「不動産会社に、更地にしたほうが売れますよと言われた」
「でも解体に100万円以上かかる。先に払って、売れなかったらどうしよう」
先に答えをお伝えします。
家を売るとき、更地にするか古家付きのままにするかは、「売値」ではなく「手元に残る額」で比べてください。
更地にすると高く売れやすい一方で、解体費用を先に払い、売れるまでの間は土地の固定資産税も上がります。
多くの場合は、まず古家付きのまま売り出し、必要なら「買主が決まってから解体する」順番にすると、失敗が少なくなります。
リハコの実例では、埼玉県本庄市の家は解体前提で売り出して3か月売れず、解体せずにそのまま売れました。
千葉県流山市の家は、解体の見積りが700万〜800万円でしたが、解体せずに売り出して2日で買主が決まりました。
この記事では、この2つの実例を手取りで計算します。
更地にしたほうがいい家・してはいけない家の見分け方と、売れてから解体する進め方もお話しします。
解体したほうが高く売れるなら、解体したほうが得なんじゃないですか。
高く売れても、解体費と待つ間の税金を引くと、手元に残る額が逆転することがあります。計算してみましょう。
この記事でわかること
- 更地で売る・古家付きで売るの、それぞれの良い点と注意点
- 手取りで比べる計算(本庄市・流山市の実例)
- 「古家付き土地」の値段の決まり方
- 売れてから解体する「解体更地渡し」の進め方
- 解体してはいけない家(再建築できない土地など)
- 更地にしたほうがいい家の条件
更地で売る・古家付きで売る、何が違う?
まず、それぞれの特徴を並べます。
| 比べるところ | 更地にして売る | 古家付きのまま売る |
| 売主の費用 | 解体費用を先に払う(木造30坪で本体工事約90万〜135万円) | かからない |
| 買う人 | 家を建てたい人に探しやすい | 直して住む・貸す人、建て替える人 |
| 売値 | 高くなりやすい | 更地の価格から解体費などを引いた額になりやすい |
| 固定資産税 | 1月1日に更地なら、土地の税金が上がる | 住宅用地の軽減が続く |
| 買主が見られるもの | 土地の形や地盤を見やすい | 建物の状態を見て、直すか壊すかを決められる |
| 売ったあとの責任 | 地中からがれきなどが出ると問題になることがある | 建物の不具合の責任を負わない契約にすることが多い |
更地は「家を建てたい人」に向けた売り方です。古家付きは「直して使う人」と「建て替える人」の両方に向けた売り方です。
買う人の幅は、じつは古家付きのほうが広いこともあります。
古家付き土地の値段は、どう決まる?
古家付き土地の値段は、「その土地を更地で売った場合の価格」がもとになります。
そこから、買主が負担する解体費やリスクを差し引いて考えられることが多いです。
ただし、建物を直して使える人にとっては、建物は「壊す費用がかかるもの」ではなく「直せば使える価値のあるもの」です。
直して住む人・貸す人が買い手になれば、更地の価格から解体費を引いた額より高くなることがあります。
更地にするか決めるには、まず解体にいくらかかるかを知ることからです。許可を持つ業者の見積りをまとめてお届けします。
解体の見積りを依頼するお電話 044-712-4771LINEで写真を送る
許可を持つ解体業者の見積りを、リハコがまとめてお届けします。2営業日以内にご連絡します。
手取りで比べる:本庄市と流山市の実例
埼玉県本庄市台町:解体前提で売れず、解体せずに買取
築45年の木造の家で、10年ほど空き家でした。家の中は荷物でいっぱい、建物は傾いていました。
