30秒でわかる、この記事の答え
- 答え長屋・連棟の一戸は、切り離さずに今のまま売れます
- 理由隣とつながったまま直して貸す買主には、使える建物だから
- まずやること登記簿で、建物がどう登記されているかを確かめる
あなたの状況から読む
- 長屋か分からない長屋と共同住宅の違いへ
- 売れないと言われた売れにくい3つの理由へ
- 売り方を選びたい4つの売り方の比べ方へ
- 長屋を貸している収益物件として売る話へ
「親から相続した長屋。不動産会社に『隣と切り離さないと売れない』と言われた」
「連棟の一戸だけ持っている。値段が付かないと言われたが、本当だろうか」
結論からお伝えします。
長屋や連棟の一戸は、切り離さなくても売れます。
隣とつながったまま、今の状態で買う会社があるからです。
売れにくいと言われるのは、建物が古いからだけではありません。
壁や屋根を隣と分け合っていて、自分だけで壊したり建て替えたりできないからです。
そのため、住むための家を探す人や、ローンを使う人には選ばれにくくなります。
一方で、今の建物を直して貸し続ける買主には、また別の見え方をします。
この街で、あなたの長屋を買いたい人がいます。
長屋の売却を扱う記事の多くは、相場の数字か、業者に頼むという話で終わります。
けれど本当に知りたいのは「切り離すべきか」「隣にどう話すか」ではないでしょうか。
この記事では、まず長屋とは何かを、建築基準法の決まりからお話しします。
そのうえで、売れにくい理由と、4つの売り方の比べ方、値段の考え方を順に見ていきます。
隣とくっついた古い家なんて、買う人がいるとは思えません。
住むために探す人には、たしかに選ばれにくい建物です。でも、直して貸す買主には「使える建物」です。切り離さずにお話しできます。
この記事を読んで理解できること
- 建築基準法でいう長屋と、共同住宅(アパート)の違い
- 長屋・連棟が売れにくい3つの理由
- 隣に売る・全戸まとめて売る・切り離す・現況で買取の比べ方
- 切り離して戸建てにするときの手続きと、既存不適格の注意
- 長屋の値段を、土地と家賃から考える方法
- 貸している長屋を、入居者がいるまま売る方法
「切り離さないと売れない」と言われた長屋でも構いません。つながったままの金額をお出しします。
査定・ご相談は無料です。2営業日以内にご連絡します。
この記事の目次
長屋とは:共同住宅(アパート)との違い
うちの建物は長屋ですか、それともアパートですか。
分かれ目は、廊下や階段をほかの住まいと分け合っているかどうかです。玄関が一戸ずつ外に面していれば、長屋のことが多いです。
長屋とは、いくつかの住まいが壁を隔ててつながった、一棟の建物です。
連棟住宅、テラスハウス、二戸一と呼ばれる建物も、多くはこの形です。
山梨県の建築行政の公表資料は、長屋と共同住宅を次のように分けています。
- 長屋:住戸の間で行き来できず、廊下・階段などを各住戸で共有しない形
- 共同住宅:住戸の間で行き来できず、廊下・階段などを各住戸で共有する形
つまり、玄関が一戸ずつ外に直接ある建物は長屋です。
共用の廊下や階段を通って各部屋に入る建物は、共同住宅、いわゆるアパートです。
長屋/共同住宅(アパート)
- 共用の廊下を通って各部屋に入る
- 建築基準法では特殊建築物にあたる
- 一戸ずつ玄関が外に面している
- 壁・屋根・基礎は隣とつながっている
建築基準法(e-Gov法令検索)2条2号は、特殊建築物の一つに共同住宅を挙げています。
長屋はこの一覧に入っていません。
ただ、隣と分ける壁については、30条で長屋と共同住宅の両方に決まりがあります。
隣の音を和らげる造りにして、小屋裏か天井裏まで届かせる、というものです。
ことばの説明:界壁
長屋やアパートで、住まいと住まいの間を仕切る壁のことです。長屋では、この壁が隣の家との境目になります。
一戸ずつ別の持ち主か、一棟を一人で持っているか
売り方を考える前に、もう一つ確かめたいことがあります。
建物全体を一人で持っているのか、一戸ずつ別の人が持っているのか、です。
親が長屋を一棟まるごと建てて、各戸を貸してきた例もあります。
この場合は、一棟のアパートと同じように、建物ごと売ることができます。
一戸ずつ別の持ち主がいる長屋は、区分所有の建物にあたることがあります。
大阪府「長屋の維持保全について」も、区分所有の長屋には区分所有法が当てはまると書いています。
ことばの説明:区分所有
一つの建物を、部屋ごとに分けて別々の人が持つ形です。マンションと同じで、長屋にもこの形があります。
どちらにあたるかは、法務局で取る登記事項証明書で確かめられます。
最初に確かめること
建物全体を、あなた(家族)だけで持っている?
