購入コラム COLUMN

2026.09.08 更新 2026.08.21 公開
空き家再生の教科書|空き家投資で絶対に見るべきリスク7分類と対策法
リフォーム後の外観
森田 尚樹

森田 尚樹

宅地建物取引士/現役投資家

この記事を書いている人

この記事を書いているのは、
現役の不動産投資家です

  • アパート14棟・戸建て41戸を運用中
  • 累計200戸以上の空き家を再生
  • 宅地建物取引士

大手企業のサラリーマンを経て、不動産再生の世界へ。自ら計135戸を運用する現役の不動産投資家であり、宅地建物取引業者です。「仕入れ・リノベ・入居付けまで、お金だけ出せば全部やってくれる人がいれば」——サラリーマン時代に本気で欲しかったサービスを、そのまま形にしました。

空き家再生の教科書

空き家投資で絶対に見るべき
リスク7分類と対策法

空き家投資のリスクは7つに分解できる。分解できるということは、1つずつ事前に潰せるということだ。
自ら135戸を運用し、200戸以上の空き家・築古物件を再生してきたリハコが、7分類ごとの見抜き方と対策を書いた。

株式会社リハコ 森田尚樹
株式会社リハコ 森田尚樹(宅地建物取引士)
アパート14棟・戸建て41戸(計135戸)を自ら運用する現役投資家

「空き家の高利回り物件、興味はあるけど怖い」
「周りに『空き家はやめとけ』と言われて踏み切れない」

結論から言うと、空き家投資のリスクは7つに分解できる

分解できるということは、1つずつ事前に潰せるということだ

そして勝敗の9割を決めるのは「①仕入れ」と「③客付け」の2つで、残りの5つは、この2つを間違えなければ致命傷にならない。

先に、この記事でいちばん伝えたい4つを挙げておく。

  • 仕入れの失敗だけは取り返せない|だから調査の時間の8割は、買う前に使う
  • リフォーム業者に前金を払わない|持ち逃げされたら、契約書があっても戻ってこない
  • 家賃保証会社には必ず入る|滞納も、明渡しも、残置物の撤去もここでカバーできる
  • きれいに再生しておく|入居付けの対策と、売るときの対策を同時に済ませられる

この4つを押さえたうえで、7つのリスクを仕組みで抑え込み、利回り10%以上を取りにいく

それが空き家再生による投資の考え方だ。

いすみ市大原 外観 改修前
リハコが再生した空き家(千葉県いすみ市大原・改修前)。空き家投資は「怖い」のではなく「読める」

「築古はやめとけ」とよく聞きます。空き家投資も、そんなに危ないものなんでしょうか?

危ないのは空き家そのものではなく、リスクを1つの塊で見ていることです。7つに分ければ、ほとんどは買う前に片が付きます。

この記事を読んで理解できること

  • 空き家投資のリスクを7分類で整理する方法(ステップごとに分ける)
  • ①仕入れリスク|高値掴み・権利・建築法規・インフラ・占有の見抜き方
  • ②再生リスク|前金を払わずに工事を進める方法と、業者に飛ばれない発注の仕方
  • ③客付けリスク|エリアの適正家賃の見極め方と、戸建てが人口減少に強い理由
  • ④運営リスク|家賃滞納と保証会社の使い方、突発修繕の年間予算
  • ⑤外部環境リスク|火災保険の選び方と、金利上昇でも現金を残す考え方
  • ⑥出口リスク|売値1,000万円以内に収めて出口を増やす考え方
  • ⑦事業主体リスク|運転資金の置き方と、自分に何かあったときの備え
  • 発生確率×影響度で優先順位をつけ、最初に潰すリスクを決める方法
  • なぜリスクを取ってでも空き家なのか|森田のポートフォリオの考え方
この記事は「空き家投資の始め方」シリーズの1本です 空き家投資の始め方|全手順を1本にまとめた完全版を読む →

1. 空き家投資のリスクは7つに分けて考える

空き家投資のリスクって、結局いくつあるんですか? 数え切れない気がして。

7つです。ステップごとに分けて考えると漏れません。仕入れ・再生・客付け・運営・外部環境・出口・事業主体の順です。

桐生市川内町リフォーム 外観 改修前
リハコが買取した築古戸建て(群馬県桐生市川内町・改修前)。リスクはステップごとに潰す

空き家投資のリスクは、次の7分類ですべて説明できる。

リスクは、お金と時間が動くステップごとに分けて考えると漏れがなくなる。

仕入れ → 再生 → 客付け → 運営 → 保有中の外部環境 → 出口、そしてそのすべてに影響する事業主体(自分自身)、という並びだ。

分類代表的なリスク効いてくるタイミング
①仕入れリスク高値掴み・再建築不可・私道の持分なし・入居中で中が見られない買う前(契約前)
②再生リスク前金の持ち逃げ・工事が完工しない・リフォーム費用の暴騰・施工瑕疵引き渡し後〜数か月
③客付けリスク適正家賃の読み違い・人口減少による賃貸需要の消滅工事完了後〜半年
④運営リスク家賃滞納・突発修繕・入居者トラブル保有中ずっと
⑤外部環境リスク災害・保険の引受拒否・金利上昇・現金が残らなくなること保有中ずっと
⑥出口リスク買主が見つからない・安くしか売れない売るとき(3〜15年後)
⑦事業主体リスク資金繰りの行き詰まり・相続が起きたときにご家族が困ることいつでも

この表の並び順が、そのまま対策の順番になる。

最初の①仕入れがもっともリスクが高く、ここで失敗したら終わりだからだ。

逆に言えば、仕入れさえ間違えなければ、残りの6つはどれも打ち手が残る。

なお、7つのうち⑤外部環境リスクだけは自分でコントロールできない

逆に言えば、残り6つはすべて自分の行動で確率を下げられる

空き家投資が「運任せ」ではないというのは、この意味だ。

無料相談

7つのリスクを、ご自身の状況に当てはめて整理したい方へ

「どのリスクから潰すべきか」は、資金・地域・経験によって変わります。現在の検討状況をお聞かせいただければ、優先順位を一緒に整理します。

2. ①仕入れリスク|高値掴みと、買ってはいけない物件を買うリスク

結局いちばん怖いのは、買った瞬間に負けが決まっている物件ですよね?

