不動産投資の始め方
戸建て1戸から始める初心者の手順
「株やNISAはやっているけれど、不動産は何から手をつければいいのか分からない」
「本業が忙しくても、初心者が失敗しない始め方を知りたい」

(宅地建物取引士)
アパート14棟・戸建て41戸を自ら運用する現役投資家
先に、この記事の結論を3行で書いておく。
- 不動産投資の始め方は「目的と予算を決める→エリアと家賃を調べる→物件を探す→工事費を見積もる→買う→直して貸す→申告する」の順|物件探しから始めない
- 初心者の最初の1戸は、金額が小さく、失敗しても立て直しやすい築古戸建てが向いている|1戸で一連の流れを経験できる
- 買う前に「決まる家賃」と「工事費」を数字にできるかで、結果のほとんどが決まる|ここだけは自分で確かめる
この記事は、株やNISAの経験はあるが、不動産投資は初めてという会社員の方に向けて書いている。
上位の解説記事は、新築や区分マンションを前提に、「勉強する→会社を選ぶ→ローンを組む」という流れで書かれていることが多い。
ここでは、築古の戸建てを1戸買って貸すまでを、実際の順番どおりに書く。リハコが現場で見てきた、初心者がつまずきやすい場面も合わせて書く。

不動産投資をやってみたいんですが、本を読むほど何から始めればいいのか分からなくなってきました。
まず全体の順番をつかむのが先です。順番さえ分かれば、いま自分がどこにいて、次に何を調べればいいかがはっきりします。
この記事を読んで理解できること
- 戸建て1戸を買って貸すまでの7つのステップ
- 初心者の最初の1戸に、区分マンションや一棟アパートより戸建てが向く理由
- 物件を探す前に決めておく、目的・予算・エリア
- 物件の探し方と、内見で工事費を見積もるときの見方
- 買付・契約・決済の流れと、リフォーム・入居者募集の進め方
- 買ったあとの運営と、会社員の確定申告
不動産投資の始め方の全体像|戸建て1戸までの7ステップ
戸建て1戸から始める不動産投資は、次の7つのステップで進む。初心者がつまずくのは、たいてい3と4を飛ばして物件を買ってしまうときだ。
戸建て1戸を買って貸すまでの流れ
- 目的と予算自己資金と借入の上限
- エリアと家賃決まる家賃を調べる
- 物件探し公開・非公開の両方
- 内見と工事費見積もりで価格を決める
- 買付・契約・決済諸費用を含めて支払う
- リフォームと募集管理会社と家賃を決める
- 運営と申告翌年に確定申告
※物件探しは3番目。先に予算と家賃を決めておくと、物件を見る目が定まります。
多くの人は、ポータルサイトで物件を眺めるところから始める。
しかし予算と家賃の相場が決まっていないと、安く見える物件にも高く見える物件にも判断がつかない。
最初にやること:物件を探す前に、「自己資金のうち手元に残す額」と「借入の上限」を紙に書いてください。それだけで、見るべき物件の価格帯が決まります。
7つのステップのうち、いまどこから始めればいいか一緒に整理しませんか
自己資金や、気になっているエリアをお聞かせいただければ、最初の1戸を探す前に決めておくことを整理してお伝えします。相談は無料です。
初心者の最初の1戸に、戸建てをすすめる理由
初心者の最初の1戸に築古戸建てをすすめるのは、金額が小さく、買う・直す・貸すという不動産投資の流れをひととおり経験できるからだ。
上位の記事では、初心者には新築や区分マンションが向くと書かれていることも多い。
確かに管理の手間は少ないが、価格の大半を借入でまかなう形になりやすく、家賃が下がったときに持ち出しになりやすい。
| 種類 | 初心者にとってのよい点 | 気をつける点 |
|---|---|---|
| 新築・築浅の区分マンション | 建物の管理は管理組合が行う。修繕の手間が少ない | 価格に対して家賃が低く、借入が大きくなりやすい。管理費・修繕積立金が毎月かかる |
| 一棟アパート | 部屋数が多く、1室の空室で収入がゼロにならない | 金額が大きく、最初の1件で失敗すると立て直しにくい |
| 築古戸建て | 数百万円から始められる。工事で家賃と価値を上げる余地がある | 工事費の読みと、決まる家賃の見立てが要る |
戸建ては、1戸で空室になると家賃がゼロになる。
その一方で、金額が小さいので借入を抑えて持てる。空室の月があっても、返済が小さければ給与から無理なく補える。
でも、古い家は工事費がいくらかかるか分からないのが怖いです。
そこが戸建て投資の一番の勘所です。工事費は、買う前に見積もってから価格を決めれば怖くありません。ステップ4で詳しく書きます。
空き家・築古戸建ての投資の仕組みと全体像は、空き家投資は仕入れで決まるで1本にまとめている。
探す前に決める3つのこと|目的・予算・エリア
物件を探す前に、「何のために投資するか」「いくらまで使うか」「どこで貸すか」の3つを決める。
ひとつ目は目的だ。毎月の手残りを増やしたいのか、時間をかけて資産を積み上げたいのかで、借入の使い方が変わる。
手残りを重視するなら借入は小さく、資産を増やす速さを重視するなら借入を使う、という分かれ方になる。
ふたつ目は予算だ。自己資金を「物件代金」「諸費用」「予備費」に分け、予備費を先に取り分ける。
