コラム COLUMN

「実家はいらない。管理も税金も負担だから、相続放棄してしまいたい」——ご相談の中で、最も多く聞く言葉のひとつです。
負債のほうが明らかに多いのなら、相続放棄は合理的な選択です。
ただ、先に結論をお伝えします。
相続放棄は「空き家だけを捨てる制度」ではなく、預貯金も含めた全財産を放棄する手続きです。そして空き家に土地としての値が付くなら、放棄より売却のほうが手元に残るお金は多くなります。
さらに、放棄すれば家との縁がその日で切れるわけでもありません。
この記事では、放棄後に空き家がどうなるのか、管理義務はどこまで残るのかを条文どおりに整理します。
この記事のポイント
- 相続放棄は全財産が対象。「空き家だけ放棄して預貯金は受け取る」はできない
- 放棄すると相続権は次順位へ移り、全員が放棄すると相続財産清算人の選任が必要。予納金が数十万円かかることもある
- 2023年の民法改正後も、その家を「現に占有」していた人には保存義務が残る
執筆者:空き家再生の現役投資家

自らアパート14棟・戸建て40戸(計134戸)を運用する現役の不動産投資家であり、宅地建物取引士です。
「相続放棄しかない」と思い込んでいた空き家に値段が付いた例を数多く見てきました。
放棄を決める前の判断材料をお伝えします。

この記事の目次
1. 相続放棄とは——「空き家だけ放棄」はできません
まず制度の輪郭を正確につかみましょう。
ここを誤解したまま進めると、取り返しがつきません。
1-1. 期限は「知った時から3ヶ月」・手続き先は家庭裁判所
相続放棄は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内に、被相続人(亡くなった方)の最後の住所地を管轄する家庭裁判所へ「相続放棄の申述」をして行います(民法915条1項)。
よくある誤解が2つあります。
ひとつは「他の相続人に伝えれば済む」というもの。
遺産分割協議で「何もいりません」と決めても、法律上の相続放棄にはなりません。
負債の支払い義務は残ります。
もうひとつは、起算日を「亡くなった日」だと思い込むこと。
正確には「自己のために相続の開始があったことを知った時」です。
先順位の相続人が放棄したことで自分が相続人になった場合は、それを知った時から3ヶ月。
疎遠な親族の負債が突然回ってきた場面では、この違いが命綱になります。
3ヶ月は、思っているより短いです。四十九日を済ませ、遺品を整理して……とやっていると、あっという間に残り1ヶ月になります。迷っている段階でも、早めに動いてください。
1-2. 放棄の対象は「全財産」——いいとこ取りはできない
相続放棄をすると、その人は初めから相続人とならなかったものとみなされます(民法939条)。
つまり、空き家だけを切り離して放棄することはできません。
- 空き家・土地などの不動産
- 預貯金・有価証券・自動車・貴金属
- 借入金・未払いの医療費・滞納税金・保証債務などのマイナス財産
これらがまとめて手放されます。
「実家はいらないけれど、父の預金1,000万円は受け取りたい」は成立しません。
この一点だけで、放棄を選ぶべきでない方がかなりいらっしゃいます。
なお、生命保険金は受取人固有の財産のため、受取人が指定されていれば放棄しても受け取れるのが原則です。
ただし税務上は非課税枠を使えないなど扱いが変わるため、税理士にご確認ください。
1-3. 放棄を検討中に「やってはいけないこと」
相続財産を処分したり使ったりすると、単純承認したものとみなされ、以後は放棄できなくなります(民法921条/法定単純承認)。
放棄を少しでも検討しているなら、遺産には手をつけないのが鉄則です。
これをやると放棄できなくなる可能性があります
故人の預金を引き出して使う/不動産を売却・名義変更する/賃料や配当を受け取る/価値のある家財を売却したり自分のものにする/故人宛の請求を故人の口座から支払う——これらは「相続財産の処分」と評価され、単純承認とみなされるおそれがあります。