そうです。買ってしまえば、もう選び直せません。だから買付を入れる前の数日に、手間を全部寄せます。

埼玉県本庄市小島 旗竿地
リハコが200万円で買い取った旗竿地の空き家(埼玉県本庄市小島・築54年)。接道と再建築の可否は仕入れの最重要項目

仕入れリスクとは、価格・権利・法規・インフラ・占有の5つを見誤って買ってしまうリスクだ。

発生確率は高く、影響度も最大だが、そのほぼ全部が契約前の調査で潰せる

仕入れで大事なのは、リスクを掴まないことだ。

そして、調べて見つかったリスクは、そのまま価格の交渉材料に変わる。

擁壁がある、土地が狭い。

どれも「だからこの価格なら買います」と言うための材料だ。

土地は120㎡が分かれ目
地方では、土地が120㎡以上あれば解体して更地で売る出口が残りますが、120㎡を切ると建売業者が買わない傾向があります。「現況のまま、空き家のまま売るしかない」と先に分かっていれば、それも価格交渉の材料になります。

高値掴みリスク|表面利回りだけを見て買ってしまう

高値掴みとは、再生後の実力に見合わない価格で買うことだ。

販売図面の利回りはほぼ例外なく表面利回り(想定家賃 ÷ 販売価格)で、リフォーム費用も購入諸費用も空室も入っていない。

判断に使うのは実質利回りだ。

2つの式を並べると、どこが違うのかがはっきりする。

① 表面利回り = 販売図面に載っている数字

表面利回り想定の年間家賃
÷
分母販売価格
× 100

リフォーム費用も購入諸費用も空室も入っていない。判断には使わない数字だ。

② 実質利回り = 買うかどうかを決める数字

実質利回り実際に埋まる家賃 × 稼働率 − 運営経費
÷
分母販売価格 + 購入諸費用 + リフォーム費用
× 100

購入諸費用は一般に物件価格の6〜9%程度。運営経費は管理料・固定資産税・保険料・修繕費などの、毎年出ていくお金だ。リハコでは家賃収入の15.5%で見ている。

落とし穴1「想定家賃」が近隣相場より高く盛られている
落とし穴2リフォーム費用が「軽微」と書かれ、実際は水回り総取り替え
対策自分で募集中の競合家賃を調べ、リフォーム見積もりを取ってから指値する

権利リスク|接道と私道の持分・越境・借地

謄本(登記事項証明書)のどこを見るか

登記事項証明書(謄本) 表題部 所在・地番・地目・地積 建物の構造・床面積・築年 権利部(甲区)= 所有権 所有者の氏名・住所 差押え・仮登記の有無 権利部(乙区)= 所有権以外 抵当権・根抵当権 地役権・賃借権 あわせて取る書類 公図・地積測量図 道路台帳図・位置指定図 ここで見ること 土地と建物の両方を 売主が所有しているか ここで見ること 抵当権・根抵当権が残って いないか。抹消できるか

権利のリスクは、謄本・公図・測量図・現地の4点を突き合わせるだけで大半が見つかる。

権利リスクとは、その土地と建物を自由に使えない・売れない状態のことだ。

ここは登記簿・公図・測量図・現地の4点を突き合わせるだけで大半が見つかる。

権利リスク何が起きるか契約前にやること
越境隣家の屋根・塀・樹木の越境。空き家では多くの場合に起きている屋根や塀は越境の覚書(将来撤去の合意)を取る。樹木の枝は所有者に切除を求める
私道の持分なし通行・掘削の承諾が取れないと給排水管を引き直せない謄本で、その私道の共有持分を持っているかを確認する
借地土地という資産を買えない。担保評価はほぼゼロで、地代・更新料・建替承諾料もかかる借地契約書(残存期間・承諾料の定め)を必ず読む。よほど安くなければ見送る

私道は持分を見る
先に見るのは「承諾書があるか」ではなく、その私道の共有持分を謄本で持っているかどうかです。持分があれば、通行・掘削でもめる可能性は大きく下がります。

越境した枝は、2023年4月の民法改正で自分で切り取れる場合ができた。

木の所有者に切除を催告して相当の期間(目安は2週間)内に応じないとき、所有者や所在が分からないとき、急迫の事情があるときの3つだ。

根はもともと自分で切り取れる。

空き家では樹木の越境がほぼ必ずあるので、「切れないまま放置するしかない問題」ではなくなったと考えて構わない。

建築法規リスク|再建築できるかどうか(接道)で決まる

再建築できる土地と、再建築不可の土地

建て替えできる 建築基準法上の道路(幅員4m以上) 敷地 間口 2m 以上 再建築不可 幅員4m未満、または法上の道路でない 敷地 2m 未満 接道義務=幅員4m以上の道路に2m以上接していること。満たさないと建て替えができない

同じような見た目の空き家でも、道路と間口の条件で建て替えの可否が変わる。

空き家でいちばん大事なのは、その土地に建て替えができるかどうかだ。

そしてそれを決めるのは、ほぼ接道だ。

旧耐震か、既存不適格かといった論点より先に、まずここを確認する。

再建築不可とは、いま建っている建物を壊すと、新しい建物を建てられない土地のことだ。

原因の多くは接道義務(幅員4m以上の道路に2m以上接する)を満たしていないことだ。

投資対象としては成立するが、融資が付きにくく、出口が現金買いの投資家に限られる

安さの理由を理解して買う分には問題ない。

ただし出口が取りにくいのも事実だ。

相場よりかなり安く買えるのでなければ、購入はおすすめしない。

  • 接道不足|間口が2m未満、または前面道路が建築基準法上の道路でない
  • 既存不適格|建築当時は適法だが現行法に合わない。増改築に制限はかかるが、融資が出る場合もある
  • 違法建築|建ぺい率・容積率オーバー。融資はほぼ不可
  • 旧耐震(1981年5月以前の確認申請)|融資年数が短く、買主も限定される
  • アスベスト含有|解体費が大きく跳ね上がる。1975年以前の吹き付けは要注意