売主様は「自分で解体して土地として売るつもり」で、解体前提の価格で仲介に出しました。
しかし、3か月たっても買い手がつきませんでした。解体費として見込んでいたのは150万円です。
リハコが中を見たところ、直せば十分に住める建物だったので、解体も片付けもせずに買い取りました。
| 解体して売る(計画) | 解体せずに売った(実際) | |
| 売値 | 更地としての価格(3か月売れなかった) | 古家付きのままの価格 |
| 解体費 | −150万円(売れる前に払う) | 0円 |
| 荷物の処分 | 別にかかる | 0円(そのまま引き渡し) |
| 売れるまでの税金・管理 | かかり続ける。更地なら土地の税金も上がる | すぐに終わる |
| 手元に残る額 | 売値から解体費・荷物の処分・税金・仲介手数料などを引いた額(売れれば) | 買取額がそのまま残る(すぐに確定) |
更地として売れていれば、売値は古家付きより高かったはずです。
ただし実際には3か月売れず、荷物の処分費や、売れるまでの税金・管理費もかかります。
そして何より、解体費150万円は、売れる前に自分で用意しなければなりません。
「多く残るかもしれないが、いつ売れるかわからず、先にお金が出ていく」道。
「少なくても、今すぐ確定して、もう何も払わなくていい」道。売主様は後者を選ばれました。
本庄市台町の家で比べたこと
- いつ売れるかわからない
- 解体費150万円が先に出ていく
- 解体費も荷物の処分も0円
- もう何も払わなくていい
※売主様は、解体せずに売るほうを選ばれました。

千葉県流山市西深井:解体見積り700万〜800万円を払わず、2日で買主
3階部分が玄関になっている特殊な構造の家で、解体の見積りは700万〜800万円でした。
10年以上空き家で、草刈りと固定資産税で年5.2万円ほどの負担が続いていました。
解体すれば、この700万〜800万円が売値から消えてしまいます。
そこでリハコは解体せずに、市役所で建て直しができる土地であることを確かめたうえで売り出し、2日で買主が決まりました。
流山市西深井の家
流山市の家のように、解体費が高くつく家ほど、解体しないで売る価値が大きくなります。
重機が入らない、斜面にある、鉄骨やコンクリートの部分がある、といった家は要注意です。
解体の見積りを取った時点で、そのまま売った場合と必ず比べてください。
解体してはいけない家
とりあえず更地にしておけば、あとは何とでもなると思っていました。
更地にすると、二度と元には戻せません。なかには、壊すと家を建てられなくなる土地もあります。
再建築できない土地
家を建てる土地は、原則として幅4m以上の道路に2m以上接していなければなりません(建築基準法第42条・第43条)。
この条件を満たさない土地は、今の家を壊すと、新しい家を建てられないことがあります(一般に「再建築不可」と呼ばれます)。
再建築できない土地を更地にすると、家を建てられない土地になり、買い手が大きく減ります。
建物があるうちは「直して住む・貸す」人に売れるので、壊さずに売るのが基本です。
リハコは茨城県古河市幸町の再建築不可の家(築50年)を、解体せずに買い取っています。
市街化調整区域の家
市街化調整区域は、原則として新しく家を建てるのが制限されている区域です。
今ある家を壊すと、建て直しの許可が取りにくくなることがあります。
群馬県館林市赤生田本町の市街化調整区域の家(築40年)も、解体せずに買い取りました。
再建築できない土地や、市街化調整区域の家?
