30秒でわかる、この記事の答え
- 答え3つの問いに2つ以上当てはまれば、やめる準備を始める
- 理由持ち続けるほど持ち出しが増え、売る値段も下がっていくから
- まずやること今の状態のまま売ったらいくらか、先に確かめる
あなたの状況から読む
- 毎年赤字が続いているやめるかを決める3つの問いへ
- ローン完済が近い完済まで待つか今やめるかへ
- 手間だけがつらいやめ方3つの選び方へ
- 売ると決めた売ってやめるときの進め方へ
「毎月の手残りがほとんど無い。このままアパート経営を続けていいのか分からない」
「ネットで『やめたほうがいい』と見るたびに、不安になる」
結論からお伝えします。
「アパート経営はやめたほうがいい」という話の多くは、これから始める人に向けたものです。
すでにアパートを持っている人が見るべきなのは、次の3つです。
「修繕のない年も赤字か」「次の大きな修繕を払えるか」「あと10年、管理を続けられる人がいるか」。
2つ以上当てはまるなら、やめる準備を始めてください。やめ方は「売る」「管理を任せる」「建て替える」の3つです。
築古で手間が理由なら、今の状態のまま売るのがいちばん負担の少ない終わらせ方です。
反対に、この3つに当てはまらないなら、慌ててやめる必要はありません。
ローンの完済が近いアパートは、完済した翌月から手残りが大きく増えるからです。
この記事は、すでにアパートを持っている大家さんに向けたものです。
やめたほうがいい人・続けてよい人の見分け方と、ローン完済まで待つか今やめるかの比べ方をお話しします。
最後に、やめ方3つの向き不向きを見ていきます。
検索すると「アパート経営はやめとけ」ばかりで、今さら言われても、と思ってしまいます。
そのお気持ちは当然です。持っている人の答えは「やめる・やめない」の二択ではなく、「いつ、どうやめるか」です。一緒に整理しましょう。
この記事を読んで理解できること
- 「やめたほうがいい」が、誰に向けた言葉なのか
- すでに持っている人が、やめたほうがいいかを決める3つの問い
- ローン完済まで待つか、今やめるかの比べ方
- やめ方3つ(売る・管理を任せる・建て替える)の向き不向き
- 売ってやめるときに、入居者や家族にどう進めるか
続けるかどうか迷っている段階でも構いません。今売ったらいくらかだけ、先に確かめてください。
査定・ご相談は無料です。2営業日以内にご連絡します。
この記事の目次
「やめたほうがいい」は、これから始める人に向けた言葉
「やめたほうがいい人の特徴」を読むと、ほとんど自分に当てはまる気がします。
検索上位の記事の多くは、これから建てる人・買う人に向けて書かれています。すでに持っている人は、同じ物差しで測らなくて大丈夫です。
「アパート経営はやめたほうがいい」と検索すると、「向いていない人」を挙げた記事が並びます。
自己資金が少ない人、収支の計算が苦手な人、管理を人任せにする人です。
どれも、これから借入をして建てる・買う人にとっては正しい注意です。
ただ、すでにアパートを持っている人にとって、始める前の注意はもう使えません。
建物は建っていて、入居者が住んでいて、ローンも残っています。
持っている人が考えるべきなのは「始めるべきだったか」ではなく、「この先も持ち続けるほうが得か、今手放すほうが得か」です。
| これから始める人 | すでに持っている人 | |
| 考えること | 借入をして始めるかどうか | 持ち続けるか、手放すか |
| 判断の材料 | 想定の家賃と、建築費・購入価格 | 実際の家賃・空室・修繕の記録と、今売った場合の値段 |
| やめる方法 | 始めなければよい | 売る・管理を任せる・建て替える |
| 失敗したときの形 | 借入が重く、手残りが出ない | 空室と修繕が重なり、給料や年金から補うようになる |
うまくいっていないアパートが赤字になっていく形は、アパート経営の失敗は4つの形でやってくるで詳しくお話ししています。
この記事では、その先の「やめるかどうか」を決めるところに絞ります。
3つの問いに答える前に、今の状態のまま売った場合の金額を知っておくと判断が早くなります。
査定・ご相談は無料です。2営業日以内にご連絡します。
やめたほうがいい人・続けてよい人の見分け方

何を基準に決めればいいのか、自分では決めきれません。
次の3つを順に考えてください。数字の問いが2つ、人の問いが1つです。
やめるかどうかは、気持ちの疲れだけで決めると後悔が残ります。反対に、数字だけで決めると、自分や家族の体力を見落とします。
次の3つの問いに、ひとつずつ「はい」か「いいえ」で答えてみてください。
| 問い | 「はい」なら | 確かめ方 |
| 修繕のない年も、手残りが赤字か | 家賃の力が落ちている。持ち続けるほど持ち出しが増える | 去年と一昨年の確定申告の収支と、通帳の入出金を並べる。減価償却は現金が出ていかないので足し戻して見る |
| 次の大きな修繕を、手持ちで払えないか | 修繕のために新しく借りることになる。借りても家賃で取り戻せないことが多い | 屋根・外壁・外階段・給排水管を最後に直した年を書き出す。分からなければ、見積もりを1社取る |
| あと10年、管理を続けられる人がいないか | 入居者の対応・募集・修繕の手配が回らなくなる | 自分の年齢と体力、家族が継ぐ気があるかを、家族と一度話す |
2つ以上「はい」なら、やめる準備を始めてください。今すぐ売ると決める必要はありません。
「今売ったらいくらになるか」を確かめ、続けた場合と並べて比べるだけで、次に何をすべきかが見えてきます。
やめるかどうかの決め方
3つの問いのうち、2つ以上が「はい」?