確認方法は明快だ。

役所の建築指導課で、前面道路の種別と幅員を確認する。

検査済証を気にする方もいるが、築古の空き家に検査済証が残っていることは、基本的にほとんどない

無いのが当たり前なので、有無そのものより前面道路の種別と幅員のほうが判断材料になる。

インフラリスク|排水と水道でほぼ決まる

私設管が隣地を通っているケース

前面道路 公道の本管(上下水道) 買う土地 建物 隣地(他人の土地) 私設管が隣地を通っている=越境 起きること 引き直すのに隣地の 承諾が必要になる 再建築や売却のときに 減点として見られる 配管図は仲介業者からもらうか水道局で取得し、現地でも経路を確認する

配管が他人の土地を通っていると、引き直すときに承諾が要る。現地で必ず確認する。

インフラリスクとは、水道・排水・ガス・電気の設備が想定外の負担を生むリスクだ。

見落とすと、購入直後に数十万円から百万円単位の出費が発生する。

いちばん大事なのは、排水が本下水か浄化槽であることと、水道が上水道であることだ。

汲み取りと井戸水の組み合わせになると、費用の面でも入居付けの面でも、一気にハードルが上がると考えておく。

設備何が起きるか調べ方
排水の方式汲み取りだと浄化槽化に80万〜100万円以上。本下水の引き込みも高額になる上水道+本下水がベスト。汲み取りや浄化槽なら、その費用を指値の材料にする
浄化槽ひび割れや破損があると、修繕に20万円ほどかかることがある設置年や単独か合併かより先に、現地でひび割れ・破損の有無を見る
井戸水上水道でないことが賃貸募集で減点になり、借り手が付きにくい上水道を引き込めるか、工事費はいくらかを役所で確認する
私設管他人の土地を通る給排水管。掘り直しに承諾が必要。越境していると出口で減点される水道台帳(役所の上下水道課)で本管からの経路を確認し、現地でも越境の有無を見る
電気容量単相2線式は30Aまでしか使えず、ブレーカーが落ちる分電盤で単相2線式か3線式かを確認。3線式なら40〜60Aまで上げられる
ガスプロパンと都市ガスの差は小さい。ただし都市ガスのほうが借主には喜ばれる傾向があるどちらかを確認しておく程度でよい。そこまで気にする必要はない

汲み取りは指値の材料
汲み取り式のトイレを浄化槽にするには、80万〜100万円以上かかります。本下水の引き込みも高額です。ベストは上水道+本下水で、汲み取りや浄化槽であれば、その費用はそのまま指値の根拠になります。

電気は、分電盤が単相2線式か単相3線式かを見る。

単相2線式のままだと30Aで頭打ちになり、エアコンとIHを同時に使うだけでブレーカーが落ちる。

単相3線式への切り替えには15万〜30万円ほどかかるので、購入前に見込んでおく。

3線式であれば40〜60Aまで上げられる。

私設管の越境も、現地で必ず確認している。

再建築のときや売るときに、本管から引き直す費用が買主の負担として高額になり、それ自体が減点として見られるためだ。

ガスは、プロパンと都市ガスで大きな差はない。

ただし借りる側には都市ガスのほうが喜ばれる傾向がある。

決定的な差ではないので、プロパンだから買わない、という判断まではしなくてよい。

占有リスク|中を見られないまま買うオーナーチェンジ物件

入居中の物件は、中を確認できないまま買うことになる

オーナーチェンジ物件 入居中 内見できない 買うまで分からないこと 室内がどこまで傷んでいるか 家賃を滞納していないか どんな入居者が住んでいるか

だからリハコでは、戸建てに限ってはオーナーチェンジ物件をおすすめしていない。

占有リスクとは、入居者がいるために部屋の中を確認できないまま買うリスクだ。

オーナーチェンジ物件では内見ができない。

引き渡しを受けてから、室内がボロボロのまま使われていた、家賃を滞納していた、想定していなかった属性の入居者が住んでいた、と分かることが実際にある。

だからリハコでは、戸建てに限ってはオーナーチェンジ物件をおすすめしていません。1戸しかない以上、その入居者ひとりで収支も出口も決まってしまうからです。

入居中の物件は、すでに住んでいる人を選び直せない

しかも借地借家法があるため、家賃の滞納があっても即時に退去させることはできず、訴訟と強制執行になれば一般に半年以上と数十万円の費用がかかる。

だからこそ、確認できる書類は全部見せてもらう。

物件調査の基本項目|リハコが1件ごとに埋めている項目

ここまでの内容を、実際の調査の順番に並べ直したものだ。

机上(謄本・役所)で調べることと、現地で見て撮ることに分かれる。

この2つが埋まれば、仕入れリスクの大半は買う前に見えている。

机上で調べる見るポイントなぜ見るか
謄本(抵当権)抵当権・根抵当権が残っていないか決済までに抹消できることが取引の前提になる
謄本(所有者)土地と建物の両方を売主が所有しているか建物だけ他人名義、ということが実際にある
謄本(前面道路)私道の共有持分を持っているか再建築とライフラインの引き直しに直結する
再建築・セットバック再建築の可否と、道路後退が必要かどうか使える面積も出口も変わる。空き家調査の最重要項目
都市計画区域市街化区域・市街化調整区域・非線引き区域のどれか調整区域でも都市計画法34条11号・12号に当たれば再建築できる可能性が高い
埋蔵文化財包蔵地に当たっていないか(文化財保護法)再建築時に役所の調査・試掘が必要になり、出口が取りにくくなる。指値の材料
接道接道の種類(42条1項1号の既存道路・位置指定道路など)と長さ・幅員道路台帳図や位置指定図は役所で取れる
ハザードマップ洪水・浸水想定の区域に入っていないか保険料と、売るときの評価に効く

