「見積りに、シリコン・フッ素・無機の3つの案が並んでいた。値段の差に見合うの?」
「営業の人は『この塗料なら20年以上もつ』と言うけれど、本当?」
先に答えをお伝えします。
外壁塗料の耐用年数の目安は、シリコンが10〜15年、フッ素が15〜20年、無機が20年前後です。
延床30坪・2階建てなら、税込でシリコン108万〜137万円が目安です。
フッ素は123万〜157万円、無機は136万〜175万円です(リハコの見積りの目安)。
外壁塗料の耐用年数の目安
※メーカーが示す「期待耐用年数」の目安で、保証ではありません。
ただし、この年数はメーカーが示す「期待耐用年数」で、保証ではありません。日当たりや下地の状態、塗り方で短くも長くもなります。
そして高い塗料を選んでも、つなぎ目や雨どいが先に傷めば、結局そこで足場を組むことになります。
この記事では、塗料の種類ごとの違いと、耐用年数という数字の正体をお話しします。
30坪の金額を「1年あたり」に直した比較、見積書の塗料名の読み方も取り上げます。
最後に、色で変わる持ちと、「20年もつ」と言われたときに確かめることをまとめます。
結局、どれを選べば後悔しないんでしょう。
「あと何年この家に住むか」で決めるのがいちばん確かです。15年以上住むならフッ素や無機も比べる価値があり、10年前後ならシリコンで十分なことが多いですよ。
この記事でわかること
- 外壁塗料の種類と、耐用年数の目安
- 「期待耐用年数」が保証ではない理由と、年数の根拠になる試験
- 30坪の金額と、1年あたりの費用の比べ方
- 見積書の塗料名の読み方(水性・溶剤、着色・クリア)
- 色によって持ちが変わる理由
- 「20年もつ」と言われたときに確かめること
外壁塗料の種類と耐用年数の早見表
外壁塗料は、塗膜の中心になる樹脂の種類で呼び分けます。樹脂が紫外線に強いほど長もちし、値段も上がります。
今の住宅の塗り替えで主に選ばれているのは、シリコン・フッ素・無機の3つです。
| 塗料 | 耐用年数の目安 | 30坪の目安(税込) | 向いている人 |
| シリコン | 10〜15年 | 約108万〜137万円 | 標準。費用ともちのバランスがよい |
| フッ素 | 15〜20年 | 約123万〜157万円 | 長く住む予定で、塗り替えの回数を減らしたい |
| 無機 | 20年前後 | 約136万〜175万円 | できるだけ長くもたせたい。費用は高め |
※金額は延床30坪・2階建て・サイディングの外壁のみ。
足場・洗浄・つなぎ目の打ち替え・付帯部の塗装を含む、リハコの見積りの目安です。耐用年数は立地や下地で変わります。
アクリル・ウレタン・ラジカル制御形は?
アクリルやウレタンは、シリコンより紫外線に弱く、今の戸建ての外壁の塗り替えで選ばれることは少なくなりました。
ウレタンは柔らかく密着がよいので、雨どいや木部などの付帯部に使われることがあります。
「ラジカル制御形」は、塗料の中の白い顔料(酸化チタン)が紫外線で塗膜を傷める働きを抑えた塗料で、樹脂の分類ではありません。
シリコンをベースにしたものが多く、耐用年数はシリコンとフッ素の間くらいと説明されることが多い塗料です。
見積りに出てきたら、ベースの樹脂が何かを確かめてください。
屋根は、外壁より早く傷む
同じ塗料でも、屋根は外壁より日差しと雨を強く受けます。
日本ペイントは、屋根の期待耐用年数は外壁の1/2〜2/3程度と説明しています(日本ペイント「期待耐用年数」)。
外壁と屋根を同じ時期に塗るなら、屋根の塗料を一段上げて、次の塗り替えの時期をそろえるという考え方もあります。

シリコン・フッ素・無機、3つの塗料で金額を並べてお出しします。
塗料ごとの金額を見るお電話 044-712-4771LINEで写真を送る
埼玉はモリタ建装(川口市・塗装60年)が施工します。2営業日以内にご連絡します。
「耐用年数」はメーカーの目安で、保証ではない
カタログに「期待耐用年数15〜20年」と書いてありました。15年は大丈夫ということですか?