やめたほうがいい人
- 70歳前後で自主管理をしていて、子は遠方に住み、継ぐ気がない
- 親のアパートを相続したが、経営の経験がなく、兄弟で分けるために現金にしたい
- 本業の給料から、毎年アパートの赤字を補っている
- 大規模修繕の見積もりが届き、払うお金も借りる気力もない
- 雨漏りや空室を「そのうち直す」と何年も後回しにしている
最後の「後回し」は特に気をつけてください。雨漏りは放っておくと、柱や床まで傷みが広がります。
直す費用も、売るときの値段も、時間がたつほど悪くなっていきます。
修繕を後回しにすると
- 雨漏りを放っておく「そのうち直す」のまま
- 傷みが広がる柱や床まで
- 費用も値段も悪くなる直す費用は増え、売値は下がる
続けてよい人
- 修繕の年を除けば、手残りが毎年黒字
- ローンの完済が数年以内に来る、またはすでに完済している
- 家賃を相場に合わせれば、空室が埋まる地域にある
- 自分か家族が、管理を続けられる(または管理会社に任せる費用を払っても黒字)
続けてよい人でも、「いつかは手放す」日は必ず来ます。建物が古くなるほど、買う人は土地の値段で見るようになります。
やめる時期を自分で選べるうちに、終わらせ方を決めておくことが大切です。
ローン完済まで待つか、今やめるか
あと7年でローンが終わります。それまでは頑張るべきでしょうか。
完済後の手残りは大きいので、待つ価値がある場合もあります。ただし、その7年の間に何が起きるかも一緒に数えてください。
Yahoo!知恵袋には、築30年近いアパートの大家さんからこんな相談が寄せられています。
家賃収入が月19万円、ローン返済が月13万円、修繕費などが月3万円で、手残りは月3万円。ローンはあと7年で終わる。
相談の例(月あたり)
※Yahoo!知恵袋に寄せられた相談の数字です。
売るべきか、持ち続けるべきか、という相談です。
この相談に、多くの回答者は「ローンが終われば手残りが大きく増えるのだから、売らずに持ち続けたほうがいい」と答えています。
たしかに、完済すれば返済の13万円がなくなり、同じ家賃なら手残りは月16万円になります。
ただ、待つかどうかを決めるには、次のように「待った場合」と「今やめた場合」を同じ物差しで並べる必要があります。
| 今やめる(今売る) | 完済まで待つ(7年後に考える) | |
| 手元に入るお金 | 今の売値から、ローンの残りと売る費用・税金を引いた額 | 7年間の手残りの合計+7年後の売値から、売る費用・税金を引いた額 |
| 7年の間に起きうること | なし(売った時点で終わる) | 屋根・外壁などの大きな修繕、設備の交換、空室の増加、家賃の下落 |
| 7年後の建物 | ― | 築37年前後。買う人は、建物より土地の値段で見るようになる |
| 手間 | 売るまでの数か月 | 7年間の管理・募集・修繕の手配 |
相談の数字で考えると、今の手残りが続けば7年で約252万円(月3万円×12か月×7年)が残ります。
この7年の間に、屋根や外壁の大きな修繕が1回来れば、それだけで手残りの合計を上回ることもあります。
完済まで待つときの数字
※7年の間の大きな修繕や家賃の下落は入っていません。
さらに7年後、築40年近くなったアパートの売値は、今より下がっているのがふつうです。
つまり、待つ価値があるのは次の3つがそろう場合です。
「7年の間に大きな修繕が要らない」「家賃と入居が今の水準で続く」「7年間管理できる」。
どれかに自信がないなら、今の売値を確かめてから決めても遅くありません。
減価償却が終わると、税金が増える
建物の減価償却が終わると、経費が減るため、家賃が同じでも所得税・住民税が増えます。ローンの元本の返済は経費にならないので、「帳簿は黒字なのに、手元のお金が足りない」ということが起きます。手残りは、税金を払ったあとの金額で見てください。実際の税額は税理士にご確認ください。
やめ方は3つ。売る・管理を任せる・建て替える
やめるといっても、売る以外に方法はあるんですか。
3つあります。「何から解放されたいか」で選ぶと、迷いません。
「アパート経営をやめる」には、アパートを手放す方法と、手放さずに自分の負担を減らす方法があります。
やめたい理由が「お金」なのか「手間」なのかで、向いている方法が変わります。