一方、社会通念上相当な範囲の葬儀費用の支出や、経済的価値のない品の形見分けは処分にあたらないと判断された裁判例もありますが、線引きは事案ごとです。
迷ったら手をつける前に司法書士・弁護士へ確認してください。
申述書の書式は裁判所の「相続の放棄の申述」ページで公開されています。
費用は収入印紙800円と郵便切手程度で、手続き自体は高額ではありません。
2. 相続放棄したら、空き家はどうなるのか
ここが最も誤解されているところです。
あなたが放棄しても、家が消えてなくなるわけでも、自動的に国のものになるわけでもありません。
2-1. 相続権は「次の順位の人」へ移る
放棄した人は初めから相続人でなかったことになるため、相続権は次の順位へスライドします。
順位は次のとおりです。
- 第1順位:子(すでに亡くなっていれば孫が代襲相続)
- 第2順位:父母などの直系尊属
- 第3順位:兄弟姉妹(亡くなっていれば甥・姪まで)
配偶者は常に相続人になります。
つまり、子が全員放棄すれば、次は故人の父母、そこもいなければ兄弟姉妹、さらに甥・姪へと、いらない空き家の問題が親族の間を巡っていくことになります。
ここで問題になるのが「連絡」です。
裁判所から次順位の方へ自動で通知は行きません。
何も知らされないまま3ヶ月が過ぎ、ある日いきなり債権者から請求が届く——という事態は実際に起きています。
放棄をするなら、次順位になる親族へ自分から一報を。
「放棄したら終わり」と思って黙っていた結果、伯父さんと絶縁状態になってしまったご家族を見たことがあります。手続きより先に、ひと言の連絡です。
2-2. 相続人が全員放棄したら「相続財産清算人」の選任へ
相続人が誰もいなくなった場合、その財産は相続財産法人として扱われ、利害関係人または検察官の請求により、家庭裁判所が相続財産清算人を選任します(民法952条)。
2023年4月1日施行の改正で、従来の「相続財産管理人」から名称・手続が整理されました。
清算人は弁護士や司法書士などが選ばれ、財産を調査・換価し、債権者へ弁済し、最終的に残った財産を国庫に帰属させます。
この時点でようやく、空き家は相続人の手を完全に離れます。
問題は、この手続きが誰かの申立てがなければ始まらないことです。
売れる価値がなく債権者もいなければ、清算人が選任されないまま名義だけが残り続けます。
「放棄したのに空き家がずっとそのまま」は、こうして生まれます。
2-3. 清算人の選任には予納金がかかる
清算人を選任してもらうには、申立て手数料や官報公告費用のほかに、清算人の報酬等にあてる「予納金」を家庭裁判所へ納めるよう求められることがあります。
金額は事案に応じて裁判所が判断し、数十万円から100万円程度になることも珍しくありません。
「放棄すればタダで手放せる」わけではない——かかるお金の目安
相続放棄の申述(1人あたり):収入印紙800円+郵便切手
相続財産清算人の選任にかかる予納金:数十万〜100万円程度(事案により家庭裁判所が判断)
相続土地国庫帰属制度の審査手数料:土地一筆あたり14,000円
同・承認された場合の負担金:原則20万円(市街化区域の宅地・農地、森林は面積に応じて算定)
建物付きの土地を国庫帰属させる場合:先に解体費用(木造戸建てで100万〜200万円台)が必要
「タダで手放したい」つもりで放棄したのに、結局まとまった出費が発生する——この構造を知らずに決めてしまう方が、本当に多いのです。
3. 相続放棄しても残る「管理義務」の、正確なところ
「相続放棄しても管理義務は一生残る」という記述を見かけますが、これは2023年4月1日施行の改正民法で大きく変わりました。
条文どおりに整理します。
民法940条1項(2023年4月1日施行の改正後)
「相続の放棄をした者は、その放棄の時に相続財産に属する財産を現に占有しているときは、相続人又は第952条第1項の相続財産の清算人に対して当該財産を引き渡すまでの間、自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産を保存しなければならない。」
