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地方の不動産投資は戸建てで考える|埼玉・熊谷の実例で見るメリットとリスク、遠方からの始め方

投資家向け

地方の不動産投資は戸建てで考える
埼玉・熊谷の実例で見る始め方

「都内は高すぎる。地方なら安く買えるけれど、入居者は付くの?」
「遠くの物件を、会社員の自分が持ち続けられる?」

株式会社リハコ 森田尚樹
株式会社リハコ 森田尚樹
(宅地建物取引士)
アパート14棟・戸建て41戸を自ら運用する現役投資家

先に、この記事の結論を3行で書いておく。

  • 「地方」はひとくくりにしない|人口が減り続ける遠い地方と、首都圏から通える関東の地方都市では、賃貸の需要も売りやすさもまったく違う
  • 地方で個人が戦いやすいのは、一棟ものより築古の戸建て|安く買えるぶん、家賃が多少下がっても手残りが残りやすく、借りる側の選択肢も少ない
  • リハコの熊谷市西城の実例は、購入180万円・リフォーム600万円・家賃月6万円|地方投資の成否は、買う前に家賃と工事費を数字にできるかで決まる

この記事は、首都圏に住む会社員で、都内の高い物件ではなく地方の物件に目を向け始めた方に向けて書いている。

地方の不動産投資を扱う記事は多いが、「どこからが地方か」と「遠くから持ち続ける方法」まで書いたものは少ない。ここでは、リハコが再生してきた埼玉の戸建てを例に、その2つを中心に書く。

埼玉県熊谷市西城 戸建て リフォーム後の外観と庭
リハコが再生した埼玉県熊谷市西城の戸建て(リフォーム後の外観)。地方の戸建ては、土地付きで安く買えることが最大の強みになる

地方の物件は安いけれど、人口が減って借り手がいなくなるのが怖いです。

その不安はもっともです。だからこそ「どの地方か」を選ぶのが最初の仕事です。地方といっても、需要の強さは場所によって大きく違います。

この記事を読んで理解できること

  • 地方の不動産投資の「地方」の2つの意味と、選び方
  • 地方で戸建てを選ぶ理由と、一棟アパートとの違い
  • 人口減少・空室・遠隔管理・売却という地方特有のリスクと避け方
  • 埼玉の空き家の統計と、熊谷市の実例の数字
  • 遠方に住む会社員が、地方の戸建てを持ち続けるための仕組み
この記事は「空き家投資の始め方」シリーズの1本です 空き家投資の始め方|全手順を1本にまとめた完全版を読む →

地方の不動産投資とは|「地方」には2種類ある

地方の不動産投資とは、東京都心より物件価格の安いエリアで物件を買い、貸して家賃を得る投資のことだ。

ただし「地方」には、性格のまったく違う2つが混ざっている。ここを分けずに語ると、判断を誤る。

同じ「地方」でも、中身が違う

首都圏から遠い地方価格はさらに安い
  • 人口減少が早く、借り手が細りやすい
  • 売るときの買い手も少ない
関東の地方都市都内より大幅に安い
  • 地元で働く人の賃貸需要がある
  • 首都圏から様子を見に行ける

リハコが仕入れと再生を手がけているのは、埼玉を中心とした関東の地方都市だ。

遠い地方のほうが価格は安いが、安さの理由が「借りる人も買う人も少ないこと」なら、利回りの高さは絵に描いた餅になる。

最初に決めること:「利回りが高い地方」ではなく、「自分が年に数回は行ける範囲で、地元で働く人が住む街」から探してください。範囲を決めてから物件を見ると、迷いが大きく減ります。

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関東の地方都市で、戸建ての家賃がいくらで決まりそうか、どんな人が借りるかを、再生と運用の経験からお伝えします。相談は無料です。

