ボロ戸建て投資はやめとけ?
失敗の形と、やめた方がいい人
「ボロ戸建ては高利回りと聞くけれど、『やめとけ』という声も多い」
「自分が手を出していい投資なのか、買う前に判断したい」

(宅地建物取引士)
アパート14棟・戸建て41戸を自ら運用する現役投資家
先に、この記事の結論を3行で書いておく。
- 「やめとけ」と言われるのは、工事費の超過・決まらない家賃・売れない物件という失敗の形がはっきりしているから|ボロ戸建てそのものが悪いわけではない
- やめた方がいいのは、工事費の上限を決めずに買う人、予備のお金を持てない人、DIY前提で時間のない人|当てはまるなら、今は買わない方がいい
- 失敗の大半は買う前に決まる|工事費と決まる家賃を先に数字にし、総額が家賃に見合うときだけ買う
この記事は、ボロ戸建て投資に興味はあるが、失敗談を読んで尻込みしている会社員の方に向けて書いている。
上位の記事はリスクを並べるところで終わることが多い。この記事では、どんな人なら「やめた方がいい」のかを、条件の形で書く。
当てはまるかどうかを、自分で判断できるようにするためだ。

ネットで「ボロ戸建て投資はやめとけ」とよく見ます。やっぱり素人が手を出すと失敗するんでしょうか。
失敗する形はほぼ決まっています。その形に自分が当てはまるかを先に確かめれば、「やめるべきか」は判断できます。
この記事を読んで理解できること
- 「ボロ戸建て投資はやめとけ」と言われる本当の理由
- 工事費・家賃・売却で起きる、よくある失敗の形
- DIYと自主管理が失敗につながりやすい理由
- 契約不適合責任の免責、再建築不可、減価償却など法律と税金の落とし穴
- やめた方がいい人の条件と、向いている人の条件
- 熊谷市の実例で見る、失敗しなかった理由
「ボロ戸建て投資はやめとけ」と言われる理由
「やめとけ」と言われる理由は、安く買えても、そのあとの工事費・客付け・売却でお金と時間が想定以上にかかる人が多いからだ。
ボロ戸建ては、物件価格だけを見ると数十万〜数百万円と安い。表面利回りも高く見える。
しかし、その数字には工事費も、入居が決まるまでの空室も、経費も税金も入っていない。
見えている数字と、実際にかかるお金
- 表面利回りは高く見える
- 工事費・空室・税金は入っていない
- 物件価格+工事費+諸費用
- 経費と税金を引いた手残り
「やめとけ」と書く人の多くは、物件価格の安さを入口に、総額を出さずに買ってしまった形を見ている。
逆に言えば、総額を先に出してから買う人にとっては、「やめとけ」の理由の多くは当てはまらない。
検討中のボロ戸建て、「やめとけ」の形に当てはまっていませんか
販売図面と写真をお送りいただければ、工事費の見込みとそのエリアで決まる家賃から、総額が見合う物件かを買う側の目線で確認します。
ボロ戸建て投資のよくある失敗の形
ボロ戸建て投資の失敗は、「工事費」「家賃」「売却」の3つのどこかで起きる。形はおおむね次の6つだ。
| 失敗の形 | 何が起きるか | 買う前に防げたか |
|---|---|---|
| 工事費が物件価格を大きく超える | 床を開けたらシロアリ、天井を開けたら雨漏り。予定の何倍もかかる | 床下・天井裏を見て、見つかった場合の費用まで入れて指値する |
| 工事が終わらず家賃が入らない | 業者が見つからない、DIYが進まない。その間もローンと税金は出ていく | 工事の依頼先と工期を、買う前に決めておく |
| 直しても入居が決まらない | 需要の薄い場所で、家賃を下げても決まらない | 地元の管理会社に「この家賃で決まるか」を聞いてから買う |
| 家賃を高く見積もりすぎる | 募集中の家賃を成約家賃と思い込み、収支が合わない | 決まる家賃の低い方で計算する |
| 建て替えも売却もできない | 再建築不可などで、買い手も融資もつかない | 役所で道路と建築の条件を確認する |
| 解体費が土地代を上回る | 建物を壊して土地で売ろうとしても、解体費で赤字になる | 「土地として売ったらいくら残るか」も出しておく |
6つのうち、買ったあとの努力で挽回しにくいのは「場所」と「道路」だ。
工事費の読み違いはお金で埋められるが、需要のない場所と、建て替えできない敷地は変えられない。

不動産投資全体の失敗例は、不動産投資の失敗例と失敗率にまとめている。
DIYと自主管理で失敗しやすい理由
ボロ戸建ての失敗談には、「DIYで安く直す」「管理も自分でやる」前提で始めた人が多い。会社員の場合、時間が足りなくなるからだ。