みっつ目はエリアだ。自分が住んでいる場所ではなく、その家賃で借りる人がいる場所を選ぶ。
| 決めること | 決め方 | よくある迷い |
|---|---|---|
| 目的 | 毎月の手残りか、資産の積み上げか、どちらを優先するか | 「節税になる」は目的にしない。節税を除いても手残りが出るかで判断する |
| 予算 | 予備費を残したうえで、物件代金・工事費・諸費用に使える額 | 買える上限まで使い切らない |
| エリア | 賃貸の需要があり、自分で状況を確かめられる範囲 | 遠方でも、地元の管理会社に任せられれば始められる |
エリアを決めたら、そのエリアで似た広さの戸建てがいくらで募集されているかを調べる。
ポータルサイトの募集家賃に加えて、地元の管理会社に「この広さならいくらで決まるか」を聞いておくと、家賃の見立てが現実に近づく。
現地に通えない方へ:本業が忙しく現地に通えなくても、管理会社への聞き取りや工事の手配を任せられる相手がいれば始められます。遠方からの始め方は遠方でもできる空き家投資でまとめています。
そのエリアで、戸建てがいくらの家賃で決まるか知りたい方へ
関東で気になっているエリアをお知らせください。リハコが再生・運用してきた経験から、そのエリアで決まる家賃と、合う物件の価格帯の見立てをお出しします。
物件の探し方と、買う前の見極め方
物件はポータルサイトと不動産会社の両方から探し、内見で工事費を見積もってから価格を決める。初心者ほど「価格は最後に決める」を守りたい。
ポータルサイトに出る物件は、多くの人が同時に見ている。
売り出してから時間がたった物件には、理由があることも多い。地元の不動産会社に希望条件を伝え、表に出る前の物件を紹介してもらう道も持っておく。
| 見るところ | 確かめ方 | 見落とすと起きること |
|---|---|---|
| 道路と建築の条件 | 役所で接道・再建築の可否・市街化調整区域かどうかを確認する | 融資が使えない、将来売れない |
| 建物の傷み | 床下と天井裏をのぞき、雨漏り・シロアリ・給排水管の状態を見る | 工事費が想定を大きく超える |
| 工事費 | 工事を知っている人と内見し、直す範囲と概算を出す | 買ってから直す範囲が決まらず、工期も延びる |
| 家賃 | 地元の管理会社に、直したあとの家賃の見立てを聞く | 工事費を回収できない |
| 残置物 | 家財の量を写真で確かめ、撤去費を見込む | 工事に入る前に費用と時間がかかる |
リハコが見てきた投資用リフォームの相場は、最低限で50〜150万円、標準で500〜700万円、フルで700〜1,000万円だ。
同じ価格の物件でも、どの段階の工事が要るかで、かかるお金は大きく変わる。詳しくは空き家リフォームの費用相場と判断基準で書いている。

熊谷市の実例で見る「価格は最後」
リハコが再生した埼玉県熊谷市の戸建ては、次の数字で組んだ物件だ。
CASE熊谷市の戸建て|買う前に出した数字
- 購入額180万円実績値
- リフォーム額600万円実績値
- 家賃6万円月額
家賃6万円で決まるエリアだと先に分かっていたから、600万円の工事をかけても組めると判断できた。物件価格だけを見て買っていたら、工事費の判断はできなかった。
買付から引き渡しまでの手続き
買うと決めたら、「買付証明書の提出→重要事項説明と売買契約→決済と引き渡し」の順に進む。借入を使うなら、審査の手続きをこの間に並行して進める。
| 手続き | やること | 注意点 |
|---|---|---|
| 買付証明書 | 希望価格と条件を書いて売主に伝える | 工事費の見積もりから逆算した価格で出す |
| 重要事項説明 | 宅地建物取引士から、物件と取引条件の説明を受ける | 道路・建築の制限、設備の状態は分かるまで質問する |
| 売買契約 | 契約書に署名し、手付金を払う | 借入を使うなら、審査が通らなかったときに解約できる特約を入れる |
| 決済・引き渡し | 残代金と諸費用を払い、所有権の移転登記をする | 鍵を受け取った日から、固定資産税の精算や保険が始まる |
諸費用は、仲介手数料・登記の費用・税金・火災保険などだ。
国土交通省の「不動産業による空き家対策推進プログラム」によると、800万円以下の物件は仲介手数料の上限が33万円(税込)まで認められる特例がある。安い物件ほど、諸費用が物件価格に占める割合は大きくなる。
契約前に諸費用の明細をもらう:買付を入れる前に、仲介会社へ諸費用の見込みを一覧で依頼してください。決済の日に「思ったより現金が要る」とならずに済みます。
仕入れからリフォームまで任せて、最初の1戸を始めませんか
リハコは関東の築古物件を仕入れ、工事の範囲と概算まで出してからご紹介しています。リフォームは購入後に行い、管理会社のご紹介などで入居募集もサポートします。
リフォームと入居者募集の進め方
引き渡しを受けたら、決めておいた範囲で工事を行い、工事の終わりに合わせて管理会社に入居者募集を頼む。
工事費は金額が大きいので、買ったあとにリフォームローンで払う組み方が多い。
工事の範囲を広げるかどうかは、その工事で家賃が上がるか、入居が決まりやすくなるかで判断する。
その工事で、家賃が上がるか、入居が決まりやすくなる?