地方で戸建てを選ぶ理由|安く買えて、競合が少ない

地方で個人が投資するなら、一棟アパートより築古の戸建てのほうが戦いやすい。

理由は、買う価格・借りる人の層・売るときの買い手の3つにある。

比べる点地方の一棟アパート地方の築古戸建て
買う価格数千万円単位。融資が前提になりやすい数百万円から。自己資金とリフォームローンで組める
借りる人単身・学生が中心。周りに競合の部屋が多いファミリーが中心。貸し出される戸建ては少ない
空室の影響1室空いても、ほかの部屋の家賃が入る退去すると家賃がゼロになる
売るとき買い手は投資家に限られる投資家に加えて、住む目的の人にも売れる

地方は車社会で、子育て世帯には駐車場付きの広い家が求められる。

ところが賃貸に出ている物件はアパートが中心で、庭や駐車場のある戸建ての賃貸は選択肢が少ない。ここに、築古戸建てを直して貸す余地がある。

弱点は、1戸なので空室になると家賃がゼロになることだ。だから家賃が下がっても手残りが残る価格で買うことが、地方の戸建て投資の前提になる。

地方の不動産投資のリスクと、避け方

地方の不動産投資のリスクは、「人口減少」「空室の長期化」「遠くて管理できない」「売れない」の4つに集約される。

どれも避けられないものではない。ただし、買ったあとに打てる手は少ないので、買う前に潰しておく。

リスク何が起きるか買う前にできること
人口減少借り手が年々減り、家賃を下げないと決まらなくなる市全体ではなく、駅・工業団地・学校・幹線道路に近いかなど、住む人がいる理由を見る
空室の長期化戸建ては1戸なので、空いている間は家賃がゼロになる地元の管理会社に「この広さ・この状態ならいくらで決まるか」を聞いてから買う
遠くて管理できない修繕や入居者対応のたびに現地へ行けず、対応が遅れる工事を任せる相手と、地元の管理会社を先に決めておく
売れない買い手がつかず、持ち出しを止められない再建築できるか、接道は足りるかを役所で確かめ、住む目的の人にも売れる家を選ぶ

上位の記事では「賃貸需要を見極めよう」とよく書かれている。

しかし、遠くに住む会社員が自分で需要を見極めるのは簡単ではない。見極めは地元の管理会社と、工事を知っている人に聞くのが一番早い。

リスクの全体像は、空き家投資で見るべきリスク7分類と対策法で詳しく書いている。

セカンドオピニオン

地方の物件、そのリスクを買う前に確かめませんか

検討中の物件の所在地と図面をお送りいただければ、再建築や接道の注意点、決まりそうな家賃、工事の範囲の見立てをお出しします。

埼玉の戸建て投資を数字で見る

総務省の令和5年住宅・土地統計調査では、埼玉県の空き家率は9.3%で、全国で最も低かった。

全国の空き家は900万2千戸、空き家率は13.8%で、どちらも過去最多・過去最高である。

空き家の数と空き家率(令和5年住宅・土地統計調査)

区分空き家の数空き家率
全国900万2千戸(過去最多)13.8%(過去最高)
埼玉県33万400戸(前回より1万5,800戸減少)9.3%(全国で最も低い)

出典:総務省統計局「令和5年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計(確報集計)」(2024年9月25日公表)、埼玉県「令和5年住宅・土地統計調査結果(埼玉県分)について」(2024年12月13日公表)。いずれも2026年10月6日確認。

空き家率が低いということは、県全体としては住宅が使われている割合が高い、ということだ。

一方で埼玉県の発表では、賃貸用・売却用などを除いた「使う予定のない空き家」は、数も割合も増えている。

つまり、住む人はいるのに、使われないまま放置されている家も増えている。この2つがそろっていることが、空き家を安く仕入れて直し、貸すという投資が成り立つ理由だと考えている。

統計の読み方の注意:県全体の空き家率が低くても、市や町、駅からの距離によって事情は大きく違います。統計は「県として住宅の需要がある」ことの目安にとどめ、物件ごとの家賃は地元の管理会社に必ず確かめてください。