DIYは材料費だけで済むように見える。しかし平日は仕事があり、作業できるのは週末だけになる。
工事が1ヵ月延びれば、その月の家賃は入らない。浮かせた工事費より、失った家賃の方が大きくなることは珍しくない。
| 前提 | 見落としやすい点 | 代わりの考え方 |
|---|---|---|
| DIYで直す | 工期が延びる。仕上がりで家賃が下がる。水回りや電気は資格や専門の技術が要る | 家賃に効く箇所は業者に頼み、工期を短くする |
| 自分で入居者を探す | 募集の窓口が少なく、決まるまでが長くなる | 地元で客付けに強い管理会社に頼む |
| 自分で管理する | 夜間の設備故障や近隣の苦情に、本業中は対応できない | 管理会社に任せ、管理手数料を経費に入れて計算する |
DIYや自主管理が悪いわけではない。時間を出せる人の方法であって、本業が忙しい人の方法ではない、というだけだ。
DIYの費用を比べるときは:材料費だけでなく、作業にかかる月数ぶんの家賃も「費用」として足してください。業者に頼んだ場合と、総額で比べるのが正しい比べ方です。
DIYせずに工事を任せたら、総額はいくらになるか知りたい方へ
物件の写真をお送りいただければ、家賃に効く箇所に絞った工事の範囲と概算をお出しします。工期の目安もあわせてお伝えします。
法律と税金で見落としやすい落とし穴
ボロ戸建てで見落としやすいのは、「売主の責任が免除されている」「建て替えができない」「減価償却の計算が思ったようにならない」の3つだ。
| 落とし穴 | 内容 | 確かめること |
|---|---|---|
| 契約不適合責任の免責 | 個人が売主の中古住宅では、引き渡し後に見つかった不具合の責任を売主が負わない特約が付くことがある。宅建業者が売主の場合は、責任の期間を引き渡しから2年以上とする特約を除き、民法より買主に不利な特約はできない(宅地建物取引業法40条) | 売主が誰か、責任の範囲と期間を契約書で確認する |
| 再建築不可 | 建築基準法43条により、敷地は道路に2m以上接していないと建物を建てられない。満たさない敷地は建て替えができない | 前面道路の種類と幅、接している長さを役所で確認する |
| 減価償却の簡便法が使えない場合 | 中古資産は簡便法で耐用年数を短くできるが、事業に使うための改良費(資本的支出)が取得価額の50%を超えると、簡便法は使えない(国税庁 No.5404) | 大きな工事をする場合の償却の扱いを、税理士に確認する |
| 旧耐震の建物 | 1981年6月1日より前の基準で建てられた建物は、耐震の工事が必要になることがある | 建築確認の日付を確認する |
とくに減価償却は、ボロ戸建てならではの注意点だ。物件価格が安く、工事費が大きくなりやすいからである。
木造の住宅用建物の法定耐用年数は22年。すべて過ぎた中古なら、簡便法では22年×20%で4年になる。
ただし工事費の大きさによって扱いが変わる。節税を当てにして買うのではなく、節税なしでも手残りが出るかで判断するのが安全だ。
ボロ戸建て投資をやめた方がいい人の条件
次のどれかに当てはまるなら、今はボロ戸建てを買わない方がいい。どれも、失敗の形にそのままつながる条件だ。
| こんな人は | 判断 | 理由 |
|---|---|---|
| 工事費の上限を決めずに買おうとしている | やめた方がいい | 開けてから見つかる傷みに歯止めがかからない |
| 工事費の1〜2割の予備を持てない | やめた方がいい | 想定外の工事が出たとき、途中で止まる |
| 空室が数ヵ月続くと、給与から返済できない | やめた方がいい | 入居が決まるまでの期間を持ちこたえられない |
| DIY前提だが、週末も時間がない | やめた方がいい | 工期が延び、家賃が入らない月が続く |
| 物件価格の安さと表面利回りだけで選んでいる | 見直しが必要 | 安い理由(道路・場所・傷み)を確かめていない |
| すぐに大きな収入を得たい | 見直しが必要 | 家賃で時間をかけて回収する投資なので、合わない |
当てはまったからといって、ずっとできないわけではない。予備のお金を貯める、工事を任せる相手を見つけるなど、条件を変えれば外れるものが多い。
DIY前提のところ、まさに自分です……。平日は帰りが遅いので、週末だけで直せるか不安でした。
その場合は、工事を任せる前提で総額を組み直せば大丈夫です。自分の時間をどこに使うかを決めるのも、投資判断のうちです。
「やめた方がいい条件」に当てはまったか、一緒に確かめませんか
