30秒でわかる、この記事の答え
- 答え仲介手数料・印紙税・登記費用に、敷金などの精算が加わります
- 理由売値から費用と精算が引かれ、手元に残るお金は売値と違うから
- まずやること敷金の総額とローンの残りを確かめ、手取りを出す
あなたの状況から読む
- 仲介手数料が気になる上限の計算式へ
- ローンが残っている印紙税・登記・ローン完済へ
- 入居者がいる敷金・家賃・固定資産税の精算へ
- 手間なく売りたい買取で要らなくなる費用へ
「アパートを売ると、手元にはいくら残るのか。何にいくらかかるのか」
「入居者がいるアパートならではの費用や、見落としやすい注意点を知りたい」
結論からお伝えします。
アパートの売却にかかる主な費用は、仲介手数料、売買契約書の印紙税、抵当権を消す登記の費用です。
ことばの説明:抵当権
ローンを借りるときに、土地と建物に付けられる金融機関の権利です。売るときはローンを返しきって消します。
ローンを一括で返す手数料、必要なら測量費、そして利益が出たときの譲渡所得の税金もかかります。
ことばの説明:譲渡所得
アパートを売って出た利益のことです。仲介手数料や印紙税などの費用は、利益から差し引けます。
仲介手数料の上限は国の告示で決まっていて、2,250万円のアパートなら80万8,500円(税込)。
これにアパートならではの、敷金・家賃・固定資産税の精算が加わります。
買取で売れば仲介手数料はかからず、修繕・片付け・測量も要らないことが多いので、「売値」ではなく「手取り」で比べてください。
アパートの売却は、自宅の売却と費用の中身が少し違います。
入居者の敷金を引き継ぐ精算があり、管理会社との契約の整理があり、事業として持っていた方は消費税がかかることもあります。
売値だけを見て決めると、あとで思ったより手元に残らない、ということが起きます。
この記事では、国土交通省・国税庁・法務局の資料をもとに、アパート売却の費用を一つずつ確かめます。
注意点と、買取で要らなくなる費用もお話しします。
査定額が2,000万円台と言われました。実際に手元にはいくら残るんでしょう。
売値から引かれるものを一つずつ並べれば、手取りはかなり正確に出せます。まず全体の一覧から見ていきましょう。
この記事を読んで理解できること
- アパート売却にかかる費用の一覧と目安
- 仲介手数料の上限の計算のしかた(国の告示)
- 印紙税・登記・ローン完済にかかる費用
- 敷金・家賃・固定資産税など、アパートならではの精算
- 売る前に気をつけたい注意点(測量・契約不適合責任・税金)
- 買取で売ると要らなくなる費用
売値より大事なのは手元に残るお金です。費用を差し引いた手取りまで見据えて、査定額をお伝えします。
査定・ご相談は無料です。2営業日以内にご連絡します。
この記事の目次
アパート売却にかかる費用の一覧
全部で、どんな費用があるんですか。
どのアパートでもかかるもの、場合によってかかるもの、アパートならではの精算の3つに分けると分かりやすいです。
| 費用 | 目安 | かかる場面 |
| 仲介手数料 | 上限は売買価格×3%+6万円+消費税(400万円を超える場合) | 仲介で売るとき |
| 印紙税 | 売買契約書1通につき。1,000万円超5,000万円以下なら1万円(軽減措置) | 売買契約を結ぶとき |
| 抵当権を消す登記 | 登録免許税は不動産1個につき1,000円。司法書士の報酬が別にかかる | ローンが残っているとき |
| ローンの一括返済の手数料 | 金融機関ごとに違う | ローンを返しきるとき |
| 住所の変更登記 | 登録免許税は不動産1個につき1,000円 | 登記簿の住所が今の住所と違うとき |
| 測量費 | 土地の広さ・隣の土地の数・立ち会いで変わる | 境界がはっきりしないとき、買主が求めるとき |
| 譲渡所得の税金 | 利益に対して約20%(所有5年超)または約39%(5年以下) | 売って利益が出たとき |
| 精算(敷金・家賃・固定資産税) | 契約で決める | 入居者がいるアパートを売るとき |
| 修繕・片付け・解体 | 建物の状態しだい | 売る前に直す・空にする・壊すとき |
