30秒でわかる、この記事の答え
- 答え相場は「家賃から見た値段」と「土地から見た値段」の2つで決まります
- 理由築古ほど家賃から見た値段が下がり、土地の値段に近づくから
- まずやること家賃相場と路線価を調べ、自分で値段の幅をつかむ
あなたの状況から読む
- 自分で相場を知りたい家賃・利回り・路線価の調べ方へ
- 空室や雨漏りがある事情ごとの値段の動き方へ
- 仲介か買取か迷う手取りでの比べ方へ
- 査定額に差がある高すぎる査定の見分け方へ
「築40年のアパート、売ったらいくらになるのか」
「買取だと安く買い叩かれると聞く。相場が分からないまま話を進めたくない」
結論からお伝えします。
アパートの売却相場は「家賃から見た値段」と「土地から見た値段(土地値から解体費を引いたもの)」の2つで決まります。
築年数が古くなるほど、家賃から見た値段は下がり、土地から見た値段に近づいていきます。
だから、築古アパートの相場は「周りのアパートがいくらで売りに出ているか」だけ見ても分かりません。
あなたのアパートの家賃と、土地の値段の両方を見る必要があります。
リハコは、これまでにアパートを23件買い取ってきました(うち神奈川14件)。
空室が多い、雨漏りがある、入居者がいるまま、という物件がほとんどでした。
この記事では、その現場で実際に使っている相場の見方を、ご自分で確かめられる形でお話しします。
空室だらけで雨漏りもしています。こんなアパートに相場なんてあるんでしょうか。
あります。家賃が入っていなくても、土地の値段という下支えがあるからです。そして直して貸せば家賃がいくら取れるかを計算できる買主なら、その分も値段に乗せられます。
この記事を読んで理解できること
- アパートの売却相場を決める「家賃」と「土地値」の2つの物差し
- 自分でできる相場の調べ方(家賃相場・売出利回り・路線価)
- 空室・雨漏り・旧耐震・入居者ありで、価格がどう動くか
- 仲介と買取、手取りで比べるとどちらが残るか
- 査定額が会社ごとに違う理由と、高すぎる査定の見分け方
- リハコのアパート買取23件から分かること
築古・空室・雨漏りのアパートでも、家賃と土地値の両方から金額の根拠をお見せします。
査定・ご相談は無料です。2営業日以内にご連絡します。
この記事の目次
アパートの売却相場は「家賃」と「土地値」の2つで決まる
戸建てのように「この辺りは坪いくら」で決まるわけではないんですか。
アパートは家賃を生む建物なので、まず家賃から値段を出します。ただ、築古になるほど土地の値段も同じくらい大事になります。
アパートを買う人のほとんどは、家賃収入を目的にした投資家です。
投資家は「年間の家賃が、買った値段の何%にあたるか(利回り)」で値段を判断します。
これを式にすると次のようになります。
| 物差し | 計算のしかた | 築古アパートでの効き方 |
| 家賃から見た値段(収益価格) | 年間の家賃 ÷ 買主が求める利回り | 家賃が入っているほど、利回りが低くても買える立地ほど高くなる |
| 土地から見た値段(土地値) | 土地の値段 − 建物の解体費 | 建物が古くなっても、ほぼ下がらない。価格の下支えになる |
たとえば年間家賃が360万円(月3万円×10戸)のアパートで、買主が12%の利回りを求めるとします。
家賃から見た値段は、360万円÷12%=3,000万円です。
同じ物件でも、買主が15%を求めれば2,400万円になります。
年間家賃360万円のアパートの「家賃から見た値段」
利回りが数ポイント違うだけで、数百万円単位で値段が動きます。
どの利回りで見られるかは、立地(駅からの距離・人口)、築年数、建物の状態、そして買主が銀行でお金を借りられるかで変わります。
築古になると、なぜ土地値が大事になるのか
国税庁が定める木造の住宅用建物の耐用年数は22年です(国税庁タックスアンサー No.2100の耐用年数表)。
ことばの説明:耐用年数
国税庁が決めている、建物を使える年数の目安です。木造の住宅用の建物は22年で、大きく超えると長いローンが組みにくくなります。
耐用年数を大きく超えた木造アパートは、銀行が長いローンを組みにくく、買える人が現金を持つ投資家や買取業者に絞られます。
買える人が減るので、家賃から見た値段は下がります。一方で土地の値段は建物の古さとは関係なく残ります。
築古アパートの2つの値段
- 古くなると買える人が減る
- そのぶん値段は下がる
- 建物の古さとは関係なく残る
- 価格の下支えになる
※築40年を超えた木造では、2つのうち高いほうに近いところで話がまとまることが多くなります。
築40年を超えた木造アパートでは、家賃から見た値段と、土地値から解体費を引いた値段を並べます。