自己資金・年収・使える時間をお聞きしたうえで、無理のない予算と、任せる範囲を整理します。当てはまる条件をどう外すかまでご提案します。
それでも向いている人の条件
反対に、次の条件がそろう人には、ボロ戸建て投資は少ない資金で始められる現実的な選択肢になる。
- 買う前に、工事費と決まる家賃を数字にできる(自分で、または任せる相手と)
- 工事費の予備と、空室数ヵ月分の返済を払えるお金を別に持っている
- 家賃で時間をかけて回収することに納得している
- 工事・客付け・管理を任せる相手がいる
- 株やNISAとは別の、値動きの性質が違う資産を持ちたい
どれも特別な才能ではない。数字を出すこと、予備を持つこと、任せる相手を選ぶことの3つに尽きる。
分散の考え方は、投資は「分散」がすべてで書いている。
失敗の大半は買う前に決まる|熊谷市の実例
リハコが再生した埼玉県熊谷市の戸建ては、買う前に家賃と工事費を数字にしたから、大きな工事をしても収支が成り立った。
CASE熊谷市の戸建て|買う前に決めた数字
- 購入額180万円実績値
- リフォーム額600万円実績値
- 家賃6万円月額
- 総額780万円購入+リフォーム
家賃6万円で決まるエリアだと先に分かっていたから、工事に600万円をかけても回収できると判断できた。
年間家賃72万円を総額780万円で割った表面利回りは約9.2%。ここから経費と税金を引いた手残りで、株の年4%と比べて判断する。
物件価格の3倍以上の工事費がかかっている。物件価格だけを見ていたら、「やめとけ」の典型に見えるかもしれない。
しかし判断の基準は工事費の大きさではなく、総額が決まる家賃に見合うかどうかだ。家賃を読み違えていれば、同じ工事が失敗の原因になっていた。
工事費の相場は、最低限で50〜150万円、標準で500〜700万円、フルで700〜1,000万円ほど。考え方は空き家リフォームの費用相場で詳しく書いた。
工事費と家賃を先に数字にした物件から選びたい方へ
リハコは、仕入れの段階で工事の範囲と金額、決まる家賃まで出してから物件をご紹介しています。熊谷市の実例の収支計算もお送りできます。
「やめとけ」にならない買い方
失敗の形を避けるには、「家賃→工事費の上限→総額→価格」の順に、価格を最後に決める。
失敗を避ける判断の順番
- 決まる家賃地元の管理会社に聞く
- 工事費の上限家賃から逆算する
- 道路と場所直せない条件を先に確認
- 価格総額が家賃に見合う額で
※売り出し価格の安さから考え始めないことが大切です。
工事の範囲と金額は、工事の分かる人と内見して出す。自分だけで床下や天井裏を判断する必要はない。
リハコでは仕入れからリフォームまでをお引き受けしている。ご購入後、投資家さまの資金(リフォームローンなど)でリハコがリフォームを行い、入居者募集と管理は管理会社のご紹介などでサポートする形だ。
リスクの全体像は空き家再生の教科書|リスク7分類、全体の流れは空き家投資は仕入れで決まるにまとめている。
まとめ|やめるべきは「数字を出さずに買うこと」
「ボロ戸建て投資はやめとけ」という言葉は、ボロ戸建てそのものではなく、総額を出さずに安さで買う買い方に向けられたものだ。
- 「やめとけ」の理由は総額の見落とし物件価格が安くても、工事費・空室・経費・税金を入れると話が変わる。
- 失敗の形は6つ工事費の超過、工期の遅れ、決まらない入居、家賃の見込み違い、再建築不可、解体費の赤字。
- DIYと自主管理は時間のある人の方法浮かせた工事費より、失った家賃が大きくなることがある。
- 法律と税金の落とし穴を確かめる契約不適合責任の免責、接道義務、簡便法の50%の条件、旧耐震。
- やめた方がいい人の条件がある工事費の上限なし、予備なし、空室に耐えられない、DIY前提で時間がない。
- 判断の基準は総額と決まる家賃熊谷市の実例は購入180万円・リフォーム600万円・家賃月6万円。
- 価格は最後に決める家賃→工事費の上限→道路と場所→価格の順で判断する。
「やめとけ」の中身が分かって、自分が気をつける点がはっきりしました。
それが一番大事です。最初の1件は、工事費と家賃を一緒に数字にするところから始めましょう。
「やめとけ」の形を避けて、数字で選べるボロ戸建て投資を始めませんか
リハコは空き家・築古物件を累計200戸以上再生してきました。関東の非公開の築古物件を、工事費込みの数字でご紹介しています。非公開物件のご紹介・リフォーム概算・収支シミュレーションは無料です。




