戸建て投資・中古戸建て投資
買う前に出す収支と選び方
「株やNISAだけでなく、形のある資産にも分けておきたい」
「アパート1棟は重い。戸建て1戸からなら始められるだろうか」

(宅地建物取引士)
アパート14棟・戸建て41戸を自ら運用する現役投資家
先に、この記事の結論を3行で書いておく。
- 戸建て投資は、中古の一戸建てを買い、直して貸す投資|アパートより少ない資金で始められ、1戸ずつ増やせる
- 弱点は、空室になると家賃がゼロになることと、工事費が読みにくいこと|どちらも買う前の数字の出し方で小さくできる
- 成否は「総額(買値+工事費)」と「その地域で決まる家賃」の釣り合いで決まる|表面利回りではなく、経費と税金を引いた手残りで判断する
この記事は、株やNISAに加えて、不動産にも資産を分けたいと考えている会社員の方に向けて書いている。
上位の解説記事はメリットとデメリットの紹介が中心で、実際の買値・工事費・家賃で収支を組んだ例はあまり載っていない。
この記事では、リハコが再生した埼玉県熊谷市の戸建ての数字を使って、そこまで書く。

戸建て投資って、アパートやマンションの投資と比べて何がいいんですか?初心者でもできるものでしょうか。
少ない資金で1戸から始められるのが一番の良さです。ただし、買う前に工事費と家賃を数字にできるかどうかで、結果がはっきり分かれます。
この記事を読んで理解できること
- 戸建て投資の仕組みと、アパート・区分マンションとの違い
- 戸建て投資のメリットと、見落としやすいデメリット
- 新築・中古・築古の戸建て、それぞれの向き不向き
- 熊谷市の実例(購入180万円・リフォーム600万円・家賃6万円)で組む収支
- 買ってはいけない中古戸建ての条件
- 本業が忙しい人が、任せられることと自分で決めること
戸建て投資とは|中古の一戸建てを買って貸す投資
戸建て投資とは、一戸建ての住宅を買って人に貸し、家賃収入を得る不動産投資だ。
個人の投資家が選ぶのは、ほとんどが中古の戸建てである。新築より価格が低く、家賃との釣り合いが取りやすいからだ。
なかでも築年数の古い戸建てを安く買い、リフォームしてから貸す形を「築古戸建て投資」「空き家投資」と呼ぶことが多い。
中古戸建て投資の流れ
- 買う中古・築古の戸建て
- 直す貸せる状態にリフォーム
- 貸す管理会社に客付けを依頼
- 持つ・売る家賃を受け取り、出口を選ぶ
※利益は「毎月の手残り」と「売ったときの代金」の合計で見ます。
空き家そのものは増え続けている。総務省の令和5年住宅・土地統計調査では、空き家は900万2千戸、空き家率13.8%で、どちらも過去最多だった。
使われずに残る戸建てが多いほど、安く買える物件も出てくる。戸建て投資は、この流れに乗る投資でもある。
全国の空き家(令和5年10月1日時点)
| 項目 | 数 |
|---|---|
| 空き家の数 | 900万2千戸(過去最多) |
| 空き家率 | 13.8%(過去最高) |
| 前回(平成30年)からの増加 | 51万戸 |
出典:総務省統計局「令和5年住宅・土地統計調査」
戸建て1戸から始めたら、どのくらいの資金で何が買えるか知りたい方へ
ご予算と、通えるエリアを教えていただければ、関東で実際に買える価格帯の物件と、工事費込みの総額の目安をお出しします。
戸建て投資のメリット|アパート・区分マンションとの違い
戸建て投資のメリットは、少ない資金で始められること、1戸ずつ増やせること、土地が手元に残ることの3つに集約できる。
| 比べる点 | 中古戸建て | 区分マンション | アパート1棟 |
|---|---|---|---|
| 必要な資金 | 数百万円台から | 立地で幅が大きい | 戸建て数戸分以上 |
| 土地 | 土地がまるごと残る | 敷地の持分だけ | 土地が残る |
