30秒でわかる、この記事の答え
- 答え失敗とは、毎月の手残りが続けてマイナスになること
- 理由空室・修繕・家賃の下落で収入が減り、返済は減らないから
- まずやること通帳と固定資産税の通知書で、1年分の手残りを出す
あなたの状況から読む
- なぜ苦しいか知りたい失敗の4つの形へ
- 計算したことがない手残りの計算のしかたへ
- 続けるか迷っている続ける・手放すのサインへ
- 売り方を知りたい傷みがあるままの売り方へ
「家賃は入っているのに、手元にほとんど残らない」
「空室が埋まらないまま、返済だけが毎月引き落とされていく」
結論からお伝えします。
アパート経営の失敗は、空室・修繕・家賃の下落・借入の返済という4つが重なって、毎月の手残りがマイナスになることです。
続けるか手放すかは「今の手残り」「これから10年の大きな修繕」「売ったときに借入を返しきれるか」の3つで決まります。
赤字が一時的なもので、直せば家賃が戻る立地なら、続ける道があります。
反対に、直すお金をかけても家賃が戻らない、借入の返済が家賃を上回っている、という状態もあります。
それなら、建物の傷みが進む前に売るほうが手元に残ります。
この記事では、まず失敗がどんな形でやってくるのかをお話しします。
次に、あなたのアパートがどの段階にあるのかを確かめる計算を紹介します。
最後に、「うまくいかなかったアパート」をそのまま売る方法をお話しします。
こんなはずじゃなかった、と毎月思っています。もう失敗なんでしょうか。
まだ決めつけなくて大丈夫です。まず数字を並べてみましょう。続けるにしても手放すにしても、判断の材料は同じです。
この記事を読んで理解できること
- アパート経営の「失敗」が、どんな4つの形でやってくるか
- 自分のアパートの手残りを、10分で確かめる計算のしかた
- 続けてよいサイン、手放しを考えるサインの見分け方
- 大規模修繕の見積もりが来たときの考え方
- 失敗を大きくしてしまう、売る前の3つの行動
- 空室や雨漏りがあるまま、入居者がいるまま売る方法
うまくいっていないアパートほど、今の状態のままの値段を先に知っておくと判断がぶれません。数字だけでもお伝えします。
査定・ご相談は無料です。2営業日以内にご連絡します。
この記事の目次
アパート経営の「失敗」は、毎月の手残りがマイナスになること
「失敗」って、どこからが失敗なんですか。
私たちは、家賃から返済と経費を引いた「手残り」が、続けてマイナスになった状態だと考えています。原因はたいてい次の4つです。
アパート経営がうまくいかなくなる原因は、ほぼ4つに分けられます。
ひとつだけなら持ちこたえられても、築年数がたつと同時に重なってくるのが怖いところです。
| 失敗の形 | 何が起きるか | 早めに気づくサイン |
| 空室 | 一室空くごとに、その部屋の家賃がまるごと消える。返済や固定資産税は減らない | 退去から次の入居まで3か月以上かかる部屋が出てきた |
| 修繕 | 屋根・外壁・給湯器・水まわりの出費が、数年ごとにまとめて来る | 雨漏り・外階段のさび・給湯器の故障が続いている |
| 家賃の下落 | 古くなるほど、同じ家賃では決まらなくなる。一度下げると戻しにくい | 募集のたびに家賃を下げている |
| 借入の返済 | 空室でも修繕の月でも、返済額は同じように引き落とされる | 家賃の入金より、引き落としのほうが多い月がある |
空室:一室の空きが、そのまま手残りを削る
アパートの収入は家賃だけです。6室のアパートで1室空けば、収入は6分の1減ります。
けれど、返済・固定資産税・保険・共用部の電気代は、満室のときと変わりません。
空き部屋は全国で増えています。
総務省の令和5年住宅・土地統計調査(住宅数概数集計)を見てみます。
2023年の空き家は900万戸で、そのうち賃貸用の空き家は443万戸でした。
2023年の空き家の数
※総務省「令和5年住宅・土地統計調査(住宅数概数集計)」より。
借り手より部屋のほうが多い地域では、築年数の古い部屋から選ばれなくなっていきます。
修繕:計画していない出費が、まとめてやってくる
建物は年数とともに必ず傷みます。
国土交通省の民間賃貸住宅の計画修繕ガイドブックに、修繕の時期と費用の目安があります。
鉄筋コンクリート造・20戸の賃貸住宅を例にしたものです。
| 時期(新築から) | 主な修繕 | 戸あたりの目安 |
| 5〜10年目 | ベランダ・階段・廊下の塗装、室内設備の修理など | 約9万円 |
| 11〜15年目 | 屋根・外壁の塗装、給湯器などの交換 | 約55万円 |
| 16〜20年目 | 給排水管の洗浄・交換、外構の修繕など | 約23万円 |
| 21〜25年目 | 屋根・外壁の塗装や葺き替え、浴室設備の交換など | 約116万円 |
| 26〜30年目 | 給排水管の交換、外構の修繕など | 約23万円 |
合計すると30年で戸あたり約225万円(この例の20戸で約4,490万円)です。
ガイドブックは、30年目以降も修繕は必要になるとしています。
