「実家を解体するけれど、ご近所から苦情が来ないか心配」
「隣の家にひびが入ったと言われたら、払うのは自分なの?」
先に答えをお伝えします。
解体工事のトラブルの多くは、工事の前の段取りで防げます。
着工の1週間〜10日前に、両隣・向かい・裏の家を中心に、解体業者と一緒にあいさつに回ってください。
工事の期間と時間、連絡先を書いた紙を渡します。
あわせて、隣の家の外壁や塀の今の状態を、工事の前に写真で残しておくことが大切です。
近所への対応の段取り
- 着工の1週間〜10日前業者と一緒にあいさつ回り。お知らせの紙を渡す
- 工事の前隣の家の外壁・塀・基礎を写真で残す
- 工事のあとお礼のあいさつ
工事で隣の家に損害が出たときは、原則として工事をした業者が責任を負います。
ただし、無理な工期や値引きを施主が指示していた場合などは、施主も責任を問われることがあります。
この記事では、あいさつの範囲と時期、よくあるトラブルと法律の決まりをお話しします。
万一のときの責任と、遠方で立ち会えない場合の任せ方も説明します。
父の家ですが、私は遠くに住んでいて、ご近所の方の顔もよく知らないんです。
業者と一緒に一度だけでも回るのがいちばんです。どうしても難しいときの任せ方も、あとでお話しします。
この記事でわかること
- あいさつの時期・範囲・持っていくもの
- 解体工事で起きやすい近隣トラブル
- 騒音・振動の法律の決まり(85デシベルなど)
- 工事の前にしておく家屋調査と写真
- 隣の家を傷つけたときの責任はだれにあるか
- 遠方で立ち会えないときの任せ方
あいさつは「いつ・どこまで・何を」
| 項目 | 目安 |
| 時期 | 着工の1週間〜10日前。工事が終わったあとにも、お礼のあいさつをする |
| 範囲 | 両隣、向かいの3軒、裏の家が基本。トラックが通る道沿いや、道が狭く行き止まりなら、その先の家も |
| だれが | 施主と解体業者が一緒に回るのが理想。業者だけで回るなら、施主の手紙を添える |
| 持っていくもの | 工事のお知らせの紙と、タオルや洗剤など数百円〜2,000円ほどの品 |
| 時間帯 | 食事どきや早朝・夜を避ける。留守なら日を変えて回り、最後は手紙を郵便受けへ |
お知らせの紙に書くこと
工事のお知らせに入れる項目
- 工事の場所と、施主の名前
- 工事の期間(予備日を含めて)と、作業の時間(例:平日8時〜18時)
- 休みの日(日曜・祝日など)
- 重機を使う日、特に音が大きくなりそうな時期
- トラックの出入りと、前の道を使う時間
- 解体業者の会社名、現場の責任者、連絡先の電話番号
- 施主の連絡先(遠方でも、つながる番号を)
品物の金額より、「いつ、どれくらいの音がして、困ったときはだれに言えばいいか」がわかることのほうが、ずっと大切です。
知恵袋にも、あいさつで高いお米を渡したのに、想像以上の音と揺れで気まずくなった、という相談があります。
あいさつを嫌がる家があっても
仲の悪い隣人がいて、あいさつに行きたくないという方もいます。
それでも、あいさつをしないと、苦情が来たときに「何も聞いていない」と話がこじれやすくなります。
顔を合わせにくいなら、業者から紙を渡してもらう、郵便受けに入れるなど、知らせたという事実だけは残してください。
近所へのあいさつや養生まで見積りに入っているかをそろえて、許可を持つ業者の見積りをお届けします。
解体の見積りを依頼するお電話 044-712-4771LINEで写真を送る