| やめ方 | 何から解放されるか・向いているとき・気をつけること |
| 売る | 何から解放されるか:お金の心配も、手間も、すべて終わる 向いているとき:築古で修繕が近い。管理する人がいない。現金にして分けたい 気をつけること:入居者がいるまま売れる。売値と、ローンの残りを先に並べる |
| 管理を任せる | 何から解放されるか:入居者の対応・募集などの手間 向いているとき:手残りは黒字で、手間だけがつらい 気をつけること:管理料がかかる。修繕費や空室の心配は残る |
| 建て替える | 何から解放されるか:古さからくる空室と修繕 向いているとき:土地の場所がよく、借入をしても家賃で返せる 気をつけること:入居者に出ていってもらう必要がある。借入が新しく始まる |
管理を任せる
自主管理の負担だけがつらいなら、管理会社に任せる方法があります。
ことばの説明:自主管理
管理会社に頼まず、入居者の対応や募集、修繕の手配を、持ち主が自分でやることです。
賃貸住宅管理業法(賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律)第13条に、管理会社の義務があります。
管理の契約を結ぶ前に、契約の内容を書面で説明しなければならない、という決まりです。
管理料や、修繕の手配をどこまでするかを、その説明で必ず確かめてください。
ただし、任せても「持ち主」はあなたのままです。空室が埋まらない、大きな修繕が要る、といったお金の問題はなくなりません。
お金の問題が理由でやめたいなら、管理を任せるだけでは解決しません。
やめ方の選び方
やめたい理由は「手間」だけ?(手残りは黒字)
建て替える
建て替えは、アパート経営をやめるのではなく「やり直す」方法です。
建て替えるには、いまの入居者に出ていってもらう必要があります。
ただし、借地借家法第28条の「正当の事由」がなければ、賃貸人から契約を終わらせることはできません。
ことばの説明:正当の事由
貸主から契約を終わらせるときに求められる、きちんとした理由のことです。これがないと、入居者に出ていってもらえません。
そのうえ新しい借入が始まるため、「経営をやめたい」理由がお金や年齢なら、向いていないことが多いのが実際です。
建て替えるときに起きること
- 入居者いまの入居者に出ていってもらう
- 正当の事由なければ貸主から契約を終わらせられない
- 借入新しい借入が始まる
建て替え・大規模修繕・売却の比べ方は築40年の老朽化したアパートはどうする?にまとめています。
売る
売れば、お金の心配も手間も、その日で終わります。入居者がいるアパートは、入居者に出ていってもらわなくても売れます。
民法第605条の2では、入居者のいる建物が売られたとき、貸主の立場は買主に移ると定めています。
入居者は、持ち主が変わったあとも同じ条件で住み続けられます。
売ってやめるときの進め方
売ると決めたら、何から始めればいいでしょう。入居者にはいつ伝えればいいのかも分かりません。
入居者へのお知らせは、売ったあとで大丈夫です。まずは数字をそろえるところから始めましょう。
売ってやめると決めたら、次の順番で進めると、家族にも入居者にも負担をかけずに済みます。
| 順番 | やること |
| 数字をそろえる | 部屋ごとの家賃・入居の時期・敷金、ローンの残り、去年の固定資産税の額を書き出す。分からないものは「分からない」で構わない |
| 家族と話す | 名義人は誰か、共有なら全員が売ることに同意しているかを確かめる。売ったお金をどう分けるかも |
| 値段を確かめる | 仲介で売り出す場合の見込みと、買取の金額の両方を聞き、手取りと時期で比べる |
| 売り方を決める | 急がず高く売りたいなら仲介、早く確実に終わらせたいなら買取 |
| 売ったあと | 新しい持ち主と連名で、入居者に「持ち主が変わりました」と知らせる |
入居者に売ることを事前に伝える義務はありません。売る前に知らせると、かえって入居者を不安にさせ、退去が出ることもあります。
入居者がいるまま売る手順と、売ったあとの通知の出し方は入居者がいるアパートを売却する手順で詳しくお話ししています。
ローンが残っているとき