木造アパートでは金額は変わりますが、「数年ごとに大きな出費が来る」という形は同じです。
家賃の中からこの分を積み立てていないと、修繕の年に一気に赤字になります。
「毎月は黒字なのに、年で見ると赤字」というアパートは少なくありません。
家賃の下落:古くなるほど、同じ家賃では決まらない
新築のときの家賃は、ずっとは続きません。まわりに新しいアパートが建てば、同じ家賃なら新しいほうが選ばれます。
空室を埋めるために家賃を下げ、下げた家賃がその部屋の「相場」になっていく。こうして収入は少しずつ細っていきます。
借入の返済:空室でも、返済は止まらない
借入でアパートを建てたり買ったりした場合、返済額は満室を前提に組まれていることがほとんどです。
空室や家賃の下落で収入が減っても、返済額は減りません。変動金利なら、金利が上がれば返済額が増えることもあります。
空室・修繕・家賃の下落の3つは収入を減らし、借入の返済は支出を固定します。この挟み撃ちが、アパート経営の失敗の正体です。
アパート経営の失敗は「挟み撃ち」
- 一室空くと、その家賃が消える
- 数年ごとに大きな修繕が来る
- 下げた家賃は戻しにくい
- 空室でも返済額は同じ
- 変動金利なら増えることも
空室・修繕・返済のどれかで困っていても、今の家賃と入居状況のまま査定します。満室でなくても大丈夫です。
査定・ご相談は無料です。2営業日以内にご連絡します。
まず、あなたのアパートの「手残り」を計算する
何となく苦しいのはわかるんですが、ちゃんと計算したことがなくて……。
通帳と固定資産税の通知書があれば、10分で出せます。続けるか手放すかは、この数字から始めてください。
手残りは、次の順で計算します。
1か月分で出すと、修繕や税金のように年に一度の出費が抜けやすいので、1年分で出してから12で割るのがおすすめです。
手残りの出し方
- 家賃収入実際に入金された1年分
- 5つを引く返済・管理・税金と保険・修繕・募集
- 12で割る1か月あたりの手残り
| 家賃収入 | 実際に入金された家賃の1年分(満室想定ではなく、実績) |
| 返済 | 借入の返済額の1年分(元金+利息) |
| 管理の費用 | 管理会社への委託料、共用部の電気・水道、清掃、町内会費など |
| 税金・保険 | 固定資産税・都市計画税、火災保険・地震保険 |
| 修繕 | この1年に払った修繕費。払っていない年も、大きな修繕に備える積立を入れる |
| 入居者募集 | 広告料、退去後の原状回復、鍵交換など |
| 手残り | 家賃収入から上の5つを引いた額 |
たとえば、家賃収入が月19万円、返済が月13万円のアパートを考えます(数字は説明のための例です)。
返済を引くと6万円残ります。
ただ、管理の費用・固定資産税・保険で月に数万円かかり、修繕の積立まで入れると、手残りはほとんど残りません。
ここで1室空けば、すぐにマイナスです。
家賃収入 月19万円・返済 月13万円の例
※数字は説明のための例です。この6万円から、管理の費用・固定資産税・保険・修繕の積立を払います。
ここで大事なのは、税金の計算上の利益と、手元に残るお金は違うということです。
確定申告では減価償却費を経費にできますが、借入の元金の返済は経費になりません。
ことばの説明:減価償却費
建物の値段を、何年かに分けて少しずつ経費にするものです。お金は出ていかないのに、申告では経費として引けます。
「申告では黒字なのに、通帳の残高は減っていく」ことがあるのはこのためです。税金の扱いは税理士に確かめてください。
借入が残っているかどうかで、判断はまったく変わる
借入を返し終えたアパートは、多少空室があっても手残りが出やすく、急いで手放す理由は小さくなります。反対に、返済が残っているアパートは、空室や修繕の影響がすぐ赤字として表に出ます。まず、借入の残高と完済の時期を確かめてください。
続けるか、手放すかの判断
続けるべきか、売るべきか、自分では決められなくて。
決め手は「赤字が一時的か、これからも続くか」です。見分けるサインを表にしました。
| 確かめること | 続けてよいサイン | 手放しを考えるサイン |
| 手残り | 年で見ると黒字。赤字は修繕の年だけ | 修繕がない年も赤字。自分の給料や年金から補っている |
| 空室 | 家賃を相場に合わせれば埋まる | 家賃を下げても、募集から3か月以上決まらない部屋が続く |
| 修繕 | 大きな修繕を終えたばかり。または積立で払える | 屋根・外壁・給排水の大きな修繕が近く、払うお金がない |
| 借入 | 残りが少ない。売れば返しきれる | 返済が家賃を上回る月がある。売値より借入の残高が多くなりそう |
| 管理する人 | 自分で管理できる。家族も手伝える | 体力的に難しい。子は遠方で継ぐ気がない |
右の列に3つ以上当てはまるなら、少なくとも一度は「今売ったらいくらか」を確かめてください。売ると決める必要はありません。
続ける場合の数字と、売った場合の手取りを並べて比べるだけで、迷いの半分は消えます。
修繕がない年も赤字?