調整区域は狙い目にもなる
市街化調整区域というだけで指値の交渉ができます。そのうえで34条11号・12号に当たって再建築ができるなら、安く買えて出口も残る、旨味のある物件になります。

現地では、あとで見積もりと交渉に使うために写真と数字を持ち帰る

記憶ではなく記録にしておくことが、そのまま指値の根拠になる。

現地で見る・撮る見るポイントなぜ見るか
床面積最低でも50㎡以上。戸建てなら60㎡以上ほしい50㎡前後だと2LDK・3DKのアパートと競合して、戸建ての優位性が出ない
告知事項孤独死や事故がなかったかを必ず確認するあとから出てくると、家賃も出口も下がる
雨漏り・傾き・残置物3点はリフォーム費用に大きく影響する見積もりの前提が変わる。そのまま価格交渉の材料になる
分電盤撮影して単相2線式か単相3線式かを確認する2線式なら3線式への切り替えに15万〜30万円かかる
床下シロアリ被害と浸水の跡がないか見えない場所ほど、あとから大きな出費になる
水回りの寸法キッチン・洗面所・洗濯機置き場・バスタブ・トイレを計測するリフォーム見積もりの精度が上がる
上下水・ガス・電線上水道か井戸か、公共下水か浄化槽か汲み取りか。配管や電線の越境の有無配管図は仲介業者からもらうか水道局で取得する

オーナーチェンジの物件では、これに加えてレントロール・賃貸借契約書・保証会社の加入状況・滞納状況の4点を必ず出してもらう。

敷金は退去時に返す義務ごと買主に移るので、承継額も契約書で確認する。

3. ②再生リスク|リフォームでぼったくられる・工事業者に飛ばれる

工事業者に飛ばれるって、本当にあるんですか?

あります。だから前金は払わないでください。契約書があっても、逃げられてしまえば取り返せません。

桐生市川内町リフォーム キッチン 改修前
リハコが買取した築古戸建てのキッチン(群馬県桐生市川内町・改修前)。残置物を撤去して初めて分かる部分がある

再生リスクとは、リフォーム工事が予算・工期・品質のいずれかで破綻するリスクだ。

空き家投資は「安く買って安く直す」ことが前提なので、ここが崩れると利回りの想定そのものが崩れる

前金は払わない|飛ばれるリスクと、完工しないリスク

この章でいちばん大事なことは1つだけだ。

前金を払わない。

工事業者に持ち逃げされるリスクは、思っているよりずっと高いのが実際のところだ。

そして払ってしまったあとは、契約書があっても取り返せない

訴えるにも相手を探すところから始まり、費用と時間のほうが先に尽きる。

もう1つが、前金だけ受け取って工事がいつまでも終わらないケースだ。

現場に来ない、他の現場を優先される、途中で止まる。

工事が終わらなければ募集も始められないので、そのあいだ家賃はゼロのまま、返済と固定費だけが出ていく。

だから、払うのは終わった工程の分だけにする。

出来高払いにしておけば、途中で飛ばれても損失は「そこまでに終わった工事の分」で止まる。

前金払わない。着手金を求められても応じない
支払い方終わった工程ごとに払う出来高払いにする
進捗の確認写真の報告だけで判断しない。要所は自分の目で見る
相見積もり2社取れば十分。同じ仕様書で依頼する
見積もりの形「一式」ではなく数量×単価。項目ごとに削れる形にする
契約書書面にはする。ただし飛ばれたら書面では取り返せないと考えておく

リハコで実際に起きたことを挙げておく。

  • 80万円の前金を払って、そのまま飛ばれた
  • 給水管に使う部材が、給湯の配管に使われていた|見えない場所ほど起こる
  • クッションフロアを貼ったという写真の報告をもらっていたのに、実際は糊が付いておらず、ただ載せてあるだけだった

写真の報告は証拠にならない
報告として送られてくる写真は、「作業をした瞬間」しか写しません。仕上がりを判断する材料にはならないので、要所は必ず現物を確認してください。