ローンが残っているアパートを売るときは、売ったお金でローンを返し、抵当権を外してから買主に引き渡します。
ことばの説明:抵当権
お金を貸した銀行が、返してもらえないときに備えて、建物や土地に付けておく権利です。売るときは外してから引き渡します。
売値でローンを返しきれるかどうかが、まず確かめるべき点です。
ローンが残っているときの売り方
- 売る売ったお金を受け取る
- ローンを返す売ったお金で返す
- 抵当権を外す銀行の権利を消す
- 引き渡す買主へ
空室や傷みが進むほど売値は下がるので、「そのうち」ではなく、早めに今の値段を知っておくことが大切です。
売ったあとの税金
アパートを売って利益が出ると、所得税と住民税がかかります。
国税庁のタックスアンサー(No.3202「譲渡所得の計算のしかた(分離課税)」)によると、税率は持っていた期間で変わります。
売った年の1月1日時点で持っていた期間が5年を超えるかどうかで、長期と短期に分けます。
計算の仕方はアパート売却の税金をご覧のうえ、実際の申告は税理士にご確認ください。
手間から解放されたいのか、お金の心配から解放されたいのか。どちらでも、今の状態のまま売る場合の金額をお出しします。
査定・ご相談は無料です。2営業日以内にご連絡します。
リハコが、やめたい大家さんのアパートを買う理由



古くて、空室もあって、雨漏りもあります。こんなアパートでも買ってもらえるんでしょうか。
はい。私たちは買ったアパートを自分で直して、その街で部屋を探している人に貸し続ける会社です。古さも傷みも、直す前提で値段を出します。
リハコは、古いアパートや空き家を買い取り、直して貸している会社です。
これまでにアパートを23件買い取り、そのうち14件が神奈川県のアパートです。
記事を監修している森田も、アパート14棟・戸建て41戸を運用している現役の大家です。
やめたいと思う大家さんの事情は、一人ひとり違います。体力、家族、ローン、入居者のこと。
私たちは「どうすれば売れるか」の前に、「どう終わらせたいか」をお聞きします。
- 入居者がいるまま、立ち退きのお願いなしで買い取ります
- 空室・雨漏り・傾き・古い設備があっても、今の状態のまま買い取ります
- 直したあとの家賃と工事費を自社で見積もり、価格の根拠をお見せします
- 持ち主が変わったことの入居者へのご案内は、こちらで行います
「やめたい」と思うのは、これまで真剣に経営してきたからこそです。続けるか、やめるか。決めきれない段階でも構いません。
今のアパートの値段を知るところから、一緒に始めさせてください。
読み終えたら、まずやること
- 部屋ごとの家賃・入居の時期・敷金を書き出す
- ローンの残りと、去年の固定資産税の額を確かめる
- 今の状態のまま売ったらいくらか、査定を頼む
よくある質問
赤字続きのアパート経営は、やめたほうがいいですか?
次の3つの問いのうち、2つ以上当てはまるなら、やめる準備を始めてください。
修繕のない年も手残りが赤字か、次の大きな修繕を手持ちで払えないか、が数字の問いです。
もう一つは、あと10年管理を続けられる人がいないかです。当てはまらなければ慌てる必要はありません。
ローンがあと数年で終わるなら、それまで続けたほうがいいですか?
待つ価値があるのは、大きな修繕が要らず、家賃と入居が続き、管理も続けられる場合です。
完済すれば手残りは増えますが、その間に大きな修繕が来ると、手残りの合計を上回ることもあります。
建物が古くなるほど売値は下がるのがふつうなので、今の売値を確かめてから決めても遅くありません。
アパート経営をやめるには、売る以外にどんな方法がありますか?
売る・管理を任せる・建て替えるの3つです。何から解放されたいかで選びます。
手間だけがつらいなら管理会社に任せる方法が向きますが、空室や修繕のお金の心配は残ります。
お金の心配も手間も終わらせたいなら売る方法です。入居者がいるままでも売れます。
売り方の全体像は、築古アパートの売却・買取のまとめでご案内しています。
あわせて読みたい:アパートの空室対策、大家をやめたい高齢オーナーへ
長く守ってきたアパートを、次に大切にする人へ。今の状態のままの金額をお伝えします。
査定・ご相談は無料です。2営業日以内にご連絡します。