空室対策にお金をかける前に、確かめること
空室が続くと、リフォームや設備の入れ替えで立て直したくなります。その前に、次の3つを確かめてください。
- 同じ駅・同じ広さの部屋が、いくらで募集されているか(家賃が相場からずれていないか)
- 空室の理由が「部屋の古さ」なのか「場所」なのか(場所が理由なら、部屋を直しても埋まりにくい)
- かけた費用を、上がる家賃で何年で取り戻せるか
たとえば1室に100万円かけて家賃が月1万円上がるなら、取り戻すのに約8年かかります。
空室対策の費用を取り戻すまで
- 1室にかける費用100万円
- 上がる家賃月1万円
- 取り戻すまで約8年
建物があと何年使えるのかと並べて、割に合うかを見てください。
大規模修繕の見積もりが来たときの考え方
屋根・外壁・外階段の大規模修繕は、数百万円単位になることがあります。見積もりが来たら、次の順で考えてください。
| 払えるか | 積立や手持ちで払えるか。新たに借りる必要があるか |
| 取り戻せるか | 修繕で空室が埋まる・家賃が上がるなど、収入が増える見込みがあるか |
| 先延ばしできるか | 雨漏りなど建物を傷める不具合は後回しにしない。見た目だけの工事は時期を選べる |
| 売る場合と比べて | 修繕せずに今売った場合の手取りと、修繕して持ち続けた場合の手残りを比べる |
雨漏りのように建物そのものを傷める不具合は、放っておくと柱や床まで傷み、直す費用も売る値段も悪くなります。
修繕するか売るかを決めかねているなら、決めるまでの間も、雨漏りだけは止めておくことをおすすめします。
大規模修繕の見積もりが来たら、修繕せずに売った場合の手取りと並べて比べてください。見積書を見ながらお話しさせてください。
査定・ご相談は無料です。2営業日以内にご連絡します。
手放すなら、どう売るか

こんな状態で、買う人がいるんでしょうか。
います。直して貸すつもりの買主にとっては、空室も傷みも「工事費として見込むもの」だからです。売り方は大きく3つあります。
| 売り方 | どんな買主か | 向いているアパート |
| 仲介(一般の投資家に売る) | 融資を使って買う個人・法人の投資家 | 入居が安定していて、建物の状態がよい |
| 入居者がいるまま売る(オーナーチェンジ) | 家賃収入ごと引き継ぎたい投資家・買取会社 | 入居者が何人かいる。立ち退きをしたくない |
| 買取(不動産会社が買う) | 直して貸す・売る前提の会社 | 空室が多い、雨漏りや傷みがある、早く手放したい |
入居者がいるアパートは、入居者に出ていってもらわなくても売れます。賃貸借契約は新しい持ち主に引き継がれるからです。
詳しくは築古アパートは立ち退きなしで売却できると入居者がいるままアパートを売る方法にまとめています。
一方で、空室が多い・利回りが低いアパートは、仲介で出してもなかなか買主がつかないことがあります。
その理由と対処はオーナーチェンジ物件が売れないときを、価格の目安は築古アパートの買取相場をご覧ください。
売値より借入が多いときは
アパートに借入が残っていると、売るときに抵当権を消す必要があり、そのためには借入を返しきらなければなりません。
ことばの説明:抵当権
お金を借りるときに、土地と建物を返済の当てとして借入先に差し出すしるしです。借入を返しきると消せます。
売値で返しきれないときは、差額を手持ちのお金で払うか、借入先の金融機関と相談することになります。
売値で借入を返しきれる?