無料相談

リフォーム見積もりが適正か、第三者の目で確認したい方へ

自社で再生工事まで手がけているリハコが、見積もりの妥当性や工事範囲の考え方をお伝えします。

4. ③客付けリスク|適正家賃を読み違えるリスクと、需要が消えるリスク

直せば入居者は付くものですよね? 利回りが高いので、多少安くしても回ると思うのですが。

まず見るのは、そのエリアの適正家賃です。安くすれば埋まる、という発想から入ると収支が合いません。

桐生市川内町リフォーム 居室 改修後
リハコが再生した築古戸建ての居室(群馬県桐生市川内町・改修後)。適正家賃は買う前に見極める

リフォームをせず、ボロボロの状態のまま家賃3万円などで入居付けすることもできる。

ただしその家賃では、後から必ず発生する修繕費を回収できない

築古は必ずどこかが壊れるので、直さずに安く貸すという判断は、まずしない。

いちばん大事なのは、そのエリアの適正家賃を見極めることだ。

SUUMOなどの賃貸ポータルで、同じエリア・同じ広さの募集家賃を見れば確認できる。

リハコの場合は各エリアの家賃データが社内に蓄積されているので、それをもとに「この家でいくら取れるか」をご提案している。

家賃の設定を間違えると、利回りは簡単に崩れる

築古の利回りは、この式で決まる

利回り年間家賃
÷
分母物件価格 + リフォーム費用
× 100

分子の家賃をいくらに置くかで、利回りは簡単に上下する。だから家賃の設定がいちばん重要になる。

そのうえで前提として、家賃の予測はもともと難しい指標だ。

理由は2つある。

ひとつは、戸建て賃貸がそもそも一般的ではなく、供給も少ないためデータが不足していること。

もうひとつは、戸建てそのものが一点物であることだ。

そのなかでも、しっかりリノベーションされた戸建ての家賃相場を見極めるのは、とくに難しいと考えている。

人口が減ったとき、最初に空くのはどこか

人口減少にともなう賃貸需要の消滅という観点で、もっともリスクが高いと考えている間取りは、アパートのワンルーム・3点ユニットだ。

理由は単純で、リフォームでも購入後でも、唯一変えられないのが間取り、つまり部屋を広くすることだからだ。

だからワンルームや3点ユニットのような物件から優先的に需要が消滅し、空室が増えていくと想定している。

逆に言えば、広くて駐車場があり、騒音トラブルにも悩まされない一点物の戸建ては、人口減少が進んだとしても賃貸市場でもっとも強い状態を維持できる。

もちろん構造の違い(木造・RC・SRCなど)はあるが、そもそも家賃帯が競合していないので、あまり気にする必要はない。

タイプ人口が減ったときの強さ理由
アパートのワンルーム・3点ユニットもっとも弱いあとから間取りは変えられない。広くできないまま需要だけが減っていく
アパートのファミリータイプ中間広さは取れるが、駐車場と騒音の問題は残る
戸建てもっとも強い広い・駐車場がある・騒音トラブルがない。しかも一点物で競合が少ない

戸建て賃貸は、退去が少なく入居が安定する

戸建て賃貸のいちばんいいところは、退去がかなり少なく、入居が安定することだ。

ご家族で住まれる場合、引っ越しそのものが起こりにくい理由がいくつも重なる。

  • 小学校に通う子どもを転校させたくない
  • 住んでいるうちに荷物がどんどん増えていく
  • そもそも戸建て以上の引っ越し先があまり存在しない
  • 大きな荷物を運ぶのが大変で、引っ越し自体がしづらい
  • 駐車場付きという条件で探すと、選択肢がそもそも少ない

戸建てなので、自宅のように大切に使ってもらえるのも大きな違いだ。

草刈りをしてくれたり、愛着を持って住んでくれたりする。

リハコの実績でも、平均3〜5年、あるいはそれ以上長く住んでいただく傾向がある。

だからこそ、リノベーションをしっかりやる

ここまでを踏まえると、やるべきことは1つだ。

リノベーションをしっかりやることだ。

この賃貸業のライバルは、地主さんや、空き家を活用しきれていない一般の方が多いのが実際のところだ。

つまり競合がかなり弱い。

だからこそ、ここまで作り込めば空室に困る可能性はかなり低くなる

投資なので絶対とは言えないが、そこが戸建て賃貸のいちばんいいところだ。

競合が弱いのが強み
作り込まれた戸建て賃貸は、そのエリアでほとんど競合がいません。同じ家賃帯に並ぶのは、手が入っていない物件であることが多いためです。

5. ④運営リスク|家賃滞納・入居者トラブル・突発修繕

入居が決まってしまえば、あとは安定しますよね?

運営でいちばん大きいのは家賃滞納です。ただしこれは、保証会社に入っていればほぼ解決します。

館林市 空き家 エアコン 新設2
リハコが入居前に新品へ交換したエアコン(群馬県館林市広内町)。給湯器やエアコンなどの電気系は、最初の見積もりの段階で交換に入れている

運営リスクとは、保有中に発生する滞納・トラブル・修繕による損失だ。

1件あたりの金額は小さいものの、頻度が高く、確実に起こる

事前に「起きたときの手順」と「使うお金」を決めておくのが対策になる。

家賃滞納|保証会社に入るかどうかが、この事業の肝

運営で最大のリスクは家賃滞納だ。

そして、その対策は1つしかない。

入居時に家賃保証会社を必ず付けることだ。

たとえば夜逃げをされたような最悪のケースでも、手順は決まっている。

まず催告書兼通知書を内容証明郵便で送る

「2週間以内に滞納分を全額返済しなければ契約解除になります」という内容だ。

これも保証会社が代行してくれる。

契約解除になった場合は、そこから半年ほどかけて明渡し訴訟に入るが、その間も家賃は保証会社から支払われる。

そしてそれとは別枠で、明渡しのあとの残置物の撤去やクリーニング費用も、家賃の2〜3か月分を目安にカバーされる。

滞納が起きたら催告書兼通知書(内容証明郵便)を送る。保証会社が代行する
通知の内容2週間以内に滞納分を全額返済しなければ契約解除
契約解除のあと半年ほどかけて明渡し訴訟。その間も家賃は保証会社から支払われる
明渡しのあと家賃とは別枠で、残置物の撤去・クリーニング費用を家賃2〜3か月分めやすにカバー
結論保証会社には必ず入る。ここがこのビジネスの肝

保証の範囲は保証会社とプランによって違う。

訴訟費用まで見るのか、残置物の撤去がどこまで含まれるのかは、契約前に必ず確認しておく。

既存入居者に保証会社が付いていない築古アパートは、その戸数分の滞納リスクを自分で負うことになるので、価格に織り込む。

管理会社のリスクは低い
管理会社が家賃を送金してこない、倒産して預り金が返らない、というリスクはゼロではありませんが、実際に起きる確率は限りなく低いです。賃貸住宅管理業法で200戸以上を管理する業者には国への登録と家賃の分別管理が義務づけられているので、登録業者かどうかだけ確認しておけば十分です。

入居者トラブルと突発修繕

  • 孤独死・事故物件化|孤独死対応の特約が付いた家主費用保険で、原状回復費・家賃損失をカバーできる
  • 近隣クレーム|騒音・ペット・駐車。管理会社が一次対応する体制に
  • ゴミ屋敷化・無断転貸|定期巡回で早期に気づく。契約書の解除条項で対応する