そのうち高いほうに近いところで、話がまとまることが多くなります。
満室でなくても計算できる
家賃から見た値段は「いま入っている家賃」だけで決まるわけではありません。空室を直して貸したときの家賃(満室にしたときの家賃)から、直す費用と空室が埋まるまでの期間を引いて考える買主もいます。空室が多いから値段がつかない、ということはありません。
入居3室、雨漏りあり、旧耐震。その事情のままいくらになるか、先に確かめてください。
査定・ご相談は無料です。2営業日以内にご連絡します。
自分でできる、アパートの相場の調べ方
業者に聞く前に、自分でもおおよその数字をつかんでおきたいです。
それが一番です。30分あれば、次の3つで目安が出せます。
査定を頼む前に、ご自分で「このくらい」という幅をつかんでおくと、業者の説明が正しいかどうかを判断できます。
| 調べるもの | 調べ方 | 分かること |
| 周りの家賃 | SUUMOなどの賃貸サイトで、同じ駅・同じ間取り・同じくらいの築年数の部屋を探す | あなたのアパートを直して貸したときの家賃の目安 |
| 売り出し中の利回り | 健美家・楽待などの収益物件サイトで、同じ市区町村・同じ構造・同じくらいの築年数のアパートを探す | 買主が求めている利回りの目安(売り出し価格なので、成約はここより低いことが多い) |
| 土地の値段 | 国税庁の路線価図(財産評価基準書)で、前面道路の路線価を調べ、土地の面積を掛ける | 土地から見た値段の目安(路線価は時価の8割程度を目安に定められている) |
3つめの路線価は、国税庁が財産評価基準書として毎年7月に公表している相続税・贈与税のための土地の値段です。
国税庁は「地価公示価格等を基にした価格の80%程度を目途に定めている」と説明しています。
そのため、実際の取引ではこれより高く売れる地域が多くあります。
路線価が付いていない郊外(倍率地域)では、固定資産税評価額に国税庁が定めた倍率を掛けて土地の値段を出します。
固定資産税評価額は毎年届く納税通知書に書いてあります。
路線価×面積で出た土地の値段から、建物の解体費を引いたものが「土地から見た値段」の目安です。
土地から見た値段の出し方
- 路線価を調べる国税庁の路線価図で前の道
- 面積を掛ける路線価×土地の面積
- 解体費を引く土地から見た値段の目安
※路線価が付いていない郊外は、固定資産税評価額に倍率を掛けます。
木造アパートの解体費は構造・広さ・道の幅で大きく変わるので、目安は解体のページで確かめてください。
利回りの目安をどう読むか
収益物件サイトに出ている利回りは「売り出し価格」に対する表面利回り(年間家賃÷価格)です。
実際に売れた価格ではないうえ、表面利回りには固定資産税・修繕費・空室が入っていません。
参考になる公表データとして、収益物件サイトの健美家が四半期ごとに出している「収益物件 市場動向 四半期レポート」があります。
2026年4〜6月期の一棟アパートの表面利回り(売り出し時)を見てみます。
築20年以上で全国9.48%、一都三県7.65%、横浜市7.67%でした。
築年数の区分は「築20年以上」が最も古く、築40年、50年だけを取り出した数字はありません。
一棟アパートの表面利回り(売り出し時・築20年以上)
※健美家「収益物件 市場動向 四半期レポート」2026年4〜6月期。
ここから言えるのは、築40年を超えた木造アパートは、この数字よりさらに高い利回りで見られることが多い、ということです。
売り出し時の数字なので、実際に売れた値段の利回りはもう少し高くなるのがふつうです。
築古アパートの場合、買主は表面利回りに加えて、買ったあとにいくら直す費用がかかるかを見ています。
サイトに出ている利回りは「このくらいで売りに出ている」という入口の数字として使ってください。
空室・雨漏り・旧耐震。築古の事情で相場はどう動くか

入居は3室だけ、雨漏りもあって、しかも旧耐震です。値段がつくとは思えません。
どれも「売れない理由」ではなく「値段に織り込む事情」です。先に教えていただくほど、正確な金額を出せます。
相場を調べるサイトや記事の多くは、満室に近い、標準的なアパートを前提にしています。
築古アパートの売主さんが本当に知りたいのは、その「標準」から外れた事情が、どのくらい値段に効くかです。
| 事情 | 買主がどう見るか | 値段への効き方 |
| 空室が多い | 直して貸したときの家賃で考える。直す費用と、埋まるまでの期間を引く | 家賃から見た値段は下がる。ただし土地値が下支えになる |
| 雨漏り・傾き・シロアリ | 直す費用を見積もって引く。直さずに建て替える前提の買主もいる | 直す費用の分だけ下がる。売主が直してから売っても、かけた費用ほどは上がらないことが多い |