許可を持つ解体業者の見積りを、リハコがまとめてお届けします。2営業日以内にご連絡します。
解体工事で起きやすい近隣トラブル
解体工事で近所から出やすい苦情は、次のようなものです。どれも、業者の段取りと、前もってのお知らせでかなり減らせます。
| トラブル | 防ぐ方法 |
| 騒音・振動 | 作業時間と重機を使う日を知らせる。手で壊す部分を増やす、低騒音型の重機を使う |
| ほこり(粉じん) | 防音・防じんシートで囲い、水をまきながら壊す。洗濯物や車への注意を事前に伝える |
| トラック・重機の出入り | 前の道をふさぐ時間を知らせる。誘導員を置く。道路に土や泥を残さない |
| 隣の家の外壁・塀・車の傷 | 工事の前に写真を撮る。養生をしっかりする。万一のときの連絡先を決める |
| 境界の塀やフェンス | 境界の位置と、塀がだれのものかを確かめる。壊すなら隣の了解をもらう |
| ねずみ・虫の移動 | 古い空き家は、壊す前に駆除を業者と相談する |
重機を通すために、隣の土地を使いたいとき
狭い敷地では、重機やトラックを置くために隣の土地を少し使わせてほしい、ということがあります。
2023年4月の民法改正で、工作物の取り壊しなどのために必要な範囲で隣の土地を使えることが明確になりました。
使う目的・日時・場所・方法は、前もって隣の所有者に知らせることが決められています(民法第209条)。
ただ、これは「言えば使っていい」という意味ではありません。
知恵袋には、仲の悪い隣人に庭へ重機を通させてほしいと頼まれ、断ったら脅すような態度をとられた、という相談もあります。
使わせてもらうなら、業者と一緒にていねいに説明し、了解をもらうのが基本です。

騒音・振動の法律の決まり
解体工事の騒音や振動には、法律の決まりがあります。
騒音規制法と振動規制法では、決められた地域の中で、大きな音や振動を出す一定の機械を使う作業を「特定建設作業」としています。
次のような基準があります(環境省のパンフレットなど)。
| 項目 | 決まり(第1号区域の場合) |
| 騒音の大きさ | 敷地の境界で85デシベルを超えない |
| 振動の大きさ | 敷地の境界で75デシベルを超えない |
| 作業できない時間 | 午後7時〜翌朝7時 |
| 1日の作業時間 | 10時間まで |
| 続けて作業できる日数 | 6日まで |
| 休みの日 | 日曜日・その他の休日は作業しない |
| 届出 | 作業を始める7日前までに、市町村長に届け出る(施工する業者が行う) |
ただし、どの解体工事でもこの対象になるわけではありません。
たとえばバックホウ(油圧ショベル)は、原動機の出力が80キロワット以上のものが対象です。
住宅の解体で使う小型の重機は対象にならないこともあります。
また、自治体が条例で別の決まりを設けていることもあるので、工事の時間は業者に確かめ、お知らせの紙にも書いてください。
決まりを守っていても苦情は来る
法律の基準を守っていても、解体の音や揺れは大きく感じられます。「決まりの範囲だから」で済ませず、音の大きい日を前もって知らせる、苦情にはすぐ現場で対応する、という姿勢がいちばんのトラブル防止です。
遠方で立ち会えない方も、写真と電話だけで解体の見積りをご相談いただけます。
遠方から相談するお電話 044-712-4771LINEで写真を送る
許可を持つ解体業者の見積りを、リハコがまとめてお届けします。2営業日以内にご連絡します。
隣の家を傷つけたら、だれが払う?