埼玉県本庄市台町 戸建て リフォーム後の外観
リハコが再生した埼玉県本庄市台町の戸建て(リフォーム後の外観)。熊谷市と同じく、埼玉の県北にある物件だ

熊谷市西城の実例|購入180万円・リフォーム600万円・家賃6万円

リハコが再生した熊谷市西城の戸建ては、購入180万円・リフォーム600万円で、家賃は月6万円だった。

熊谷市は埼玉県の北部にあり、熊谷駅にはJR高崎線と上越・北陸新幹線が通っている。

CASE熊谷市西城の戸建て|実績の3つの数字

  • 購入額180万円実績値
  • リフォーム額600万円実績値
  • 家賃6万円月額・実績値

家賃6万円で決まるエリアだと先に分かっていたから、工事に600万円をかけても回収できると判断できた。

年間家賃72万円を、購入額とリフォーム額の合計780万円で割ると、工事費込みの表面利回りは約9.2%になる。

ここから空室・管理・税・保険・修繕の積立と所得税・住民税を引くと、手残りの利回りはもっと下がる。地方の物件ほど図面の利回りが高く見えるので、必ず工事費と税金まで入れて計算することをすすめたい。

熊谷市西城の戸建て|工事前と工事後

工事前購入180万円
  • 内装・水回りに傷みがあった空き家
  • 工事の範囲を決めてから購入
工事後家賃月6万円
  • リフォーム600万円
  • 水回り・内装・外構まで手を入れた
埼玉県熊谷市西城 戸建て リフォーム後の居室
熊谷市西城の戸建て(リフォーム後の居室)。600万円の工事は、投資用リフォームの「標準」の範囲に収まっている

この物件は、リフォームローンを活用して、実際の手出しを約180万円ほどに抑えている。

ただし借入を使うほど、空室が続いたときの返済は重くなる。空室が3ヵ月続いても払える返済額かどうかは、必ず確かめておきたい。借り方は築古戸建て・空き家の融資の記事にまとめている。

収支シミュレーション

熊谷市の実例の収支を、あなたの資金計画に当てはめてみませんか

自己資金の額と年収の目安を教えていただければ、熊谷市の実例を土台に、工事費込み・税引き後の手残りを試算してお送りします。

地方の賃貸需要を、買う前に確かめる方法

地方の賃貸需要は、「決まる家賃」「近くで募集中の戸建ての数」「住む人がいる理由」の3つで確かめる。

ポータルサイトの募集家賃は、実際に決まる家賃とは違う。低いほうで見ておくと安全だ。

需要を確かめる順番

  1. 住む理由勤め先・学校・買い物
  2. 競合の数近くで募集中の戸建て
  3. 決まる家賃地元の管理会社に聞く
  4. 工事費の上限家賃から逆算する

※物件の価格は、この4つを出したあとで決めます。

確かめること見る場所・聞く相手判断の目安
住む人がいる理由地図で勤め先(工業団地・病院・役所)、学校、スーパーまでの距離を見る車で通える範囲に働く場所があるか
競合の数ポータルサイトで、同じ地域で募集中の戸建て賃貸を探す募集中の戸建てが少なく、長く空いた物件が目立たないか
決まる家賃地元の管理会社に、広さ・駐車台数・工事後の状態を伝えて聞く複数社に聞いて、低いほうの家賃で計算する
工事費の上限決まる家賃と、税引き後で目標にする利回りから逆算する工事費込みで目標に届かなければ、価格交渉か見送り

遠くに住んでいると、この確認だけで何度も現地に通うことになる。

地元の工事会社と管理会社につながっている相手と組めば、ここを短くできる。次の章で、その仕組みを書く。

遠方に住んでいても、地方の戸建てを持てる仕組み

遠くに住む会社員が地方の戸建てを持つには、仕入れ・工事・客付けと運営の3つを、それぞれ任せられる相手を先に決めておくことが欠かせない。

リハコが請け負うのは、このうち仕入れからリフォームまでだ。

段階誰が担うか投資家がすること
仕入れリハコが非公開の築古物件を探し、工事費と家賃の見立てを付けてご紹介数字を見て、買うかどうかを決める
リフォーム投資家が買ったあと、投資家の資金(リフォームローンなど)でリハコが工事工事の範囲と金額を確認する。写真で進み具合を見る
客付け・運営地元の管理会社。リハコは管理会社のご紹介などでサポート管理会社と契約し、毎月の報告を確認する