いいえ、「条件がよければそのくらい」という目安です。保証してくれるのは、塗料ではなく工事をした会社の保証書です。
塗料のカタログにある年数は「期待耐用年数」と呼ばれます。日本ペイントは、これを次のように定義しています。
日本ペイントによる「期待耐用年数」の定義
「塗膜の汚れ・チョーキング(白亜化)・変退色・表層のひび割れが進行し、塗膜寿命により下地保護機能が期待できなくなると予想される目安時期」
日本ペイントは、「期待耐用年数はあくまでも目安になります。内容を保証するものではありません」と明記しています。
「立地条件や環境、施工条件により劣化の進行状況が異なる」とも書いています。
出典:日本ペイント「期待耐用年数」(2026年9月29日確認)。
年数のもとになっている試験
では、塗料の「強さ」は何で比べればよいのか。
一つの物差しが、日本産業規格のJIS K 5658(建築用耐候性上塗り塗料)です。
強い光を当て続ける「促進耐候性試験」で、光沢がどれだけ残るかによって等級が決まります。
| 等級 | 試験の条件(促進耐候性) | よく当てはまる塗料 |
| 1級 | 照射2,500時間後の光沢保持率80%以上 | フッ素樹脂系など |
| 2級 | 照射1,200時間後の光沢保持率80%以上 | シリコン樹脂系など |
| 3級 | 照射600時間後の光沢保持率70%以上 | ポリウレタン樹脂系など |
※試験の条件はJIS K 5658:2010の規定。
どの等級に当てはまるかは製品ごとに違うので、カタログや仕様書で確かめてください。
この試験は実験室の中の比較で、「何時間=何年」と決まっているわけではありません。それでも、比べる手がかりにはなります。
カタログに「JIS K 5658 1級(または2級)適合」と書いてあるかを見れば、塗料どうしを同じ物差しで比べられます。
保証してくれるのは「工事の保証書」
塗料の年数とは別に、工事をした会社が出す工事保証書があります。確かめてほしいのは年数だけでなく、何を保証するかです。
塗膜のはがれやふくれは対象でも、色あせやチョーキングは対象外、という保証書は珍しくありません。
部位(外壁・屋根・鉄部)ごとに年数が違うこともあります。
埼玉で施工するモリタ建装は、工事が終わると工事保証書と、工程ごとの写真をまとめた工事報告書を出しています。
どの会社に頼む場合も、保証の年数と範囲は契約の前に書面で確かめてください。
30坪でいくら違う?「1年あたり」で比べる
高い塗料が得かどうかは、総額ではなく「次の塗り替えまでの1年あたり」で比べるとわかりやすくなります。
30坪・2階建ての見積りの目安(中央の値)を、耐用年数の目安で割ってみます。
| 塗料 | 30坪の目安(税込) | 耐用年数の目安 | 1年あたり |
| シリコン | 約108万〜137万円 | 10〜15年 | 約8.2万〜12.2万円 |
| フッ素 | 約123万〜157万円 | 15〜20年 | 約7.0万〜9.3万円 |
| 無機 | 約136万〜175万円 | 20年前後(18〜22年で計算) | 約7.1万〜8.6万円 |
※見積りの目安の中央の値を、耐用年数の目安で割った参考値です。実際の持ちは立地や施工で変わります。
1年あたりの費用(30坪・税込)
※棒は1年あたりの上の値の長さです。見積りの目安の中央の値を、耐用年数の目安で割った参考値です。
数字だけ見ると、長もちする塗料ほど1年あたりは安くなりそうです。ところが、ここに落とし穴があります。
つなぎ目と付帯部が、先に限界を迎える
フッ素や無機で外壁を塗っても、ほかの部分が先に傷むことがあります。
サイディングのつなぎ目(シーリング)や、雨どい・破風といった付帯部です。
そうなれば、その補修のために結局足場を組むことになります。30坪なら足場だけで約23万円(リハコの見積りの目安)。
途中で1回足場が増えると、1年あたりの差は簡単に逆転します。
外壁より先に、つなぎ目や付帯部が傷む?