兄弟で相続して共有している長屋なら、売るには共有者全員の同意が要ります。
共有の進め方は兄弟で共有しているアパートを売却するにはでお話ししています。
一戸だけの長屋でも、一棟まるごとでも構いません。今の持ち方のまま査定します。
査定・ご相談は無料です。2営業日以内にご連絡します。
長屋・連棟が売れにくい3つの理由
なぜ長屋は「売れない」と言われるんですか。
建物の古さより、隣とつながっていることが大きいです。自分だけで壊せず、建て替えもしにくい。それが買う人を減らします。
長屋が売れにくい理由は、大きく3つに分けられます。
長屋・連棟が売れにくい3つの理由
- 隣と共有壁・屋根・基礎が、隣の家とつながっている
- 切り離し隣の同意と、残る建物の補強が要る
- 融資一戸だけでは、買う人のローンが付きにくい
壁や屋根、基礎を隣と分け合っている
長屋は、一戸ずつ見ると家ですが、建物としてはつながった一棟です。
壁の一枚、屋根の一続き、基礎の一続きを、隣の家と分け合っています。
雨漏りや傷みを直すにも、隣の家に関わる部分は自分だけでは決められません。
大阪府の資料は、区分所有の長屋の屋根や外壁などは共用の部分だとしています。
落ちて人にけがをさせれば、持ち主どうしが連帯して責任を負う可能性もあると書いています。
切り離すには、隣の同意と構造の補強が要る
「一戸だけ壊して更地で売ればいい」と考える方もいます。
しかし、長屋の一部だけを壊すことは、自分だけではできません。
大阪府の資料は、一棟でつながった長屋について、こう書いています。
ほかの区分所有者などの承諾なしに、一部だけの解体や切り離しはできない、と。
建物のつり合いが崩れて、倒れたり雨漏りしたりする原因になるからです。
切り離すと、残る隣の家には、壁を新しく立てるなどの補強が要ります。
その工事の中身や負担を、隣の持ち主と話し合って決めなければなりません。
一戸を切り離すときに要ること
- 隣と話す切り離しと工事の内容に同意をもらう
- 調べる建築士が、残る建物の補強を考える
- 工事解体と、隣の壁や屋根の補強
- 手続き役所への手続きと、建物の登記
※どんな手続きが要るかは、建物と自治体によって違います。
話し合いがまとまらず、切り離しの話が止まってしまうこともあります。
隣が高齢だったり、空き家で持ち主と連絡が取れなかったりする場合です。
一戸だけでは、買う人のローンが付きにくい
買う人の多くは、住宅ローンなど金融機関の融資を使います。
金融機関は、お金を貸すときに土地と建物の担保としての値打ちを見ます。
長屋の一戸は、自分だけで建て替えられず、隣の事情にも左右されます。
そのため担保として低く見られやすく、融資が付きにくくなります。
結果として、買い手は現金で買える人に限られやすくなるのです。

古さや傷みは、直す費用として値段に織り込めます。
売れにくさの本当の理由は「つながっていること」のほうにあるのです。
長屋の売り方は4つ。切り離さずに売る道もある
切り離して普通の家にしてから売ったほうが、いいんですよね。
そうとは限りません。切り離しには隣の同意と工事と時間がかかります。切り離さずに売る道と並べてから決めてください。
長屋の売り方は、大きく4つあります。
長屋・連棟の4つの売り方
- 隣の持ち主に売る敷地を広げたい隣には、ほかの人より値打ちがある
- 全戸まとめて売る持ち主がそろえば、一棟と土地で売れる
- 切り離してから売る戸建てとして売れるが、同意と工事が要る
- 現況のまま買取切り離さず、今の状態で買う会社に売る
隣の持ち主に売る
いちばん自然な買い手は、隣の持ち主です。
隣にとっては、敷地が広がり、建物を自分の判断で直せるようになります。
将来、まとめて建て替える道も開けます。
ただ、隣に買うお金や気持ちがあるかは、聞いてみないと分かりません。
値段の話は、直接するとこじれやすいものです。間に人を立てるのも一つの方法です。
ほかの持ち主と、全戸まとめて売る
長屋の全戸の持ち主がそろって売れば、一棟の建物と土地として売れます。
一戸だけより買い手の幅が広がり、建て替えを考える買い手も入ってきます。