工事中に毎回現地へ行けなくても、進み具合を写真で送ってもらうよう先に決めておけば、離れていても確かめられる。

大事なのは、工事の範囲と金額を、買う前の段階で決めておくことだ。買ってから見積もりを取ると、工事費が読めないまま走ることになる。

本業が忙しくて、平日に現地へ行くのはほぼ無理です。それでも大丈夫ですか?

買う前に一度は物件を見ておくことをおすすめします。工事中は進み具合を写真で確かめる形にすれば、毎回足を運ばなくても進められます。

遠方からの進め方は、遠方でもできる空き家投資で、熊谷市の再生事例の写真とあわせて紹介している。

非公開物件のご紹介

遠方からでも、工事費と家賃が分かった地方の戸建てを検討しませんか

リハコは関東の地方都市で、非公開の築古物件を仕入れ、工事の範囲と金額、決まりそうな家賃まで数字にしてからご紹介しています。

地方の戸建て投資に向く人・向かない人

地方の戸建て投資は、「数百万円単位の自己資金があり、10年単位で持つつもりがあり、任せる相手を選べる人」に向いている。

逆に、短期間で大きく増やしたい人や、すぐに現金に戻したい人には向かない。

向いている人向いていない人
株の値動きが不安で、家賃という動きにくい収入を持ちたい数年で売って大きな値上がり益を狙いたい
自己資金と借入の組み方を、空室が続く場合まで考えられる自己資金ゼロ・全額借入で始めたい
数字を自分で確かめ、任せるところは任せられる工事も管理も、すべて自分でやらないと気が済まない
年に数回は物件の様子を見に行ける一度も現地を見ずに買いたい

地方の戸建ては、株のようにすぐには売れない。そのかわり、家賃は株価ほど毎日は動かない。

資産の一部を値動きの違うものに分けて持つという考え方は、投資は「分散」がすべてで詳しく書いている。

家族への相談も忘れずに:借入を伴う投資は、家計全体に関わります。買う前に、空室が半年続いた場合や大きな修繕が出た場合の家計への影響を、家族と共有しておいてください。

まとめ|地方投資は「どの地方か」と「誰と組むか」で決まる

地方の不動産投資は、安く買えるぶん利回りが高く見える。

しかし成否を分けるのは、需要のある地方を選べるかと、遠くからでも回る体制を買う前に作れるかの2つだ。

  1. 「地方」は2種類に分ける首都圏から遠い地方と、関東の地方都市では、賃貸の需要も売りやすさも違う。
  2. 地方は戸建てが戦いやすい数百万円から買え、貸し出される戸建ては少ない。住む目的の人にも売れる。
  3. リスクは4つ、買う前に潰す人口減少・空室の長期化・遠隔管理・売れないこと。どれも買ったあとでは打てる手が少ない。
  4. 埼玉の空き家率は全国で最も低い9.3%一方で使う予定のない空き家は増えている。安く仕入れて直して貸す余地がある。
  5. 熊谷市西城の実例購入180万円・リフォーム600万円・家賃月6万円。工事費込みの表面利回りは約9.2%。
  6. 需要は3つで確かめる住む理由・競合の数・決まる家賃。家賃は地元の管理会社に聞き、低いほうで計算する。
  7. 任せる相手を先に決める仕入れからリフォームまでと、客付け・運営を担う管理会社。工事の範囲と金額は買う前に決める。

地方ならどこでもいい、というわけではないんですね。まずは行ける範囲で探してみます。

それが一番の近道です。関東の地方都市なら、工事費と家賃を数字にした物件をご紹介できます。

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