市も「補助金の交付が決まる前に業者と契約したり、工事を始めたりすると対象外」です。
つまり、いちばん多い失敗は「金額」ではなく「順番」です。解体してから補助金を知っても、さかのぼってはもらえません。
この記事では、市ごとの金額と条件、自分の家が対象かの見分け方をお話しします。
正しい申請の順番と、補助金を使っても残る自己負担も説明します。
もう業者さんに見積りを頼んでいるんですが、大丈夫でしょうか。
見積りを取るだけなら大丈夫です。契約と着工は、市から交付決定の通知が届いてからにしてください。
この記事でわかること
- 埼玉・神奈川11市の解体補助金の金額と条件(公式ページで確認)
- 自分の家が補助の対象になるかの見分け方
- 「交付決定の前に契約・着工すると対象外」になる申請の順番
- 先着・予算で年度の早いうちに締め切られる時期
- 補助金を使っても残る自己負担の計算
- 補助金が使えないときに解体費を減らす・なくす方法
家の解体補助金はいくら出る? 埼玉・神奈川の市の例
各市の公式ページで、2026年9月29日に内容を確認したものです。
年度ごとに金額や受付期間が変わるので、申請の前に必ず市へ確かめてください。
神奈川県
| 市 | 補助の額 | 主な条件・受付 |
| 相模原市 | 対象経費の1/2と「床面積×標準除却費(木造36,000円/㎡)」の低い方。上限50万円(世帯全員が非課税なら80万円) | 1年以上住んでいない、老朽度の評点などの基準あり。事前調査の申込は10月末まで |
| 厚木市 | 解体工事費の1/2、上限50万円(工事費100万円以上なら50万円) | 1年以上空き家の戸建て。老朽度の評点などの基準あり |
| 横浜市 | 昭和56年5月末以前の建物は上限50万円。昭和56年6月〜平成12年5月末の建物は課税世帯20万円・非課税世帯40万円 | 住宅除却補助制度。耐震性が低いと判定された木造住宅など |
| 小田原市 | 費用の1/2、上限45万円 | 耐震対策の除却補助。令和8年度は8月31日で受付終了 |
埼玉県
| 市 | 補助の額 | 主な条件・受付 |
| 熊谷市 | 除却費用(税抜)の4/5と「床面積×2万円」の低い方。上限30万円 | 昭和56年5月31日以前の木造住宅、1年以上空き家、危険性があるもの。交付申請は6月1日〜11月30日の先着順 |
| 狭山市 | 対象経費の1/2と「床面積×1万円」の低い方。上限50万円(市外業者は40万円) | 1年以上使われていない空き家。先着順で予算に達し次第終了 |
| 行田市 | 解体工事費の1/2、上限30万円 | 市から助言・指導を受けた老朽空き家など |
| 秩父市 | 解体工事費の1/3、上限30万円(市外業者は20万円) | 昭和56年5月31日以前の一戸建て。令和8年度は6月の申請期間で受付終了 |
| 坂戸市 | 1/2、上限40万円(市外業者は20万円) | 令和8年度は5月18日に予算の上限に達し受付終了 |
| 東松山市 | 1/2、上限20万円(市内業者なら5万円加算) | 周囲に危険を及ぼすおそれがある住宅。予算がなくなり次第終了 |
| 北本市 | 1/2、上限20万円(市内業者なら30万円) | 昭和56年5月31日以前の建物、5年以上使われていない空き家 |
※金額・条件は要点だけを抜き出しています。細かな要件は各市のページ(市名のリンク)でご確認ください。
表からわかる3つのこと
- 上限は20万〜50万円が中心。木造30坪の解体費用(本体工事で約90万〜135万円)の全額が出るわけではありません
- 市内の業者に頼むと上限が上がる市がある(狭山市・秩父市・坂戸市・東松山市・北本市)
- 予算がなくなると締め切られる。坂戸市は5月、秩父市は6月、小田原市は8月に令和8年度の受付を終えています
埼玉県内のほかの市町の制度は、「埼玉県の空き家の解体で使える補助金」の記事にもまとめています。
上尾市・入間市・小川町・神川町・深谷市などです。
補助金が使えそうか、家のある市の制度を確かめて、解体の見積りと一緒にお伝えします。
補助金と見積りを相談するお電話 044-712-4771LINEで写真を送る
許可を持つ解体業者の見積りを、リハコがまとめてお届けします。2営業日以内にご連絡します。
補助金がもらえる家・もらえない家
うちの実家は築50年くらいです。対象になりますか。
築年数だけでは決まりません。次の6つを順に確かめると、ほぼ見当がつきます。
市によって細かな違いはありますが、多くの市で共通する条件は次のとおりです。
補助の対象になりやすい家