その代わり、全員の考えと時期をそろえる必要があります。
一人でも反対したり、連絡が取れなかったりすると進みません。
切り離して戸建てにしてから売る
隣の同意が取れれば、切り離して一戸建てにしてから売る道もあります。
住むための家を探す人にも選ばれやすくなるのが、いちばんの利点です。
ただし、解体と隣の補強の費用は、建物によって大きく違います。
見積もりを取るまで分からず、その費用を売る側が負うことが多くなります。
もう一つの注意は、今の建築の決まりに合うかどうかです。
建築基準法43条は、建物の敷地が道路に2m以上接することを求めています。
長屋の奥の一戸は、建物全体の敷地として道路に出ていることがあります。
切り離して自分の一戸だけの敷地になると、道路に2m接していない場合があります。
長屋には、自治体の条例で決まりが足されていることもあります。
東京都では東京都建築安全条例5条が、長屋の出入口と道路の関係を決めています。
平成31年4月からは、道路に面しない住戸への通路の幅などが見直されました。
接道が足りない場合の考え方は再建築不可のアパートは売却できるでお話ししています。
また、古い長屋は、今の決まりができる前に建った建物であることが多いです。
建築基準法3条2項は、そうした建物を今の決まりに合わなくても違法としていません。
ことばの説明:既存不適格
建てたあとに決まりが変わり、今の決まりに合わなくなった建物のことです。そのまま使えますが、建て替えるときは今の決まりに合わせます。
ただし、建て替えるときは今の決まりに合わせる必要があります。
切り離しの工事でどんな手続きが要るかは、計画の前に役所や建築士に確かめてください。
切り離さずに、現況のまま買取で売る
4つめは、隣とつながったまま、今の状態で買う会社に売る方法です。
隣の同意も、解体や補強の工事も、売る前の片付けも要りません。
買う会社は、建物を直して貸すことを前提に値段を考えます。
だから、建て替えられないことや融資が付きにくいことは、売れない理由になりません。
切り離してから売る/切り離さずに買取
- 解体と補強の費用を先に払う
- 接道が足りないと建て替えられない
- 住む人を探すので時間がかかりやすい
- 隣と話す必要がない
- 工事も片付けも要らない
- 値段は直して貸す前提で決まる
仲介に断られた建物の売り方全体は、訳ありアパートの買取でもまとめています。
隣と話す前に、切り離さない場合の金額を知っておくと、比べやすくなります。
査定・ご相談は無料です。2営業日以内にご連絡します。
長屋の値段は、土地と家賃の2つから考える
長屋の相場はいくらくらいですか。
長屋は一つずつ事情が違い、相場の数字は当てになりにくいです。土地から見た値段と、家賃から見た値段の2つで考えます。
長屋の売り値には、どこでも使える相場のようなものはありません。
同じ街でも、接道や隣との関係、建物の傷みで、値段が大きく変わるからです。
そこで、次の2つの見方を重ねて考えます。
長屋の値段の考え方
- 土地から見るあなたの一戸の敷地の、土地としての値段
- 引くもの建て替えや切り離しのしにくさ、直す費用
- 家賃から見る直して貸したときの家賃から、経費を引く
- 重ねて決める2つを比べて、買主が出せる値段を考える
土地から見た値段
一つめは、建物を除いた土地の値段です。
土地の値段の目安は、国土交通省の不動産情報ライブラリで調べられます。
国税庁の路線価図も、前の道の土地の値段を知る手がかりになります。
ただ、長屋の一戸の土地は、更地のようには使えません。
隣とつながっていて、自分の判断で建て替えられないからです。
その分を土地の値段から引いて考えることになります。
家賃から見た値段
二つめは、直して貸したときに取れる家賃から見た値段です。
取れる家賃から、固定資産税や修繕などの経費と、直す費用を引いて考えます。
今まさに入居者がいて家賃が入っていれば、その家賃が値段を支える材料になります。
家賃と土地のどちらで値段が付くのか、根拠を説明してもらうことが大切です。