だからこそ、借入の残高と、今売った場合の値段を早めに並べておくことが大切です。
空室や傷みが進むほど値段は下がり、差額は広がっていきます。
売ったあとの税金
アパートを売って利益が出ると、譲渡所得として所得税・住民税がかかります。
持っていた期間や取得費で税額が変わるので、アパートを売ったときの税金をご覧のうえ、実際の申告は税理士にご確認ください。
失敗を大きくしてしまう、売る前の3つの行動
売るなら、せめてきれいにしてからのほうがいいですよね。
そこが一番の落とし穴です。売る前にお金をかけるほど、手取りが減ることが多いんです。
うまくいかなかったアパートを手放すとき、よかれと思ってした行動で、かえって損を大きくしてしまうことがあります。
売る前にしがちな3つの行動
- 大きなリフォームかけた費用ほど値段は上がらない
- 解体して更地に特例が外れて、翌年から税金が上がる
- 全室を空けるその間も家賃は減り、返済は続く
売る前に、大きなリフォームをする
直して貸す買主は、自分のやり方と費用で直す前提で値段を出します。
売主が先にリフォームしても、かけた費用ほど値段は上がらないのがふつうです。直すかどうかは、買主に任せてください。
解体して更地にする
建物を壊せば売りやすくなると考える方もいますが、解体には費用がかかります。
そのうえ、住宅が建っている土地には、固定資産税の課税標準が最大6分の1になる特例があります(総務省「固定資産税の概要」)。
建物を壊すとこの特例が外れて、翌年から税金が上がります。
売れるまでの間の負担が増えるので、建物を残したまま売れるかを先に確かめてください。
解体の相談はリハコの解体の窓口でも受けています。
全室を空けてから売ろうとする
建て替えや売却のために入居者に出ていってもらうには、借地借家法で「正当の事由」が必要とされます。
立ち退き料の交渉が長引くこともあります。
その間も家賃は減り、返済は続きます。入居者がいるまま買う買主がいる以上、全空にしてから売る必要はありません。
空室が多い・雨漏りがある・入居者がいる。そのままの状態で、直して貸す前提の金額をお出しします。
査定・ご相談は無料です。2営業日以内にご連絡します。
リハコが、うまくいかなかったアパートを買う理由

リハコは、古いアパートや空き家を買い取り、直して、その街で部屋を探している人に貸している会社です。
これまでに空き家・築古物件を累計200戸以上再生してきました。アパートの買取は23件、そのうち14件が神奈川県です。
前のオーナーさんにとってうまくいかなかったアパートでも、私たちにとっては「直せば貸せる建物」であることが少なくありません。
家賃が下がったのは部屋が古くなったからで、場所に借りたい人がいないわけではない。そういうアパートは、直して家賃を戻せます。
リハコの森田も、自分でアパート14棟・戸建て41戸を運用している大家です。
空室が続く夜の不安も、大規模修繕の見積もりを前に手が止まる感覚も、自分のこととして知っています。
だから、数字を並べて一緒に考えるところからお手伝いします。
- 空室が多くても、雨漏りや傷みがあっても、現況のまま買い取ります
- 入居者がいるまま買い取ります。立ち退きの交渉は要りません
- 解体も片付けも不要です。売る前にお金をかける必要はありません
- 全国対応(関東はリハコが直接買取、関東外は提携先と進めます)。2営業日以内にご連絡します
続けるか手放すか、まだ決めていなくても構いません。今の状態でいくらになるのかを知ることが、次の一手を決める材料になります。
読み終えたら、まずやること
- 通帳と固定資産税の通知書を手元に出す
- 借入の残高と、返し終わる時期を確かめる
- 今の状態のまま、いくらで売れるか査定を頼む
よくある質問
アパートの赤字が続いています。もう手放したほうがいいですか?
赤字が一時的か、これからも続くかで決まります。
修繕の年だけ赤字なら、続ける道があります。
修繕がない年も赤字で、給料や年金から補っているなら、手放しを考えるサインです。
申告では黒字なのに、通帳のお金が減っていくのはなぜですか?
減価償却費は経費になるのに、借入の元金の返済は経費にならないからです。
税金の計算上の利益と、手元に残るお金は違います。税金の扱いは税理士に確かめてください。
空室だらけで雨漏りもあるアパートでも、買う人はいますか?
います。直して貸すつもりの買主にとって、空室も傷みも工事費として見込むものだからです。
売る前のリフォームは要りません。売主が先に直しても、かけた費用ほど値段は上がらないのがふつうです。
売り方の全体像は、築古アパートの売却・買取のまとめでご案内しています。
「失敗したかもしれない」と思ったときが、いちばん選べる道が多いときです。今のままの金額を知ってから、続けるか決めてください。
査定・ご相談は無料です。2営業日以内にご連絡します。