| 管理費・修繕積立金 | かからない | 毎月かかる | 自分で積み立てる |
| 空室の影響 | 空くと家賃ゼロ | 空くと家賃ゼロ | 一部の部屋で済む |
| 直し方の自由 | 自分で決められる | 管理規約の範囲内 | 自分で決められる |
区分マンションは管理組合が建物を管理するぶん、毎月の管理費と修繕積立金が家賃から引かれる。戸建てにはこれがない。
そのかわり、屋根や外壁の修繕は自分で計画して払う。手残りが多く見えるぶん、修繕のお金は家賃から自分で取り分けておく必要がある。
また、賃貸住宅の多くはアパートやマンションで、庭や駐車場のある戸建ての賃貸は選択肢が少ない。
子どもの足音やペットを気にせず暮らしたい家族には、戸建てを探す理由がある。条件の合う地域なら、借り手を見つけやすい。
株と分けて持つ意味:株や投資信託は値動きが毎日見える一方、不動産の家賃は月ごとに決まった額が入ります。値動きの性質が違う資産に分けておくことが、分散の考え方です。詳しくは投資は「分散」がすべてで書いています。
戸建て投資のデメリットとリスク
戸建て投資のデメリットは、空室のときの収入ゼロ、工事費の読みにくさ、融資の受けにくさ、の3つが大きい。
| デメリット | 何が起きるか | 小さくする方法 |
|---|---|---|
| 空くと家賃がゼロ | 1戸に1世帯なので、退去すると収入が止まる | 戸建ての賃貸が決まる地域で買う。1戸目のあと、地域を分けて2戸目を持つ |
| 工事費が読みにくい | シロアリ・雨漏り・給排水管の傷みが、開けてから見つかる | 買う前に工事の分かる人と内見し、見つかった場合の費用も入れて価格を決める |
| 融資を受けにくい | 築年数が古いと、建物の担保評価が低く出る | 物件は安く買い、工事はリフォームローンなど別の借り方を組み合わせる |
| 修繕を自分で計画する | 屋根・外壁・給湯器などの交換が、ある年にまとめて来る | 家賃の一部を毎月取り分けておく |
このうち、空室と工事費は「買う前」の判断でかなり小さくできる。
決まる家賃を地元の管理会社に聞いてから買う。工事の範囲と金額を出してから価格を決める。この2つで、失敗の多くは避けられる。
融資の考え方は、築古戸建て・空き家の融資の記事で詳しく書いている。
気になる中古戸建て、工事費まで入れても合う物件か確かめませんか
物件の写真と所在地をお送りいただければ、工事の範囲と概算、そのエリアで決まる家賃の見立てをお出しします。
新築・中古・築古、どの戸建てを選ぶか
少ない資金で手残りを出したいなら、選ぶのは中古、それも築年数の古い戸建てになる。
新築は建物の状態がよく手間は少ないが、価格が高いぶん、家賃との釣り合いが取りにくい。
築古は安く買えるが、工事費と工事の手配が要る。どこにリスクを持つかの違いだ。
| 種類 | 価格 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 新築戸建て | 高い | 手間をかけたくない。自己資金や借入の枠に余裕がある |
| 築浅の中古戸建て | 中程度 | 大きな工事はしたくないが、新築よりは手残りを出したい |
| 築古の中古戸建て | 低い | 少ない資金で始めたい。工事を任せられる相手がいる |
築古の戸建ては「ボロ戸建て」とも呼ばれる。安く買えるぶん、工事費をいくらまでかけてよいかを、家賃から逆算できるかどうかがすべてだ。
投資用リフォームの相場は、最低限で50〜150万円、標準で500〜700万円、フルで700〜1,000万円ほど。どこまで直すかで総額が大きく変わる。
工事費の考え方は、空き家リフォームの費用相場と、どこまで直すかの判断基準にまとめている。

戸建て投資の収支|熊谷市の実例で計算する
戸建て投資の収支は、「買値+工事費」の総額に対して、年間の家賃がどれだけあるかから組み立てる。