| 旧耐震(1981年5月以前の建築確認) | 銀行の融資がつきにくい。耐震の補強費を考える | 現金で買う買主に絞られるため下がりやすい |
| 入居者がいるまま | 家賃が入り続けるので収益の裏づけになる | 立ち退きの費用も期間もかからない。建て替え目的の買主以外にはむしろ評価される |
| 家賃の滞納がある | 回収できない前提で見る | 滞納の分と、入居者が入れ替わるまでの期間を引く |
| 自主管理で書類が少ない | 家賃・契約の中身を確かめる手間がかかる | 書類がそろうほど下がりにくい。無くても売れる |
大事なのは、こうした事情は隠さず先に伝えるほど、結果として値段が下がりにくいということです。
売ったあとに雨漏りや滞納が分かると、契約の解除や損害賠償を求められるおそれがあります。
先に伝えておけば、買主はその分を計算したうえで値段を出すので、あとから揉めることがありません。
売る前に、直したり満室にしたりしなくていい
「少しでも高く売るために、屋根を直してから」「空室を埋めてから」と考える方は多いです。
ですが、築古アパートの買主の多くは、自分で直す前提で値段を出します。
売主がかけた修繕費が、そのまま売値に上乗せされることはあまりありません。
売る前に、直したり空室を埋めたりする?
急いで空室を埋めるために、家賃を下げたりフリーレント(一定期間の家賃無料)をつけたりする方もいます。
かえって「家賃の水準が低いアパート」と見られることもあります。
直す前、埋める前に、まず今のままの値段を確かめるのが順番です。

仲介と買取、同じアパートで両方の金額をお出しします。手取りで比べてから決めてください。
査定・ご相談は無料です。2営業日以内にご連絡します。
仲介と買取、相場はどちらで考える?
買取は相場より安いと聞きます。仲介で売ったほうが得なんですよね。
値段だけなら仲介が高く出やすいです。ただ築古アパートは、手取りと時間で比べると逆転することも多いです。
売り方には、不動産会社に買主を探してもらう「仲介」と、不動産会社がそのまま買う「買取」の2つがあります。
| 比べるところ | 仲介(投資家などに売る) | 買取(不動産会社が買う) |
| 価格 | 相場に近い価格を狙える | 直す費用や会社の利益を引くので、仲介より低くなりやすい |
| 仲介手数料 | 売買価格が400万円を超えるなら、売買価格×3%+6万円(税別)が上限 | かからない(買主が直接の相手のため) |
| 売れるまで | 買主が見つかるまで分からない。融資がつかない築古は長引きやすい | 条件が合えば1〜2か月ほどで現金化できることが多い |
| 売ったあとの責任 | 雨漏りなどの不具合の責任(契約不適合責任)を負うことがある | 責任を負わない(免責) |
| 入居者や近所 | 広告や内見で知られることがある | 広告を出さないので知られにくい |
仲介手数料の上限は、国土交通省の告示で決まっています。
ことばの説明:仲介手数料
不動産会社に買主を探してもらい、売れたときに払うお礼のお金です。買取では、買主が直接の相手なのでかかりません。
昭和45年建設省告示第1552号「宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額」です。
たとえば2,500万円で売れた場合、上限は2,500万円×3%+6万円=81万円に消費税を加えた額です。
仲介で2,500万円、買取で2,300万円の提示だったとします。
仲介手数料・売れるまでの固定資産税や修繕費・売ったあとの責任を考えると、差はかなり縮まります。
「提示額」ではなく「最終的な手取りと、それが手に入る時期」で比べてください。
提示額が仲介2,500万円・買取2,300万円のとき
- 仲介手数料がかかる
- 売れるまでの固定資産税・修繕費
- 売ったあとの責任を負うことがある
- 仲介手数料はかからない
- 1〜2か月ほどで現金化できることが多い
- 売ったあとの責任は免責
※比べるのは、最終的な手取りと、それが手に入る時期です。
両方の金額を並べてから決める
最初から「買取だけ」「仲介だけ」と決めずに、両方の金額と期間を聞いてから決めるのが一番損をしない進め方です。リハコは仲介と買取の両方を扱っているので、同じ物件で両方の数字をお出しできます。
査定額が会社で違う理由と、高すぎる査定の見分け方
3社に聞いたら、600万円も差がありました。高いところに頼めばいいんでしょうか。
金額より「なぜその金額か」を聞いてください。根拠を説明できない高い査定は、あとで下がることがあります。