改正前は「その放棄によって相続人となった者が相続財産の管理を始めることができるまで……管理を継続しなければならない」とされ、誰が何をどこまで負うのかが不明確でした。
改正により、義務を負うのは「現に占有している」人に限られ、内容も現状維持(保存)に整理されたのがポイントです。
3-1. 「現に占有している」とは、どういう状態か
条文の要は「放棄の時に、その財産を現に占有していたかどうか」です。
実務的な感覚でいえば、次のように整理できます。
親と同居しており、そのまま実家に住み続けている
負う可能性が高い
実家の鍵を管理し、荷物を置いて出入りしている
負う可能性がある
遠方に住み、実家には何年も行っていない
原則として負わない
そもそも面識がなく、家の場所も知らない親族
負わない
つまり「遠方に住んでいて、実家を占有していない相続人」は、放棄後に空き家の保存義務を負わないのが原則です。
改正の趣旨も、こうした方を義務から解放することにありました。
逆に注意が必要なのは、実家に住んでいる方です。「放棄したから、もう関係ない」と考えて住み続けていると、義務は残ったままになります。ここは必ず専門家に確認してください。
3-2. 義務はいつまで続くのか
条文どおり、次順位の相続人または相続財産清算人に「引き渡すまで」です。
引き渡した時点で義務は終わります。
永遠に続くわけではありません。
ただし、次順位も全員放棄し、誰も清算人選任を申し立てなければ、引き渡す相手が存在しません。
占有していた人は自分で申立てをするか(=予納金の負担)、義務を抱えたまま待つか、という立場に置かれます。
3-3. 「保存義務」の中身は現状維持であって、修繕義務ではない
負うのは「自己の財産におけるのと同一の注意」をもった保存義務です。
自分の持ち物と同じ程度の注意で現状を保てばよく、費用をかけて建物を修繕・改修する義務までは課されていません。
とはいえ、屋根が飛んで通行人に当たった、塀が倒れて隣家を壊した——そうした事故が起きれば、工作物の占有者としての責任(民法717条)が別途問題になり得ます。
「放棄したから何が起きても無関係」とは言い切れないのです。
改正の全体像は法務省の民法・不動産登記法改正の解説ページで公開されています。
4. 放棄すべきか、しないべきか——判断の基準
判断の軸はシンプルです。
「プラスの財産 - マイナスの財産」がプラスか、マイナスか。
それだけです。
4-1. 放棄が合理的なケース
- 借金・連帯保証債務が明らかに資産を上回っている
- 滞納税や未払医療費が多額で、不動産の価値では到底埋まらない
- 債務の全容がつかめず、後から請求が出てくるリスクが高い
- 山林・原野・別荘地など、換価がきわめて難しい土地しかない
この場合、放棄が正解です。
私たちは不動産を扱う立場ですが、負債超過の相続に「無理に売りましょう」とは申し上げません。
迷わず司法書士・弁護士へ相談してください。
4-2. 放棄が「もったいない」ケース
一方、次のようなケースでは、放棄すると本来受け取れたはずのお金まで捨てることになります。
- 借金はないが、家が古く「売れないだろう」と思い込んでいる
- ゴミ屋敷・残置物だらけで、片付け費用が怖くて放棄を考えている
- 建物はボロボロでも、土地に一定の値が付くエリアにある
- 預貯金や生命保険など、プラスの財産も一緒に放棄することになる
特に多いのが「片付け費用や解体費用を払えないから放棄」という判断です。
残置物ごと・現況のまま買い取れる相手を見つければ、その費用自体が発生しません(実家がゴミ屋敷の場合の対処法)。


この家も、ご相談時には「もう放棄するしかないと思っていた」と伺いました。
リノベ前提の買い手にとって、古さそのものは減点になりません。
投資家は購入価格と改修費の合計で採算を見ているからです。
「0円でも引き取ってもらえないと思っていた家に、値段が付いた」——このお言葉を、私たちは何度もいただいています。査定は無料ですから、放棄を決める前に一度確かめてほしいのです。