リハコが再生した埼玉県熊谷市の戸建てで、実際に計算してみる。
CASE熊谷市の戸建て|実際の数字
- 購入額180万円実績値
- リフォーム額600万円実績値
- 家賃6万円月額
- 総額780万円購入+リフォーム
年間の家賃は6万円×12ヵ月で72万円。総額780万円で割ると、表面利回りは約9.2%になる。
ただし、これは経費も税金も引く前の数字だ。
表面利回りのまま株と比べてはいけない。比べるのは、経費と税金を引いたあとの手残りである。
表面利回りから、比べられる数字にする順番
| 段階 | 計算 | 熊谷の例 |
|---|---|---|
| 表面利回り | 年間家賃 ÷ 総額 | 72万円 ÷ 780万円 = 約9.2% |
| 経費を引く | 固定資産税・火災保険・管理手数料・修繕の積立を引く | 仮に家賃の2割とすると、手残りは年57.6万円(約7.4%) |
| 税金を引く | 不動産所得にかかる所得税・住民税を引く | 本業の年収と減価償却で変わるため、自分の税率で計算する |
| 株と比べる | 税引き後の実質利回りを、株の年4%と比べる | ここで上回るかが判断の目安 |
※経費の「家賃の2割」は計算の流れを示すための仮定です。実際の経費は物件ごとに積み上げてください。
税金を計算するうえで知っておきたいのが、減価償却だ。国税庁の耐用年数表では、木造の住宅用建物の法定耐用年数は22年とされている。
中古で買った建物は、国税庁が示す簡便法で耐用年数を短くできる場合がある。22年をすべて過ぎた木造なら、22年×20%で4年となる。
適用には条件があり、本業の所得との関係でも結果が変わる。実際の申告は税理士に確認してほしい。
借入を使う場合:リフォームローンなどを使うと、少ない自己資金で始められる一方、毎月の返済が手残りから引かれます。空室が3ヵ月続いても給与から払える返済額かどうかを、必ず先に確かめてください。
あなたの年収と税率で、税引き後にいくら残るかを計算してみませんか
物件価格・工事費・家賃に、ご自身の税率と借入条件を入れた収支表をお作りします。株の年4%と比べてどうかまで、数字でご確認いただけます。
中古戸建て投資で避けたい物件の条件
避けたいのは、直しても貸せない物件と、あとで売れない物件だ。工事でどうにもならない条件から先に確かめる。
| 条件 | なぜ避けるか | 確かめ方 |
|---|---|---|
| 道路に2m以上接していない | 建築基準法43条の接道義務を満たさず、建て替えができない(再建築不可)。融資も売却も難しい | 役所の建築指導の窓口で、前面道路の種類と幅を確認する |
| 1981年5月以前の建築確認 | 1981年6月1日以降の新耐震基準より前の建物で、耐震の工事が要ることがある | 建築確認の日付を登記や確認台帳で見る |
| 賃貸の需要が薄い場所 | 直しても入居が決まらず、家賃を下げ続けることになる | 地元の管理会社に、その広さ・家賃で決まるかを聞く |
| 崖・擁壁・傾き | 直す費用が建物の価値を超えやすい | 内見で擁壁のひび、床や建具の傾きを見る |
| 駐車場がない(車社会の地域) | 郊外では車を置けないと借り手が限られる | 敷地に車が何台置けるかを測る |
このなかで、工事で直せないのは接道と場所だ。建物の傷みはお金で直せるが、道路と立地は変えられない。
価格が相場より極端に安い物件は、どれかに当てはまっていることが多い。安さの理由を先に聞くとよい。
リスクの全体像は、空き家再生の教科書|リスク7分類で整理している。
本業が忙しい会社員は、どこまで任せられるか
現地に通えない会社員でも、仕入れ・工事・客付け・管理はそれぞれ人に任せられる。自分で決めるのは「いくらで買うか」と「いくらまで工事にかけるか」だけだ。
| 工程 | 任せる先 | 自分で決めること |
|---|---|---|