築古では、給湯器・エアコン・屋根・給排水は「壊れる前提」で年間予算を積む。

給湯器やエアコンは一般に10〜15年で交換時期を迎え、築古では購入時点で超えている設備が普通にある。

年間家賃収入の5〜10%程度を修繕費として別に取り置くのが目安だ。

リハコのリフォームでは、電気系は最初の見積もりの段階で新品への交換を入れている。

あとから壊れて呼ばれるより、入居前に替えておいたほうが結局は安く済むからだ。

無料相談

保証会社・管理会社の組み方を相談したい方へ

滞納・トラブル・突発修繕への備え方を、実際の運営事例をもとにご案内します。

6. ⑤外部環境リスク|災害・火災保険・金利上昇

自分ではどうにもできないことが起きたら、どうすればいいんでしょうか。

防げないものは「耐える」に切り替えます。保険と現金、この2つが外部環境に対する備えのすべてです。

館林市 空き家 外観 改修前
リハコが再生した空き家(群馬県館林市広内町・改修前)。築古は保険の引受条件を買う前に確認する

外部環境リスクとは、自分の努力では発生確率を変えられないリスクだ。

災害と金利がこれにあたる。

対策は1つ、起きたときに耐えられる財務にしておくことだ。

災害と火災保険|どの保険に入るかを判断する

火災保険は、最悪のリスクをカバーするための保険だ。

家が倒壊する、燃える。

そういう「起きたら終わり」の事態に備えるためのものなので、必ず入っておく。

個人で買われる方には、全国共済(都道府県民共済)の新型火災共済がおすすめだ。

いちばんの理由は、掛け金が安いことだ。

東京海上日動や三井住友海上といった大手の火災保険は、補償の範囲がかなり充実している。

そちらを選んでも構わないが、金額が高くなる

とくに築古の戸建ては保険料が高く設定されていて、補償内容と金額が見合わないこともある

どの保険に入るかは、物件ごとにしっかり判断する。

選択肢特徴向いている人
全国共済(都道府県民共済)掛け金が安い。貸している住宅も加入できる個人で築古を買う人。まずここを検討する
大手損保(東京海上日動・三井住友海上など)補償の範囲が広く手厚い。ただし保険料は高い補償を厚くしたい人。築古は金額が見合うか要確認

加入の前に確認しておく点も挙げておく。

築古の引受制限築年数が古いと、保険会社に引き受けを断られることがある
水災補償保険料を下げるために水災を外すと、浸水したときに一切出ない
経年劣化は対象外「もともと傷んでいた」と判断されると保険金は出ない
免責金額自己負担額の設定次第で、小さな損害では実質的に出ない

金利上昇と、キャッシュフローがマイナスになるリスク

帳簿は黒字なのに、手元の現金が減っていく。

これがいちばん怖い状態だ。

原因は2つある。

金利が上がって返済額が増えることと、減価償却費が終わって課税所得が跳ね上がることだ。

減価償却費は「経費になるが現金は出ない」費用、元金返済は「現金は出るが経費にならない」支出だ。

この2つが逆転すると、税金だけが増えて現金が残らなくなる。

築古の木造は法定耐用年数(22年)を超えていると償却期間が4年になるため、5年目から償却費がゼロになり、そこで現金が一気に減る。

ここに、空き家を新築同様までリフォームすることの、もう1つの大きなメリットがある。

500万〜600万円かけて再生した場合、そのリフォーム費用は一括で経費にはできず、税務上は資産として計上することになる。

工事の規模が大きく新築同様と扱われる場合は、木造の法定耐用年数22年で計算することになる

つまり、資産計上したリフォームの新しい部分を22年で按分でき、毎年その分を減価償却費として計上できる。

建物本体の償却が4年で切れたあとも償却費が残るので、キャッシュフローが赤字になりにくくなる

節税のためだけでなく、収支を長く安定させるという意味でも、リフォームをしっかりやる価値がある。

建物本体(築古の木造)新築同様まで再生したリフォーム費用
扱い法定耐用年数を超えた中古資産資産計上。新築同様として扱われる
償却の年数簡便法で4年新築同様と扱われる規模なら、木造の法定耐用年数22年で按分
現金への効き方4年で終わり、5年目から課税所得が跳ね上がる22年にわたって毎年効き続け、赤字になりにくい

税務の扱いは要確認
資本的支出をどの年数で償却するかは、工事の内容と金額によって判断が変わります。実際の申告では顧問税理士に確認してください。

金利上昇のほうは、買う前に耐性を測れる。

変動金利で借りるなら、金利が2%上がったときの返済額を試算する。

それで回らないなら、借入額が大きすぎるというサインだ。

「5年」は1月1日で数える
売却益にかかる税率は、所有期間5年以下だと高くなります。ただしこの5年は、売った日から数えるのではなく「譲渡した年の1月1日の時点で5年を超えているか」で判定します。実際には取得から5年と数か月〜6年ほど持つ必要がありますので、出口の時期を決めるときは年をまたぐ位置に注意してください。

7. ⑥出口リスク|売れないリスクへの対策

最後は売ればいいと思っていたのですが、売れないこともあるんですか?

あります。ただ、対策ははっきりしています。きれいにリノベーションしておくことです。

館林市 空き家 外観 改修後
リハコが再生した空き家(群馬県館林市広内町・改修後)。きれいに再生しておくことが、そのまま出口の対策になる

出口リスクとは、売りたいときに売れない、または大幅に安くしか売れないリスクだ。

空き家投資の収益は家賃収入と売却損益の合計で決まるので、毎月の家賃が回っていても売却で大きく損をすれば通算では負ける

そして、この章でいちばん大事なのは「売れないリスク」への対策だ。

きれいにリノベーションしておけば、数年後に売るときも少しの修繕で済む。

完成時のきれいな写真も残せるので、投資家向けにも、実需(自分で住みたい人)向けにも売れる可能性が上がる。

1,000万円以内に収めると、出口が一気に増える

売却価格が1,000万円以内であれば、買い手の選択肢がぐっと広がる。

  • 買主が日本政策金融公庫などの融資を使って買えた事例がある
  • そもそも1,000万円以内なら、現金で買ってくれる投資家がいる
  • 実需向けでも、1,000万円以下なら月々の住宅ローン返済が4万〜5万円かそれ以下に収まる|「この返済額で戸建てに住みたい」という層に出口を取れる