手取りを出す計算の順番
手取りは、次の順に引き算すると出せます。
仮に、次のアパートで考えてみます。
2,250万円で仲介で売り、ローンの残りが1,000万円、預かっている敷金が6室で合計30万円です。
| 売買価格 | 2,250万円 |
| 仲介手数料(上限) | − 80万8,500円 |
| 印紙税 | − 1万円 |
| 抵当権を消す登記 | − 登録免許税(不動産1個につき1,000円)+司法書士の報酬 |
| ローンの返済 | − 1,000万円(+一括返済の手数料) |
| 敷金の引き継ぎ | − 30万円 |
| 固定資産税・家賃の精算 | + または −(引き渡しの日による) |
| 手元に残るお金 | 約1,138万円から、登記・返済手数料・精算を差し引いた額。利益が出ていれば翌年に税金がかかる |
数字は仮のものですが、「売値」と「手元に残るお金」がこれだけ違うことが分かります。
2,250万円で売ったときに引かれるお金(仮の数字)
※ここから登記・返済手数料・精算を差し引いた額が手元に残ります。
査定を受けるときは、査定額だけでなく、この表を埋めた手取りまで出してもらってください。
このうち、仲介手数料と税金が大きな金額になりやすく、敷金の精算はアパートならではの項目です。順にお話しします。
仲介で売るか、買取で売るか。仲介手数料がかからない買取の手取りを、仲介の見込みと並べてお伝えします。
査定・ご相談は無料です。2営業日以内にご連絡します。
仲介手数料:上限の計算式
仲介手数料は、どこの会社でも同じなんですか。
国が決めているのは上限です。上限の範囲なら、会社ごとに違ってかまいません。
仲介手数料の上限は、昭和45年建設省告示第1552号で決まっています。
国土交通省の消費者向けの案内では、売買価格(税抜き)を3つに分けて、次の率で計算するとしています(率は消費税込み)。
| 売買価格のうち | 上限の率(税込) |
| 200万円以下の部分 | 5.5% |
| 200万円を超え400万円以下の部分 | 4.4% |
| 400万円を超える部分 | 3.3% |
国土交通省の例では、1,000万円の物件なら39.6万円が上限です。
計算は「200万円×5.5%+200万円×4.4%+600万円×3.3%」です。
400万円を超える物件は、「売買価格×3%+6万円」に消費税を足す計算で同じ額になります。
| 売買価格1,000万円 | (30万円+6万円)×1.1 = 39万6,000円 |
| 売買価格2,250万円 | (67万5,000円+6万円)×1.1 = 80万8,500円 |
| 売買価格5,000万円 | (150万円+6万円)×1.1 = 171万6,000円 |
たとえば2,250万円で仲介で売れた場合、上限いっぱいなら80万円を超える手数料がかかる計算です。
仲介手数料の上限(税込)
800万円以下の物件の特例
2024年7月から、800万円以下の土地・建物(低廉な空家等)の売買では、仲介会社は通常の計算を超えて、30万円の1.1倍(33万円)まで受け取れるようになりました。国土交通省の同じ案内で説明されています。土地値に近い価格で売る小さな築古アパートでは、この特例が使われることがあるので、媒介契約の前に手数料の額を確かめてください。
印紙税・登記・ローン完済の費用
契約書に貼る印紙は、いくらですか。
契約金額で決まります。今は軽減措置があって、本来より安くなっています。
出典は国税庁のタックスアンサー(No.7108 不動産の譲渡、建設工事の請負に関する契約書に係る印紙税の軽減措置)です。
2027年(令和9年)3月31日までに作る不動産の売買契約書の印紙税は、次の額に軽減されています。
| 契約金額 | 軽減後の印紙税 |
| 500万円を超え1,000万円以下 | 5,000円 |
| 1,000万円を超え5,000万円以下 | 1万円 |
| 5,000万円を超え1億円以下 | 3万円 |
| 1億円を超え5億円以下 | 6万円 |
契約書を売主と買主で1通ずつ作るなら、それぞれが自分の分の印紙を負担するのが一般的です。