工事で隣の家の壁にひびが入ったら、施主の私が弁償するんでしょうか。
原則は、工事をした業者の責任です。ただ、揉めないためには工事の前の準備がいちばん大切です。
民法第716条は、注文者(施主)は、請負人(業者)が仕事のうえで第三者に与えた損害を賠償する責任を負わないと定めています。
ただし、注文や指図に施主の過失があったときは別です。
たとえば、無理に工期を縮めさせた、養生を省いて安くするよう指示した、といった場合は、施主も責任を問われることがあります。
隣の家を傷つけたときの責任
- 施主は、業者が仕事のうえで与えた損害の賠償責任を負わない(民法第716条)
- 無理に工期を縮めさせた
- 養生を省いて安くするよう指示した
工事の前にしておくこと
揉めないための準備
- 隣の家の外壁・塀・基礎を、工事の前に写真で残す(業者に家屋調査を頼めるか聞く)
- 業者が、工事で他人に損害を与えたときの賠償責任保険に入っているか確かめる
- 契約書に、近所への対応と、損害が出たときの連絡・対応の流れを書く
- 工事の前後で、隣の方と一緒に状態を見られるとなお良い
古い家が並ぶ地域では、もともと隣の家の壁にひびがあることも珍しくありません。
工事の前の写真がないと、そのひびが工事でできたのか、前からあったのかがわからず、話し合いがこじれます。
数枚の写真が、あとで大きな助けになります。
苦情や損害の申し出があったら
まず業者に連絡し、現場の責任者に状態を見てもらってください。
施主が一人で「払います」と約束してしまうと、話がややこしくなります。
業者の保険で対応できることも多いので、業者・隣の方・施主の三者で、写真を見ながら話すのが基本です。
苦情や損害の申し出があったら
- 業者に連絡施主が一人で「払います」と約束しない
- 状態を見てもらう現場の責任者が確かめる
- 三者で話す業者・隣の方・施主で、工事前の写真を見ながら
遠方で立ち会えないときの任せ方
相続した実家が遠方にあり、工事のたびに行けない、という方は多いと思います。
その場合は、次のように業者に任せる範囲を決めておきます。
- あいさつ回りは業者に頼み、施主の手紙を添える:「遠方のため直接うかがえず申し訳ありません」と、施主の連絡先を書いた手紙を一緒に配ってもらう
- 工事前・工事中・工事後の写真を送ってもらう:隣の家との境目や道路の様子も含めて
- 苦情の窓口を業者に一本化する:お知らせの紙には業者の現場責任者の電話を大きく書く
- 完了後のお礼も業者に頼む:可能なら、施主からもお礼の手紙を送る
できれば、着工前のあいさつの日だけでも立ち会えると、近所の方の受け止め方が大きく変わります。
解体しない選択肢もある
近所との関係や、遠方で工事を見守れないことが負担なら、解体せずにそのまま売ることも考えてください。
リハコは、古い家を買い取って直し、その街で家を探している人に貸しています。
解体の工事そのものがなくなれば、近所への気づかいも、立ち会いの手間もかかりません。
解体すると決めたら、まず見積りで、あいさつ回り・養生・賠償保険がどこまで入っているかを確かめてください。
遠方の方も、写真と電話だけで見積りの相談ができます。
リハコは工事をしません
リハコは解体工事をしません。工事は、解体工事業の登録または建設業許可(解体工事業)を持つ業者が行います。リハコは不動産会社として、見積りの取りまとめと、解体せずに売る場合の買取の窓口を担当します。
あいさつ回り・養生・賠償保険まで見積りに入っているかをそろえて、
許可を持つ業者の見積りをお届けします。
お電話 044-712-4771LINEで写真を送る
許可を持つ解体業者の見積りを、リハコがまとめてお届けします。2営業日以内にご連絡します。
よくある質問
解体工事のあいさつはいつ行けばいいですか?
着工の1週間〜10日前が目安です。
工事が終わったあとにも、お礼のあいさつをすると、その後の関係が良くなります。
あいさつはどの範囲の家まで回ればいいですか?
両隣、向かいの3軒、裏の家が基本です。
トラックが通る道沿いや、行き止まりの道なら、その先の家にも知らせておくと安心です。
手土産は何を持っていけばいいですか?
タオルや洗剤など、数百円〜2,000円ほどの品が一般的です。
品物よりも、工事の期間・時間・連絡先を書いたお知らせの紙を渡すことが大切です。
解体工事で隣の家を傷つけたら、施主が弁償しますか?
原則として、工事をした業者が責任を負います(民法第716条)。
ただし、注文や指図に施主の過失があった場合は、施主も責任を問われることがあります。
解体工事は何時から何時までできますか?
騒音規制法などの特定建設作業に当たる場合、第1号区域では午後7時〜翌朝7時は作業できず、1日10時間までです。
実際の作業時間は業者と決め、お知らせの紙に書いてください。