アパートの査定額が会社によって大きく違うのは、主に次の3つの置き方が違うからです。
| 査定で置く数字 | 会社によって違う理由 |
| 直したあとの家賃 | その地域で実際に貸している会社ほど、正確な家賃を置ける |
| 求める利回り | その会社や、その会社の先にいる買主が、どのくらいの利回りなら買うか |
| 直す費用 | 自社で工事の見積もりができる会社ほど、細かく正確に出せる。分からない会社は多めに引く |
仲介の査定は「このくらいで売れそう」という見込みで、その会社が買う値段ではありません。
媒介契約(売却の依頼)を取るために高めの金額を出し、売り出してから値下げを求められる、ということも起こります。
高すぎる査定のあとに起こること
- 高めの査定売却の依頼を取るため
- 売り出す高めの金額のまま
- 値下げを求められるあとから金額が下がる
査定を受けたら、次の3つを聞いてください。答えられる会社は、数字の根拠を持っています。
- 直したあとの家賃を、1部屋いくらで見ていますか
- 何%の利回りで計算していますか。その根拠は何ですか
- 直す費用はいくらで見ていますか。どこを直す前提ですか
業者の選び方については、空き家買取業者の選び方でも詳しくまとめています。アパートでも考え方は同じです。
「高い査定ほど怪しい」と感じたら、家賃・利回り・工事費の3つの数字を聞いてください。リハコはすべてお見せします。
査定・ご相談は無料です。2営業日以内にご連絡します。
リハコのアパート買取23件から分かること

リハコさんは、どんなアパートを買っているんですか。
ほとんどが築古で、空室があったり、傷んでいたりするアパートです。直して、その街で部屋を探している人に貸し続けています。
リハコは、これまでにアパートを23件買い取ってきました。そのうち14件が神奈川県のアパートです。
リハコのアパート買取
買ったアパートは壊さずに直し、その街で部屋を探している人に貸しています。その街で部屋を探している人は、毎月います。
駅や職場に近い、家賃が手ごろ、という理由で部屋を選ぶ人がいます。
その人たちにとって、きちんと直された築古アパートは十分に選ぶ理由のある住まいです。
だからリハコは、築年数や空室の多さだけで値段をあきらめません。
家賃から見た値段と、土地から見た値段の両方を出して、根拠をご説明します。
- 入居者がいるまま買い取ります。立ち退きのお願いは要りません
- 雨漏り・傾き・ゴミが残った部屋も、そのままで買い取ります
- 直したあとの家賃と工事費を自社で見積もるので、価格の根拠をお見せできます
- 入居者の方への「持ち主が変わります」というご案内も、こちらで行います
入居者がいるまま売る方法は築古アパートは立ち退きなしで売却できるで詳しくお話ししています。
築古アパートの売り方全体は古いアパートを売りたい人へをご覧ください。
相続したアパートの場合は築古アパートを相続したらもあわせてお読みください。
相場を調べるのは、損をしないためです。
そして損をしない一番の近道は、あなたのアパートの家賃と土地の数字を並べて、根拠のある金額を一度見ることです。
「まだ売ると決めていない」段階で構いません。まずはお話しさせてください。
読み終えたら、まずやること
- 賃貸サイトで、同じ駅・同じ間取りの家賃を見る
- 路線価図で、前の道の路線価を調べる
- 査定では、家賃・利回り・直す費用の3つを聞く
よくある質問
築40年のアパートの売却相場は、どうやって決まりますか?
家賃から見た値段と、土地から見た値段の2つで決まります。
家賃から見た値段は年間の家賃÷買主が求める利回り、土地から見た値段は土地の値段から解体費を引いたものです。
築40年を超えた木造アパートでは、2つのうち高いほうに近いところで話がまとまることが多くなります。
空室だらけで雨漏りもあるアパートに、値段はつきますか?
つきます。家賃が入っていなくても、土地の値段という下支えがあるからです。
空室や雨漏りは売れない理由ではなく、値段に織り込む事情です。
隠さずに先に伝えるほど、結果として値段が下がりにくく、あとで揉めることもありません。
買取は安いと聞きます。仲介で売ったほうが得ですか?
値段だけなら仲介が高く出やすいですが、手取りと時間で比べると逆転することも多いです。
買取は仲介手数料がかからず、売ったあとの責任も負いません。
提示額ではなく、最終的な手取りとそれが手に入る時期で比べてください。
売り方の全体像は、築古アパートの売却・買取のまとめでご案内しています。
リハコのアパート買取は23件。あなたのアパートの数字も、根拠つきでお伝えします。
査定・ご相談は無料です。2営業日以内にご連絡します。