抵当権を消す登記と、住所の変更登記
ローンが残っているアパートは、売るときにローンを返しきり、土地と建物に付いた抵当権を消します。
法務省民事局の抵当権の登記の抹消の申請手続の案内では、抵当権の抹消の登録免許税は不動産1個につき1,000円です。
アパートでは、土地が何筆かに分かれていることがあり、そのぶん個数が増えます。手続きを司法書士に頼むと、報酬が別にかかります。
登記簿に載っている住所が今の住所と違う場合は、売る前に住所の変更登記が必要です。
これも登録免許税は不動産1個につき1,000円です。
引っ越しを重ねた方や、アパートの一角に住んでいたあと転居した方は、登記簿の住所を確かめておいてください。
ローンを期限より前に一括で返すときは、金融機関によって手数料がかかります。
額は金融機関とローンの種類で違うので、借りている金融機関に確かめてください。
ローンが残っているときの流れ
- 金融機関に聞く一括返済の手数料
- ローンを返しきる引き渡し(決済)の日
- 抵当権を消す不動産1個につき1,000円+司法書士の報酬
ローンが残っているアパートも、返しきれるかどうかから一緒に確かめます。残高が分かる書類があれば、話が早く進みます。
査定・ご相談は無料です。2営業日以内にご連絡します。
アパートならではの精算:敷金・家賃・固定資産税
入居者の敷金は、売るときにどうなるんですか。
入居者に返すのではなく、新しい持ち主に引き継ぎます。そのぶんを売買代金で精算するのが一般的です。
入居者がいるまま売ると、貸主の立場は買主に移ります。
民法605条の2は、貸主の立場が移ったとき、敷金を返す義務も新しい持ち主が引き継ぐと定めています。
入居者が退去するときに敷金を返すのは買主になるため、売主が預かっていた敷金は、売買代金から差し引くなどの方法で精算します。
| 敷金 | 預かっている総額を買主に引き継ぐ。売買代金から差し引く精算が多い |
| 家賃 | 引き渡しの日を境に、その月の家賃を日割りで分ける。前家賃で受け取っている分は買主に渡す |
| 固定資産税・都市計画税 | その年の税額を、引き渡しの日で日割りして買主が売主に払う。起算日は1月1日か4月1日で、地域の慣習による |
| 管理会社との契約 | 買主が引き継ぐか、売主が解約するか。解約の予告期間を契約書で確かめる |
| 滞納している家賃 | 誰が回収するかを契約で決める |
敷金の精算は、手取りから引かれる形になるので、査定額と手取りの差として見えてきます。
敷金を預かっている部屋が多いアパートほど、この差は大きくなるので、入居の一覧で敷金の総額を先に確かめておいてください。
敷金は、売ると買主に引き継がれる
- 売主が預かる入居者からの敷金
- 買主に引き継ぐ売買代金から差し引いて精算
- 買主が返す入居者が退去するとき
入居者への通知や管理会社の引き継ぎの手順は入居者がいるアパートを売却する手順にまとめています。

売る前に気をつけたい注意点
費用のほかに、気をつけることはありますか。
測量、契約不適合責任、税金の3つです。どれも、あとから思わぬお金が出ていく原因になります。
測量:境界がはっきりしないとき
土地の境界が確定していないと、買主から測量を求められることがあります。
隣の土地の持ち主の立ち会いが要る測量は、隣の土地の数や、持ち主と連絡がつくかで、費用も期間も大きく変わります。
売り出してから測量を始めると、引き渡しが遅れることがあります。
境界の杭が残っているか、過去の測量図があるかを先に確かめてください。
契約不適合責任:売ったあとに見つかった不具合
民法562条などでは、引き渡した物が契約の内容に合っていないときの定めがあります。
買主は売主に、修理や代金の減額などを求められるとされています。
566条では、買主は不具合を知ってから1年以内に売主に知らせればよいとされています。
雨漏り、シロアリ、給排水の不具合など、知っていることは契約の前に伝え、契約書に書いておきます。
それが、売ったあとの出費を防ぐいちばんの方法です。
知っている不具合を、契約の前に伝えた?