4-3. 「相続土地国庫帰属制度」は使えるのか
2023年4月27日に始まった相続土地国庫帰属制度は、相続で取得した土地を、一定の要件を満たせば国に引き取ってもらえる制度です。
「これで空き家を手放せる」と期待される方が多いのですが、空き家の解決策としては使いにくいのが実情です。
- 対象は土地のみ。建物が建っている土地は申請できません(=先に解体が必要)
- 担保権や使用収益権が設定された土地、境界が不明・所有権に争いがある土地は却下
- 土壌汚染、崖地、地下埋設物、除去が必要な工作物や樹木がある土地も対象外
- 審査手数料(土地一筆14,000円)に加え、承認後に負担金(原則20万円、市街化区域の宅地・農地や森林は面積に応じて算定)が必要
つまり解体費100万〜200万円台を自腹で払い、さらに負担金を納めて、ようやく引き取ってもらう流れです。
売れる土地なら、この道を選ぶ理由はありません。
詳細は法務省の相続土地国庫帰属制度のページをご確認ください。
4-4. 3つの選択肢を並べて比べる
| 比較項目 | 相続放棄 | 売却する | 相続土地国庫帰属制度 |
| 手放せる範囲 | 全財産(預貯金も含む) | その不動産だけ | 申請した土地だけ |
| 建物があっても使えるか | 使える | 使える(現況のままでも可) | 使えない(要解体) |
| 期限 | 知った時から3ヶ月 | 期限なし(税制優遇には期限あり) | 期限なし |
| 手元に入るお金 | 0円(プラス財産も放棄) | 売却代金が入る | 0円 |
| 出ていくお金 | 印紙代等+清算人予納金(数十万〜100万円程度の場合も) | 仲介手数料・登記費用等 | 解体費+手数料14,000円+負担金20万円〜 |
| 負債も手放せるか | 手放せる | 手放せない | 手放せない |
| 向いている人 | 負債が資産を明らかに上回る人 | 資産が負債を上回る人/土地に値が付く人 | 売れない土地を持ち、更地にする資力がある人 |
判断の軸はこうなります。
負債超過なら放棄。そうでなく土地に値が付くなら売却。
国庫帰属は、その両方が難しい土地のための最後の受け皿です。
5. 放棄せずに売る——具体的な進め方
「売却のほうが得らしい」と分かっても、古い空き家をどう売るかは分かりにくいものです。
順を追って説明します。
5-1. まず「資産と負債の棚卸し」をする
判断はこの作業がすべてです。
3ヶ月の期限内に、次を集めてください。
- 不動産:固定資産税の納税通知書・登記事項証明書・査定書
- 預貯金:通帳・残高証明書
- 負債:借入契約書・請求書・信用情報機関への開示請求(CIC・JICC・KSC)
- 税金:市区町村の滞納状況の確認
このうち「不動産にいくらの値が付くか」だけは、書類を集めても分かりません。
査定を取っても放棄する権利は失われず、依頼しただけでは相続財産の処分にもあたりません(相続後の流れは親が亡くなったときの家の手続きへ)。
5-2. 相続した空き家には「3,000万円特別控除」がある
売却を選ぶ場合、税制上の大きな味方が被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除です。
要件を満たせば、譲渡所得から最大3,000万円を控除できます(相続人が3人以上の場合は1人あたり2,000万円)。
- 昭和56年5月31日以前に建築された家屋であること(区分所有建物を除く)
- 相続開始の直前に被相続人が一人で居住していたこと(要介護認定を受け老人ホーム等に入所していた場合の特例あり)
- 相続時から譲渡時まで、事業・貸付・居住の用に供されていないこと
- 相続開始日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに譲渡すること
- 譲渡対価が1億円以下であること
- 耐震基準に適合させるか取り壊して譲渡すること(2024年1月1日以降の譲渡は、買主が譲渡の年の翌年2月15日までに耐震改修または取壊しを行った場合も対象)