入居者募集は、地元の管理会社に頼むのが一般的だ。
募集の家賃は、工事前に聞いておいた見立てをもとに決める。募集の写真と条件を見直すだけで反響が変わることもあるので、家賃を下げる前に管理会社と相談したい。
工事の手配も管理会社探しも、自分でできるか不安です。
リハコでは、仕入れからリフォームまでを請け負っています。入居者募集は、地元の管理会社のご紹介などでサポートしています。
買ったあとの運営と確定申告
入居が決まったら、日々の対応は管理会社に任せ、自分は年に一度の収支の確認と確定申告を行う。
管理会社に任せれば、家賃の集金や入居者からの連絡、退去時の立ち会いは代わりに対応してもらえる。
オーナーがやるのは、修繕するかどうかの判断と、お金の管理だ。
国税庁のタックスアンサー(No.1900)によると、給与を1か所から受けている会社員でも、給与所得と退職所得以外の所得の合計が20万円を超える場合は確定申告が必要だ。
不動産所得は、家賃収入から経費を引いた額で計算する。購入した年は諸費用の一部や工事の内容によって経費の扱いが変わるので、領収書は最初からすべて残しておく。
| 時期 | オーナーがやること |
|---|---|
| 毎月 | 管理会社からの送金明細を確認し、通帳と照らし合わせる |
| 修繕のとき | 見積もりを見て、家賃と入居への影響から直すかどうかを決める |
| 年に一度 | 1年間の家賃と経費をまとめ、翌年の確定申告期間に申告する |
| 年に一度 | 「いま売ったらいくら残るか」を書き出し、持ち続けるかを考える |
なお国税庁のタックスアンサー(No.1373)では、貸家がおおむね5棟以上、またはアパートなどがおおむね10室以上あれば、事業として行われていると扱われる。
戸建て1戸から始める段階では、この規模にはならない。会社の就業規則との関係は、不動産投資は副業にあたる?で詳しく書いている。
税金は専門家にも相談を:経費にできるもの、減価償却の年数、青色申告にするかどうかは、物件と個人の状況で変わります。最初の申告は、税理士や税務署の相談窓口で確認しておくと安心です。
最初の1戸の収支、買う前に一緒に数字にしてみませんか
家賃の見立て・工事費の概算・返済と経費を引いた手残りまで、買う側の前提で試算します。熊谷市の実例の収支計算もお送りできます。
まとめ|始め方の正解は「小さく買って数字を確かめる」
不動産投資の始め方に、特別な近道はない。順番どおりに進め、最初の1戸を小さく買って、家賃と工事費の数字を自分で確かめることが、いちばん失敗の少ない始め方だ。
- 7つのステップで進む目的と予算→エリアと家賃→物件探し→内見と工事費→買付・契約・決済→リフォームと募集→運営と申告。
- 最初の1戸は戸建てから金額が小さく借入を抑えられ、買う・直す・貸すをひととおり経験できる。
- 探す前に3つ決める目的・予算(予備費を先に残す)・エリア(その家賃で借りる人がいる場所)。
- 価格は最後に決める工事費と決まる家賃を出してから価格を決める。熊谷市の実例は購入180万円・リフォーム600万円・家賃月6万円。
- 手続きは諸費用まで見込む800万円以下の物件は仲介手数料の上限33万円の特例がある。契約前に明細をもらう。
- 工事は家賃に効くかで決める安全と雨漏りは必ず直し、それ以外は家賃と入居への効果で判断する。
- 運営は任せ、申告は自分で給与以外の所得が20万円を超えたら確定申告が必要。領収書は最初から残す。
順番が分かって、だいぶ見通しが立ちました。まずは予算とエリアを決めてみます。
それがいちばん大事な一歩です。工事費と家賃の見立てが必要になったら、いつでもご相談ください。
最初の1戸を、工事費と家賃まで数字にしてから始めませんか
リハコは仕入れから再生まで自社で手がけ、関東の非公開の築古物件を、工事費込みの数字でご紹介しています。非公開物件のご紹介・リフォーム概算・収支シミュレーションは無料です。