直せば住める家
雨漏りや傾きがあっても、柱や土台がしっかりしていれば、直して住める家はたくさんあります。
古い家を探している人、安く買って自分で直したい人、直して貸したい人にとっては、建物があること自体が価値です。

迷ったら、壊す前に聞く
「この家は直せるのか」「この土地は建て直せるのか」は、解体の前にしか確かめられません。解体の契約をする前に、不動産会社に建物と土地の両方を見てもらってください。
解体の見積りと、そのまま売る金額。手元に残る額で並べてお伝えします。
解体と売却を比べるお電話 044-712-4771LINEで写真を送る
許可を持つ解体業者の見積りを、リハコがまとめてお届けします。2営業日以内にご連絡します。
更地にしたほうがいい家
もちろん、更地にしたほうがいい家もあります。次のような場合です。
- 建物が今にも倒れそうで危ない:近所や通行人に被害が出るおそれがあり、売るまで待てない
- 家を建てたい人が多い住宅地で、土地に十分な値がつく:解体費を払っても、古家付きより手元に多く残る
- 買主から更地での引き渡しを求められた:買主が決まっていれば、解体費を売値から払える
- 建物の傷みがひどく、直すと新築より高くつく:直して使う買い手が見込めない
こうした家でも、先に解体するのではなく、買主が決まってから解体するほうが安全です。次で進め方を説明します。
売れてから解体する「解体更地渡し」の進め方
知恵袋でも、解体費を用意できない人への答えとしてよく出てくる方法があります。
「古家付きで売り出し、買主が決まってから解体して引き渡す」方法です。
| 進め方 | すること |
| 古家付きで売り出す | 「更地渡しにも応じます」と書いておく。解体費の見積りを取っておくと話が早い |
| 売買契約 | 「売主が解体して更地で引き渡す」ことと、解体費の負担、引き渡しの期限を契約書に書く。手付金を受け取る |
| 解体工事 | 契約のあとに解体する。1月1日をまたがなければ、土地の税金も上がらない |
| 滅失登記 | 解体から1か月以内に建物滅失登記をする |
| 引き渡し・残金 | 更地で引き渡し、残りの代金を受け取る。解体費は受け取った代金から払える |
この方法なら、売れないまま解体費と更地の税金を払い続ける心配がありません。
ただし、解体費の支払い時期と、代金を受け取る時期がずれることがあるので、業者と支払い時期をよく決めておいてください。
古家付きで売るときに決めておくこと
契約書で決めておくこと
- 建物の不具合について、売主が責任を負わない(契約不適合責任を免責にする)こと
- 建物の状態(雨漏り・傾き・シロアリなど)で、知っていることはすべて書面で伝えること
- 荷物を残したまま引き渡すのか、片付けるのか
- 買主が解体するときに、売主が滅失登記などに協力すること
相続した家なら、3,000万円控除も確かめる
相続した空き家を売るときは、一定の条件を満たすと、売った利益から最大3,000万円を差し引ける特例があります。
相続人が3人以上なら、1人2,000万円です。
この特例には建物の建築時期や、売る期限、解体や耐震改修についての条件があり、更地で売るか古家付きで売るかにも関わります。
くわしくは「相続した空き家の売却」の記事と、税務署・税理士にご確認ください。
更地にするか迷っているなら、まず解体の見積りを取ってください。
解体費がわかれば、更地で売った場合の手取りが計算でき、古家付きで売る場合と同じ物差しで比べられます。
リハコは工事をしません
リハコは解体工事をしません。工事は、解体工事業の登録または建設業許可(解体工事業)を持つ業者が行います。リハコは不動産会社として、見積りの取りまとめと、解体せずに売る場合の買取の窓口を担当します。
売れてから解体する場合も、先に解体の見積りを取っておくと話が早く進みます。
許可を持つ業者の見積りをまとめてお届けします。
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許可を持つ解体業者の見積りを、リハコがまとめてお届けします。2営業日以内にご連絡します。
よくある質問
家は更地にしたほうが高く売れますか?
売値は高くなりやすいですが、手元に残る額が多いとは限りません。
解体費を先に払い、売れるまで土地の固定資産税も上がるため、解体費と税金を引いた手取りで比べてください。
古家付き土地とは何ですか?
古い建物が建ったままの状態で、土地として売り出すものです。
建物にほとんど価値がないとして、土地の価格を中心に取引されますが、直して使う人が買うこともあります。
解体費用がなくても、更地で売ることはできますか?
買主が決まってから解体して引き渡す「解体更地渡し」にすれば、受け取った代金から解体費を払えます。
業者と支払い時期を決めておくことが大切です。
再建築不可の家は解体したほうがいいですか?
基本的には解体しないほうがいいです。
解体すると家を建てられない土地になり、買い手が大きく減ります。建物があるうちは、直して使う人に売れます。
古家付きで売ったら、あとで建物の不具合の責任を問われませんか?
契約書で、建物の不具合について売主が責任を負わない(契約不適合責任を免責にする)と決めておくのが一般的です。
知っている不具合は、すべて書面で伝えてください。