価格帯そのものが出口
同じ物件でも、売値が1,000万円を超えるかどうかで買える人の数がまったく変わります。仕入れとリフォームの総額は、出口の価格帯から逆算して決めます。

リノベーションをしないと、出口は取りづらい

当然だが、買う側はきれいな物件を優先する。

だから手を入れていない汚い物件は、出口が取りづらくなる。

適当にDIYをして売るという手法は、昔はできたが、いまは通用しなくなってきている。

解体して更地で出口を取るというやり方もあるが、基本的にはオーナーチェンジとして売ったほうが有利に売れる。

入居者が付いていて家賃が回っている状態は、買う側にとって「買った瞬間から収益が出る」という分かりやすい価値になるからだ。

買うときはオーナーチェンジを避けるのに、売るときはオーナーチェンジで出す。

矛盾しているようだが、自分で再生して自分で入居者を入れた物件なら、中身も入居者も分かっているからだ。

分からないまま買うのが怖いのであって、分かっている状態で渡すぶんには問題ない。

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8. ⑦事業主体リスク|資金繰りと、自分に何かあったとき

正直、失敗して家族に迷惑をかけるのがいちばん怖いです。

そこは私も同じです。だから相続まで考えて、この事業を一人ではなく二人で始めました。

7つ全部を完璧にやるのは無理そうです。どれから潰せばいいですか?

不動産買取について相談する人たち
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事業主体リスクとは、物件ではなく「自分」が原因で事業が止まるリスクだ。

物件に問題がなくても、手元の現金が尽きた瞬間に投げ売りするしかない。

運転資金は「家賃6か月分+突発修繕100万円」

運転資金は、物件の口座とは別に置いて、原則として手を付けない。

空室が続いても、給湯器が2台同時に壊れても、この現金があれば冷静に判断できる。

「築古はやめとけ」と言われる理由の多くは、実はここにある。

物件が悪かったのではなく、余力を持たずに始めたから小さな問題で詰んだのだ。

余力さえあれば、想定外は「予定より少し遅れた」で済む。

運転資金は別口座に
家賃6か月分+修繕100万円。ここに手を付けないと決めた瞬間から、空き家投資はギャンブルではなく事業になります。

いちばん考えておくべきは、自分が亡くなったあとのこと

この章でいちばん伝えたいのは、所有者が亡くなって相続が発生したときのことだ。

私が藤本と一緒にこの事業をやると決めた大きな理由の一つが、自分一人だと、万が一のときに家族に迷惑がかかるという不安でした。

共同経営であれば、片方が生き残っていれば物件を売却できる

そのつながりから不動産業者に仲介や売却を依頼することもできる。

だからこそ、一緒に協力して一つの会社でやっていこう、という話になった経緯がある。

空き家再生はかなりニッチな産業だ。

そこまで考えておかないと、投資家の親族、つまり相続人が後から本当に困ってしまう。

残されたご家族に、この物件をどうすればいいのか分かる人がいないからだ。

だから、奥様に「リハコという会社があるんだよ」と一言だけ伝えておく。

そうすれば、最悪ご自身に何かあった後でも、ご家族からリハコにつないでいただくことで、会社の売却や物件の売却をお手伝いできる。

私たちの物件は、きれいにしっかりリノベーションしてある。

仮にリハコに頼まなくても、地場の不動産屋さんや近くの不動産屋さんに「売却してください」と言えば、十分に協力してもらえる状態にある。

家族に会社名を伝える
難しい引き継ぎの準備は要りません。「この物件で困ったら、この会社に連絡して」と一言伝えておくだけで、ご家族が困る場面はほとんど無くなります。

不動産投資をする、あるいは不動産を買うということは、自宅を買う場合も同じだが、そこまで先のことを見据えて考えておく必要がある。

9. 7つのリスクに優先順位をつける

①仕入れと③客付けだけで9割です。この2つに時間を使って、残りは仕組みで受け止めてください。

千葉県流山市 空き家売却 ご契約写真
リハコを介した不動産のご契約の様子。仕入れと客付けを詰めれば、築古投資は読める事業になる

7つのリスクは、発生確率と影響度で優先順位が決まる。

全部を同じ熱量で追いかけると、どれも中途半端になる。

最優先で潰すのは①仕入れと③客付けだ。

リスク発生しやすさ効いたときの痛さ
①仕入れ高い(調査を省くと必ず何かある)最大。買った時点で結果が決まる
②再生高い(撤去して初めて分かる箇所が出る)中。前金を払わず出来高払いにすれば止められる
③客付け高い(適正家賃を読み違えると埋まらない)最大。収入ゼロのまま返済だけ進む
④運営非常に高い(保有中は必ず起きる)小〜中。保険と修繕積立で受け止められる
⑤外部環境低〜中(読めない)大。ただし保険と現金で耐えられる
⑥出口中(売る時期の相場次第)大。通算の損益がここで確定する
⑦事業主体中(自分の状況次第)大。ただし運転資金を別に置いておけば防げる