税金:利益が出たら翌年に申告する
売って利益が出たら、翌年に確定申告をして税金を納めます。
国税庁のNo.3208とNo.3211では、売った年の1月1日の所有期間で税率が変わります。
5年を超えていれば20.315%、5年以下なら39.63%です。
所有期間と税率
※売った年の1月1日の所有期間で決まります。
仲介手数料や印紙税は「譲渡費用」として利益から差し引けるので、領収書は残しておいてください。
長く持って減価償却が進んだアパートは利益が出やすく、事業として持っている方は建物部分に消費税がかかることもあります。
詳しくはアパート売却の税金をご覧ください。
費用を払う時期
費用は一度にまとめて出ていくわけではありません。
払う時期は、次のような取り決めがよく見られます。印紙税は売買契約のときです。
抵当権を消す登記とローンの返済、敷金や固定資産税の精算は引き渡し(決済)の日です。
仲介手数料は、契約のときと引き渡しのときに分けて払います。
税金は翌年の確定申告のあとです。翌年の税金の分は、売却代金から取り分けておくことを忘れないでください。
費用を払う時期
- 売買契約のとき印紙税、仲介手数料の一部
- 引き渡し(決済)の日抵当権を消す登記、ローンの返済、敷金・固定資産税の精算、仲介手数料の残り
- 翌年の確定申告のあと利益が出ていれば譲渡所得の税金
雨漏りやシロアリがあっても、そのことを伝えていただいたうえで、現況のまま買い取ります。売る前に修理する必要はありません。
査定・ご相談は無料です。2営業日以内にご連絡します。
買取で売ると、要らなくなる費用
買取だと値段が安くなると聞きますが、費用の面ではどうなんですか。
費用の面では、買取のほうが出ていくお金はかなり少なくなります。売値だけでなく、手取りで比べてください。
| 費用 | 仲介で売る | 買取で売る |
| 仲介手数料 | かかる(上限は売買価格×3%+6万円+消費税) | かからない |
| 売る前の修繕 | 買主が見つかりやすいよう直すことがある | 要らない。現況のまま |
| 空室の内装・片付け | 内見に向けて整えることがある | 要らない |
| 測量 | 買主に求められることがある | 買主と話し合い。求めないこともある |
| 契約不適合責任 | 負うことが多い | 免責(売主は負わない) |
| 売れるまでの期間 | 買主が見つかるまで。融資の審査もある | 買主を探す期間がない |
| 印紙税・抵当権を消す登記・税金 | かかる | かかる |
築古のアパートを仲介で売ると、買主の融資がつきにくく、売れるまで時間がかかることがあります。
そのあいだも固定資産税と修繕の心配は続き、空室が増えれば値段の考え方も変わっていきます。
仲介の売値から、手数料・修繕・待つあいだの費用を引いた手取りを出します。それを買取の手取りと並べてみてください。
差は思ったより小さい、ということがよくあります。
仲介で売る/買取で売る
- 売る前に直す・片付けることがある
- 契約不適合責任を負うことが多い
- 買主の融資の審査を待つ
- 修繕・片付けは要らない(現況のまま)
- 契約不適合責任は免責
- 買主を探す期間がない

残った家財の片付けや、建物の解体を前提にした費用の話は、片付けのページと解体のページをご覧ください。
築古アパートの値段の決まり方はアパートの売却相場・買取相場にまとめています。
リハコは、古いアパートを買い取り、直して、その街で部屋を探している人に貸している会社です。
アパートの買取は23件、そのうち14件が神奈川県です。
入居者がいるまま、雨漏りや傷み、残った家財があるまま、現況のまま買い取ります。
- 仲介手数料はかかりません
- 修繕・片付け・解体はしなくてかまいません。今の状態のまま査定します
- 入居者の立ち退きは要りません。敷金も含めて賃貸借契約ごと引き継ぎます
- 全国対応(関東はリハコが直接買取、関東外は提携先と進めます)。2営業日以内にご連絡します
売値の高さだけで比べると、あとから引かれるお金で手取りが目減りします。費用を全部差し引いた手取りで比べてください。
その比べる数字を、リハコにお出しさせてください。
読み終えたら、まずやること
- 入居の一覧で、預かっている敷金の総額を確かめる
- ローンの残高と、登記簿の住所を確かめる
- 仲介と買取の両方で、手取りの額を出してもらう
よくある質問
アパートを売るとき、費用は全部でどれくらいかかりますか?
主な費用は、仲介手数料、売買契約書の印紙税、抵当権を消す登記の費用です。
ローンの一括返済の手数料、必要なら測量費、利益が出たときの譲渡所得の税金もかかります。
入居者がいるアパートでは、敷金・家賃・固定資産税の精算も加わります。
2,000万円台でアパートを売ると、仲介手数料はいくらですか?
400万円を超える物件の上限は、売買価格×3%+6万円に消費税を足した額です。
たとえば2,250万円で売れた場合、上限いっぱいなら80万8,500円(税込)です。
買取で売る場合は、仲介手数料はかかりません。
アパートを売ったら、入居者から預かっている敷金はどうなりますか?
入居者に返すのではなく、新しい持ち主に引き継ぎます。
そのぶんを売買代金から差し引くなどして精算するのが一般的です。
民法605条の2で、敷金を返す義務も新しい持ち主が引き継ぐと定められています。
売り方の全体像は、築古アパートの売却・買取のまとめでご案内しています。
あわせて読みたい:アパートの売却タイミングはいつ、アパートの査定方法
仲介手数料・修繕・片付けを差し引いた手取りで比べられる金額をお伝えします。住所と入居の状況だけで始められます。
査定・ご相談は無料です。2営業日以内にご連絡します。