貸している長屋は、収益物件として見る買主がいる
長屋を何戸か貸しています。入居者がいると売れませんか。
売れます。入居者がいて家賃が入っていることは、買主にとって「貸せる建物」の証です。出ていってもらう必要はありません。
長屋を一棟まるごと持って貸しているなら、それは一棟のアパートと同じ収益物件です。
一戸だけを貸している場合も、家賃が入る建物として見る買主がいます。
住むための家としては選ばれにくい長屋でも、貸す建物としては話が変わります。
入居者との契約は、売ったあともそのまま買主に引き継がれます。
民法(e-Gov法令検索)605条の2は、貸している人の立場が買主に移ると定めています。
敷金を返す義務も、買主に引き継がれます(同条4項)。
入居者がいる長屋を売る流れ
- 一覧を作る一戸ごとの家賃・入居した年・敷金
- 査定登記と、隣との関係も伝える
- 契約知っている傷みは先に伝える
- 引き渡し入居者に新しい振込先を知らせる
売る前にそろえたいのは、一戸ごとの家賃・入居した年・敷金の一覧です。
通帳や領収書から起こしたもので構いません。分かる範囲で査定は始められます。
問い合わせから引き渡しまでの流れと日数は、アパート買取の流れと期間にまとめています。
雨漏りや隣との境目の傷みなど、知っていることは契約の前に伝えておきます。
先に伝えて、その前提で値段と条件を決めておけば、あとで揉めにくくなります。

入居者がいる長屋でも構いません。立ち退きなし・今の状態のままでお話しさせてください。
査定・ご相談は無料です。2営業日以内にご連絡します。
リハコが、関東の長屋を現況のまま買い取る理由
リハコは、古いアパートや空き家を買い取り、直して、その街で貸している会社です。
これまでに空き家・築古物件を累計200戸以上再生してきました。
アパートの買取は23件、そのうち14件が神奈川県です。
私たちは、建て替えるためではなく、直して貸し続けるために買います。
だから、隣とつながっていて建て替えられない長屋でも、直して貸せるかで判断できます。
関東の長屋・連棟の一戸や一棟は、リハコが直接、現況のまま買い取ります。
- 隣と切り離さずに、つながったまま買い取ります
- 一戸だけでも、一棟まるごとでも構いません
- 入居者がいるまま買い取ります。立ち退きは要りません
- 雨漏り・傷み・残置物があっても、直さず片付けずに構いません
- 土地から見た値段と家賃から見た値段の両方で、根拠をご説明します
- 2営業日以内にご連絡します
「切り離さないと売れない」と言われても、そこで終わりではありません。
この街で、あなたの長屋を買いたい人がいます。一度お話しさせてください。
読み終えたら、まずやること
- 登記事項証明書で、建物が一戸ずつか一棟かを確かめる
- 隣の持ち主が誰で、連絡が取れるかを書き出す
- 貸している戸の家賃・入居した年・敷金をメモする
よくある質問
相続した長屋の一戸を、隣と切り離さずに売ることはできますか?
できます。隣とつながったまま、今の状態で買う会社があるからです。
直して貸す前提の買主なら、建て替えられないことは売れない理由になりません。
隣の同意も、解体や補強の工事も、売る前の片付けも要りません。
長屋の一戸だけを壊して更地にしてから売ってもいいですか?
自分だけでは壊せません。長屋は壁や屋根、基礎を隣と分け合っているからです。
切り離すには、隣の同意と、残る建物の補強が要ります。
切り離した一戸の敷地が道路に2m接していないと、建て替えもできません。
入居者がいる長屋でも売れますか?
売れます。入居者がいて家賃が入っていることは、買主にとって貸せる建物の証です。
入居者との契約と敷金を返す義務は、売ったあと買主に引き継がれます。
売り方の全体像は、築古アパートの売却・買取のまとめでご案内しています。
あわせて読みたい:旧耐震のアパートは売却できる、入居者がいるアパートを売却する手順
隣とつながったままの長屋でも、直して貸す前提で買う人はいます。今の状態のまま金額をお伝えします。
査定・ご相談は無料です。2営業日以内にご連絡します。