| 物件探し・仕入れ | 地元の不動産会社、仕入れから扱う会社 | 予算と地域、買う価格 |
| 内見・工事の見積 | 工事の分かる不動産会社・工務店 | どこまで直すか、工事費の上限 |
| リフォーム | 工務店・リフォーム会社 | 仕様と予算の承認 |
| 入居者募集・管理 | 地元の管理会社 | 家賃と募集条件 |
工程ごとに別々の会社へ頼むと、連絡の手間と、工程の間のすき間が増える。
リハコでは、仕入れからリフォームまでをまとめてお引き受けしている。物件をご購入いただいたあと、投資家さまの資金(リフォームローンなど)で、リハコがリフォームを行う形だ。
入居者募集と管理は、地元の管理会社のご紹介などでサポートしている。遠方の方の進め方は、遠方でもできる空き家投資に書いた。
副業規定が気になる方は、不動産投資は副業にあたるかもあわせて読んでほしい。
任せられるのは助かります。でも、業者に高い物件を売りつけられないか心配です。
だからこそ、買値・工事費・家賃の3つを先に数字で見てください。この3つが釣り合わない物件は、誰が勧めても買わなくていい物件です。
仕入れからリフォームまで任せて、関東の戸建て投資を始めたい方へ
リハコが仕入れた関東の築古戸建てを、工事費込みの総額と想定家賃をそろえてご紹介しています。本業が忙しい方も、オンラインでご相談いただけます。
戸建て投資の始め方|最初の1戸を買うまで
最初の1戸は、「資金の上限を決める→地域を決める→家賃を調べる→物件を見る→工事費を出す→価格を決める」の順で進める。
最初の1戸を買うまでの順番
- 資金の上限自己資金と借入の枠
- 地域戸建て賃貸が決まる場所
- 家賃管理会社に決まる額を聞く
- 物件と工事費内見して範囲と金額を出す
- 価格総額が家賃に見合うかで決める
※売り出し価格から考え始めないことが大切です。
ポイントは、価格を最後に決めることだ。売り出し価格から考えると、家賃や工事費の見積もりがどうしても甘くなる。
買う前にどの数字をどう出すかは、不動産投資の失敗例と失敗率の「買う前に決める5つの数字」で詳しく書いている。
空き家投資全体の流れと費用は、空き家投資は仕入れで決まるに1本でまとめた。
まとめ|戸建て投資は「買値」と「決まる家賃」で決まる
戸建て投資は、少ない資金で1戸から始められ、土地が残る投資だ。
その一方で、空室になると家賃がゼロになり、工事費も読みにくい。だからこそ、買う前に数字を出せるかどうかで結果が分かれる。
- 戸建て投資は中古を買って貸す投資個人が選ぶのはほとんどが中古。築古を安く買って直す形が空き家投資。
- メリットは少額・1戸ずつ・土地が残る管理費や修繕積立金がなく、直し方も自分で決められる。
- デメリットは空室・工事費・融資空室と工事費は、買う前の確認でかなり小さくできる。
- 築古は工事費の上限を家賃から逆算リフォーム相場は最低限50〜150万・標準500〜700万・フル700〜1,000万円。
- 収支は税引き後の手残りで見る熊谷市の実例は総額780万円・家賃月6万円で表面約9.2%。経費と税金を引いて株の年4%と比べる。
- 接道と場所は工事で直せない道路に2m以上接しているか、戸建て賃貸が決まる場所かを先に確かめる。
- 任せられるが、価格と工事費の上限は自分で決める価格は最後に、総額が家賃に見合うかで決める。
戸建て投資の考え方は分かりました。でも、自分で家賃や工事費を出せる自信はまだありません。
最初の1戸は、一緒に数字を出すのが近道です。リハコでは、工事費と家賃まで数字にした物件だけをご紹介しています。
工事費と家賃まで数字にしてから買える、戸建て投資を始めませんか
リハコは空き家・築古物件を累計200戸以上再生してきました。関東の非公開の築古戸建てを、工事費込みの数字でご紹介しています。非公開物件のご紹介・リフォーム概算・収支シミュレーションは無料です。