- 適用期限は2027年12月31日までの譲渡
注意したいのは期限です。相続放棄の3ヶ月と違い、こちらは「3年目の年末」。
過ぎると税負担が大きく変わります。
適用可否は個別事情によるため、必ず税務署または税理士にご確認ください。
放棄の期限は3ヶ月、控除の期限は3年。この2つの時計が同時に動いていることを、頭の隅に置いておいてください。
5-3. リハコの「仲介→買取」二段構え
古い空き家は一般の買い手に届きにくい一方、リノベ前提の投資家には需要があります。
リハコはまずその投資家層へ仲介で売り出し、高い価格を狙います。
期間内に買主が見つからなければリハコ自身が買い取ります。
再生できる家は自社の運用物件にもなり得るからです。
この二段構えで「高く売りたい」と「確実に手放したい」を両立できます。
残置物が残ったまま、遠方にお住まいのままでも査定は可能です(古い家を売る方法/訳あり物件の売却)。
私たちは、値が付かない土地に無理な期待を持たせることはしません。売れないなら「売れません」と正直にお伝えして、放棄の相談先をご案内しています。
6. 3ヶ月の期限が迫っている場合の対処
「もう残り1ヶ月しかない」「まだ結論を出せない」——そんな状態でも、打つ手はあります。
6-1. 「期間伸長の申立て」で時間を稼ぐ
財産の調査が終わらず判断できない場合、3ヶ月の期間内に家庭裁判所へ「相続の承認又は放棄の期間の伸長」を申し立てることができます(民法915条1項ただし書)。
認められれば、さらに数ヶ月の猶予が与えられます。
大切なのは、この申立て自体も3ヶ月以内に行う必要があることです。
期限を過ぎてから「調べていました」では通りません。
期限が過ぎてしまった場合でも、諦めないでください
3ヶ月を過ぎた後に予期しない負債が判明したようなケースでは、事情によっては相続放棄が認められる余地があります(相当の理由があると認められた裁判例があります)。
ただし判断は個別事案ごとで、確実ではありません。
債権者からの請求書を受け取ったら、すぐに弁護士・司法書士へ。
時間が経つほど不利になります。
6-2. 並行して「査定」を取っておく
期限が迫っているときこそ判断材料が必要です。
査定は数日で取得でき、放棄する権利にも影響しません。
「この家に値が付くのか、付かないのか」——それが分かるだけで、決断のスピードは変わります。
お急ぎならお電話(0120-228-590)でも承ります(空き家を手放したい方へ/田舎の家が売れないとき)。
「まだ何も決めていない」という段階のご相談が、いちばん多いです。売却を勧めるためではなく、判断材料をお渡しするためにお話をお聞きします。
7. よくある質問
Q. 空き家だけを相続放棄して、預貯金は相続できますか?
できません。
相続放棄は全財産を対象とする手続きで、放棄すると初めから相続人でなかったものとみなされます(民法939条)。
空き家だけを切り離すことはできないため、預貯金や生命保険を含めた全体の損得で判断する必要があります。
Q. 相続放棄したのに、空き家の管理義務は残るのですか?
2023年4月1日施行の改正民法940条により、義務を負うのは放棄の時にその財産を「現に占有」していた人に限られます。
遠方に住んでいて実家を占有していない方は、原則として保存義務を負いません。
一方、実家に住み続けている方は、次順位の相続人または相続財産清算人へ引き渡すまで保存義務が残ります。
Q. 相続人全員が放棄したら、空き家は国のものになりますか?
自動的にはなりません。
利害関係人などの申立てにより家庭裁判所が相続財産清算人を選任し、清算手続きを経て、残った財産が国庫に帰属します。
申立てには予納金として数十万円から100万円程度を求められることもあり、誰も申し立てなければ空き家が宙に浮いたままになるケースもあります。
Q. 相続土地国庫帰属制度を使えば、空き家を国に引き取ってもらえますか?
建物が建っている土地は申請できないため、先に解体が必要です。
さらに審査手数料(土地一筆14,000円)と、承認された場合の負担金(原則20万円、市街化区域の宅地・農地や森林は面積に応じて算定)がかかります。
境界が不明な土地や崖地なども対象外となるため、空き家の解決策としては使いにくいのが実情です。
Q. 放棄を迷っています。査定を取ると放棄できなくなりますか?
査定を依頼するだけであれば、相続財産の処分にはあたらず、相続放棄の権利に影響しません。
ただし実際に売買契約を結んだり名義を変更したりすると単純承認とみなされます。
判断に迷う場合は、契約前に必ず司法書士・弁護士へご確認ください。
まとめ:放棄を決める前に、価値を確かめてください
相続放棄は、負債超過の相続から身を守るための、きわめて有効な制度です。
使うべきときには、迷わず使ってください。
私たちも、そうしたご相談には放棄をおすすめしています。
一方で「古いから」「片付けられないから」という理由だけで放棄を選ぶと、本来受け取れたはずのお金まで手放すことになります。
その差は、査定を1回取れば分かります。
この記事のまとめ
- 負債が資産を上回るなら放棄が正解。3ヶ月以内に家庭裁判所へ申述する
- 土地に値が付くなら売却のほうが手元に残る。3,000万円特別控除も使える可能性がある
- 放棄しても「現に占有」していれば保存義務は残り、清算人の予納金がかかることもある
「絶対に売れない」と思われていた家に値段が付いた例を、私たちは数多く見てきました。
放棄の判断は、その確認を済ませてからでも遅くありません。
あわせて読みたい
NTTデータ・博報堂を経て、不動産再生の世界へ。自らアパート14棟・戸建て40戸(計134戸)を運用する現役投資家・宅地建物取引士として、累計100戸以上の空き家・築古物件を買い取り、再生してきました。日々「手放したい売主様」と「買いたい投資家様」の間に立つからこそ、他社で値段がつかなかった物件にも、根拠ある価格と確かな出口をご提案できます。

リハコが解決します
「0円で処分します」「100万円の処分費用をお支払いいただければ引き取ります」と他社に納得いかない買取査定を受けた方こそ、リハコにご相談ください。
ゴミ屋敷、築50年以上、再建築不可、未登記、隣地越境、市街化調整区域、10年以上空き家、ハクビシン、傾き物件、雨漏り、ツタや草、旗竿地、築古アパート、シロアリ
このような訳ありの空き家でも、 納得のいく価格で売り出すこと ができます。

今すぐお電話ください!
09:00~21:00(土日祝日も可)
0120-228-590- 簡易査定
- 土日祝受付