- 建てた時期:昭和56年(1981年)5月31日以前の建物が対象、という市が多い(旧耐震基準の建物)
- 空き家の期間:1年以上(北本市は5年以上)だれも住んでいない
- 建物の傷み:市の職員が現地を見て、老朽度の点数や「危険なおそれ」を判定する市が多い
- 持ち主:個人の所有(相続人を含む)。共有なら全員の同意が要る
- 税金:申請する人に市税の滞納がない
- 工事の中身:建物をすべて取り壊して更地にする工事。一部だけの解体は対象外の市が多い
注意したいのは、昭和56年5月以前に建った家でも、傷みが少なければ対象外になることがある点です。
熊谷市や厚木市のように、老朽度を点数で判定し、基準を超えた家だけを対象にする市があります。
反対に、昭和56年6月以降の家でも対象にしている市もあります。
相模原市は、建築確認済証が平成12年5月31日以前の建物が対象です。
横浜市は、昭和56年6月〜平成12年5月末の建物にも別の上限を設けています。
補助の対象にならない費用
補助の対象は「建物を壊して処分する費用」です。次の費用は、対象外としている市が多くあります。
- 家の中の荷物(家財)の処分費:北本市は「動産処分費は対象外」と明記しています
- 庭木・ブロック塀など外構の撤去:行田市は植栽や外構の撤去を補助の対象に含めていません
- 消費税:熊谷市・相模原市・狭山市などは、税抜の金額で補助額を計算します

ブロック塀は別の補助がある
道路に面した危険なブロック塀の撤去には、空き家の解体補助とは別に、ブロック塀の撤去補助を用意している市が多くあります。詳しくは「ブロック塀・物置・カーポートだけ撤去する費用」の記事をご覧ください。
申請の順番を間違えると、1円ももらえない
解体補助金でいちばん多い失敗は、先に工事を始めてしまうことです。
知恵袋にも「半年前に解体したあとで補助金を知った。今から申請できますか」という相談がありますが、答えは「できない」です。
各市のページにも、はっきり書かれています。
- 坂戸市:「交付決定通知の日より前に工事着手している場合は、本制度の対象になりません。」
- 行田市:「工事の契約は補助金の交付決定後に行ってください。(交付決定前に工事の契約を行うと、補助が受けられなくなります)」
- 相模原市:補助金の交付を決定する前に、補助対象工事の契約を既に締結している場合は補助対象工事としない
行田市や相模原市のように、着工だけでなく「契約」も交付決定の後と決めている市があります。
業者に「補助金を使いたいので、契約は交付決定のあとにしたい」と最初に伝えてください。
補助金を使うときの順番
- 事前相談市に相談し、建物を見てもらう
- 交付申請見積りを取るだけなら大丈夫
- 交付決定ここで初めて契約・着工
- 工事・報告補助金は後払い
※交付決定の前に契約・着工すると、補助は受けられません。
申請から補助金が振り込まれるまでの流れ
- 事前相談:市の担当課に、補助を使いたいと相談する。多くの市で必須
- 現地調査:市の職員が建物を見て、老朽度などの基準に当たるかを判定する
- 見積り:解体業者から見積りを取る。業者の登録・許可の条件を確かめる
- 交付申請:申請書・見積書・写真・登記事項証明書・納税証明などを出す
- 交付決定:市から交付決定の通知が届く。ここで初めて契約・着工できる
- 工事・完了報告:工事前・中・後の写真や領収書などを、期限までに出す
- 補助金の受け取り:完了報告の確認後に振り込まれる。解体費はいったん全額を自分で払う
補助金は後払いです。解体費用は、いったん全額を自分で用意する必要があります。
申請は「年度の早いうち」に
多くの市は4月に新しい年度の受付を始め、予算がなくなると締め切ります。
坂戸市は5月18日、秩父市は6月26日、小田原市は8月31日で令和8年度の受付を終えていました。
熊谷市の交付申請は先着順です。
令和8年度に受付を終えた市
- 4月多くの市が新しい年度の受付を始める
- 5月18日坂戸市が予算の上限に達し受付終了
- 6月26日秩父市が受付終了
- 8月31日小田原市が受付終了
解体を考えているなら、年度の初め(4月〜6月)に事前相談をするのが確実です。
秋に思い立った場合は、その年度は締め切られていることも考え、次の年度の春に申請する段取りも含めて考えてください。
契約は交付決定のあとに。申請の順番を守れる業者の見積りをまとめてお届けします。
解体の見積りを依頼するお電話 044-712-4771LINEで写真を送る
許可を持つ解体業者の見積りを、リハコがまとめてお届けします。2営業日以内にご連絡します。
補助金を使っても、自己負担はいくら残る?