①仕入れと③客付けが最優先である理由は、この2つだけが「取り返しがつかない」からだ。

②再生は予算と払い方で、④運営は保険と管理で、⑤外部環境と⑦事業主体は現金でコントロールできる。

しかし買ってはいけない物件を買ってしまったことと、需要が無い場所で募集を始めてしまったことは、あとから直せない。

この2つはどちらも買う前にしか潰せない

買付を入れるまでの数日間に、調査の労力を集中させる。

リハコが投資家の方に提供できること

リハコは、空き家・築古アパートの仕入れからリノベーション、出口までを一気通貫で見ている会社だ。

売主から直接買い取り、自社の業者網で再生して投資家の方にお渡しするまでを社内で行っている。

そのため再生費用まで見積もったうえで、実際に回る利回りをお出しできる

仕入れ売主から直接買い取るため、市場に出る前の物件をご紹介できる
リノベーション自社の業者網で施工。再生費用まで含めた総額でご提示する
利回り表面ではなく、リフォーム費用を織り込んだ実力ベースで出す
エリア関東主軸(埼玉・千葉・群馬・茨城・栃木・神奈川)。現地は社員が見る
出口再生後の売却・賃貸まで見て、出口が取れる物件だけをご紹介する

関東の非公開物件のご紹介と、利回りのシミュレーションは無料だ。

「この物件、実際いくらで回りますか」というご相談だけでも構わない。

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リハコは関東の築古戸建て・築古アパートの非公開物件を、再生費用を織り込んだ「実際に回る利回り」でご紹介しています。

10. なぜ、リスクを取ってまで空き家なのか|森田の考え

ここまでリスクの話ばかりでしたが、それでも空き家をやる理由は何ですか?

リスクと利益の天秤です。空き家は、リスクを仕組みで抑えられるわりにリターンが大きいです。だから私はポートフォリオに入れています。

桐生市川内町リフォーム キッチン 改修後
リハコが再生した築古戸建てのキッチン(群馬県桐生市川内町・改修後)。リスクを仕組みで抑えたうえで、利益を取りにいく

投資の肝は、リスクと利益の天秤をどう取るかに尽きる。

AIによって世界がどんどん効率化されていく中でも、不動産という現物は、まだ利益を取れる歪みが大きい部類だと考えている。

たとえば世界経済が成長し続けることにベットするならオルカン(全世界株式)を買う。

私も買っている。

日本という国が存在し、成長し続けると考えるなら日本国債。

アメリカが成長し続けると考えるなら米国債。

デフォルトしない前提で確実な利回りを狙うなら、米国10年債で3〜4%を取りにいく。

オルカン(全世界株式)世界経済が成長し続けることにベットする
日本国債日本という国が存在し、成長し続けることにベットする
米国10年債デフォルトしない前提で、3〜4%の利回りを取りにいく
金・銀・原油などのコモディティ、個別株短期的な未来は予測できないという大前提があり、かなりリスクを取った投資になる
暗号資産(ビットコイン)入れるべきだが、全体資産の3〜5%程度で十分
空き家(築古戸建て)現物を持ち、リスクは仕組みで抑えて利回り10%以上を狙う

そうしたポートフォリオの1つとして、「現物を所有する」、しかも「かなり古い家を所有する」というリスクを取る。

そのうえで、この記事で挙げた7つのリスクをすべて仕組みで抑え込み、利益を最大化して利回り10%以上を確保する

これが私のやり方だ。

ここまでやると、投資というより事業に近い。

アパートではなく、空き家を選ぶ理由

アパートは、いま大手や業者が現金でどんどん買い取っていて、一般の投資家が買えない状況がある。

買えたとしてもオーナーチェンジ物件が多く、退去後の修繕コストが見積もりづらいリスクを抱えたまま運営することになる。

一方で空き家は、最悪、建物が倒壊したとしても土地が残る。

更地で売る、駐車場として貸す、再建築する。

手が残っているというのは大きな違いだ。

最悪でも土地が残る
建物がゼロになっても土地は残ります。更地で売る・駐車場として貸す・再建築する、という選択肢が残っていることが、空き家投資の下値を支えています。

空き家を3〜4戸持っているだけでも、リフォームローンを使って銀行から借り、他人資本で数百万円単位の投資をしながら10%以上のリターンを得られる。

そのインパクトはかなり大きいので、ポートフォリオの1つとして組み込んで良いと考えている。

あくまで個人の考えです
ここに書いたのは森田個人の考え方であり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。投資の判断はご自身の状況に合わせて行ってください。

11. まとめ|空き家投資は、リスクを潰す順番が決まっている事業

桐生市川内町リフォーム 外観 改修後
リハコが再生した空き家の外観(群馬県桐生市川内町・改修後)。7つのリスクを順番に潰した先に、この状態がある

空き家投資のリスクは、仕入れ・再生・客付け・運営・外部環境・出口・事業主体の7つに分けられる。

ステップごとに分けて考えると漏れがなく、しかも7つのうち6つは、自分の行動で確率を下げられる。

最後に、この記事で挙げた対策を、やる順番に並べ直しておく。

いつやることどのリスクを潰すか
買う前謄本・接道・再建築の可否・私道の持分を調べる。中を見られないオーナーチェンジは避ける①仕入れ
買う前そのエリアの適正家賃を確かめ、実質利回りで判断する①仕入れ・③客付け
工事中前金を払わない。終わった工程ごとの出来高払いにする②再生
工事中電気系は新品に替え、きれいに再生する。出口まで見据えてやり切る③客付け・⑥出口
入居時家賃保証会社に必ず入る④運営
保有中火災保険に入る。運転資金は家賃6か月分+修繕100万円を別に置く⑤外部環境・⑦事業主体
保有中家族に「困ったらこの会社に連絡して」と伝えておく⑦事業主体
売るとき売値1,000万円以内に収め、入居中のオーナーチェンジとして出す⑥出口

この中で取り返しがつかないのは、①仕入れと③客付けだけだ。

ここを買う前に済ませておけば、残りは起きてから手を打てる。

だから勝敗の9割は、買付を入れる前に決まっている。

そのうえで、リスクを仕組みで抑え込んだ先に、利回り10%以上という利益がある。

運任せの投資ではなく、手順の決まった事業。

それが、リハコの考える空き家投資だ。

読み終わって、自分にもできそうな気がしてきました。最初の一歩は何をすればいいですか?

まずは気になる物件を1つ、この記事の順番で調べてみてください。その物件が本当に回るかどうかは、リハコで一緒に数字を出せます。

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