補助金を使えば、ほとんどお金はかからないと思っていました。
残念ながら、たいていは半分以上が自己負担です。計算してみましょう。
木造2階建て・延床30坪(約99㎡)の空き家を、解体費用120万円(税抜)で解体する場合を考えます。
| 市 | 補助額の計算 | 補助額と自己負担 |
| 熊谷市 | 120万円×4/5=96万円と、99㎡×2万円=198万円の低い方。ただし上限30万円 | 補助30万円 自己負担90万円+消費税 |
| 相模原市 | 120万円×1/2=60万円と、99㎡×36,000円=約356万円の低い方。ただし上限50万円 | 補助50万円 自己負担70万円+消費税 |
| 狭山市(市内業者) | 120万円×1/2=60万円と、99㎡×1万円=99万円の低い方。ただし上限50万円 | 補助50万円 自己負担70万円+消費税 |
※条件をすべて満たし、予算内で交付された場合の計算例です。実際の補助額は市の審査で決まります。
解体費120万円・上限50万円の市
※相模原市・狭山市(市内業者)の計算例。家財・外構・アスベストの費用は別にかかります。
上限50万円の市でも、自己負担は70万円前後残ります。
これに家財の処分や外構の撤去、アスベストの対応など、補助の対象外の費用が加わります。
「補助金があるから解体する」ではなく、「解体したあと、その土地をどうするか」まで決めてから申請することが大切です。
更地にすると固定資産税が上がる
建物を解体して1月1日に更地になっていると、翌年度から住宅用地の固定資産税の軽減が外れます。売る予定がすぐにないなら、解体の時期と税金の関係も確かめてください(「更地にすると固定資産税はいくら上がる?」の記事で説明しています)。
補助金が使えないとき、解体費を減らす・なくす方法
対象外だった、締め切られていた、補助を使っても払えない。そんなときに考えられる方法です。
解体ローンを使う
空き家の解体に使えるローンを出している金融機関があります。
たとえば埼玉縣信用金庫の「さいしん空き家活用ローン」は、連携している自治体の物件なら金利を優遇する仕組みがあります。
埼玉りそな銀行、武蔵野銀行、JAバンク神奈川なども、空き家の解体に使えるローンを扱っています。
条件は各金融機関でご確認ください。
売ってから、売ったお金で解体する
土地として売るつもりなら、先に買主を見つけ、「解体して更地で引き渡す」契約にする方法があります。
売買代金を受け取ってから解体費を払えるので、先に大きなお金を用意しなくて済みます。
解体せずに、そのまま売る
いちばん大きく費用が変わるのは、そもそも解体しない選び方です。
リハコは、古い家を買い取って直し、その街で家を探している人に貸しています。
そのため、解体が前提と言われた家でも、建物を残したまま買い取れることがあります。
埼玉県本庄市台町の築45年の家は、解体前提で売り出して3か月売れませんでしたが、リハコが解体も片付けもせずに買い取りました。
解体費として見込んでいた150万円は、1円も払わずに済んでいます。

補助金の申請には、相談から交付決定まで数か月かかることもあります。
まずは解体の見積りを取り、補助を引いた自己負担がいくら残るかを確かめてください。見積書は申請にも使います。
そのまま売った場合の金額と比べるのは、そのあとでも間に合います。
リハコは工事をしません
リハコは解体工事をしません。工事は、解体工事業の登録または建設業許可(解体工事業)を持つ業者が行います。リハコは不動産会社として、見積りの取りまとめと、解体せずに売る場合の買取の窓口を担当します。
補助金の申請には、見積書が要ります。
交付決定を待ってから着工できる業者の見積りを、まとめてお届けします。
お電話 044-712-4771LINEで写真を送る
許可を持つ解体業者の見積りを、リハコがまとめてお届けします。2営業日以内にご連絡します。
よくある質問
解体したあとから補助金を申請できますか?
できません。
どの市も、補助金の交付決定の前に着工した工事(市によっては契約した工事)を対象外にしています。
必ず工事の前に市へ相談してください。
家の解体補助金はいくらもらえますか?
埼玉・神奈川で確認した11市では、上限20万〜50万円が中心でした。
工事費の1/2などの割合と、床面積から出した額の低い方になる市が多く、全額が出ることはまずありません。
国の解体補助金はありますか?
個人が国に直接申請する解体補助金は、一般的にはありません。
解体の補助は、市町村が独自に(多くは国の空き家対策の支援も使って)つくっている制度です。窓口は、家がある市町村です。
家の中の荷物の処分費も補助されますか?
対象外の市が多いです。
北本市は動産処分費を対象外と明記しています。荷物の処分費は、解体とは別に見積りを取っておいてください。
市外の業者に頼んでも補助金は出ますか?
出る市が多いですが、上限が下がることがあります。
狭山市・秩父市・坂戸市などは、市内の業者に頼むと上限が高くなります。
業者が解体工事業の登録や建設業許可を持っていることも条件です。