長もちする塗料を選ぶなら、つなぎ目の材料と付帯部の塗料も同じくらい長もちするものにそろえること。
見積書で、外壁の塗料だけが高いグレードになっていないかを確かめてください。
| これからの予定 | おすすめの考え方 |
| 15年以上住む | フッ素・無機も比べる。つなぎ目・付帯部も同じグレードにそろえる |
| 10年前後は住む | シリコンで十分なことが多い |
| 数年のうちに建て替えを考えている | シリコンで費用を抑え、つなぎ目の割れなど雨水が入る傷みを優先して直す |
住む年数と塗り替えの時期の関係は「外壁塗装の時期と劣化のサイン」でも説明しています。
カタログの年数ではなく、あなたの家の立地と傷み方から塗料をご提案します。
塗料を相談するお電話 044-712-4771LINEで写真を送る
埼玉はモリタ建装(川口市・塗装60年)が施工します。2営業日以内にご連絡します。
見積書の塗料名の読み方
見積書には「シリコン」とだけでなく、メーカー名と商品名が書かれているのが本来の形です。
商品名がわかれば、カタログで樹脂の種類・JISの等級・期待耐用年数を自分で確かめられます。
「シリコン塗料 一式」としか書かれていなければ、商品名を聞いてください。
埼玉の施工現場で使っている塗料の例
モリタ建装の施工事例には、使った塗料がすべて書かれています。
一戸建ての外壁・屋根の塗り替えでは、次の組み合わせが多く見られます。
- 外壁:日本特殊塗料の「シルビアNADシリコン」
- 屋根:同社の遮熱塗料「パラサーモシリコン」
- ベランダの床:防水材「タフシール」
マンションやビルでは、鉄部などにフッ素系の上塗り(フッソトップ・フッソコート)を使った例もあります。
水性か、溶剤(油性)か
塗料には、水で薄める水性と、シンナーで薄める溶剤(油性)があります。
川口市戸塚の一戸建てでは、持ち主の希望で水谷ペイントの水性塗料(ナノウォール・ナノルーフ)を使いました。
モリタ建装は記録の中で、こう書いています。
「一般的に塗料は溶剤塗料の方が高耐久ですが、シックハウス等のシンナー臭の苦手な方には水性塗料をお勧めします」。
においと耐久、どちらを重く見るかで選び分けます。
溶剤(油性)と水性
- 一般的に高耐久
- においが少ない
- シンナーのにおいが苦手な方にすすめられる

色をつけるか、透明(クリア)で守るか
柄のあるサイディングは、色のついた塗料で塗りつぶさず、透明のクリア塗料で柄を残す方法もあります。
ただしクリアは、ひびや色あせが進んだ板には向きません。
川口市戸塚のタイル調サイディングの家では、クリアと着色の両方を提案し、持ち主は着色を選びました。
モリタ建装は「耐久性や塗料としても強靭さはやはり着色塗料の方が高い」と記録しています。
同じ塗料でも、色によって持ちが変わる
知恵袋に「原色に近い色は色あせしやすいと聞く。フッ素でも同じか」という質問がありました。
答えは「同じように色あせは起きる」です。
色のもとになる顔料には、紫外線に弱いものがあり、樹脂をフッ素にしても顔料が変わらなければ色は抜けていきます。
さいたま市内の一戸建てでは、持ち主が鮮やかなピンクを希望されましたが、モリタ建装は少し落ち着いたピンクをすすめました。
記録には、近所との調和に加えて「赤・黄・青など原色に近い色は、紫外線による劣化から色が抜けやすいです」とあります。
色で持ちを長くするコツ
- 赤・黄・青など原色に近い色は、色あせが目立ちやすい
- 白やごく淡い色は色あせは目立ちにくいが、雨だれの汚れは目立ちやすい
- グレー・ベージュ・ブラウンの中間色は、色あせも汚れも目立ちにくい
- 2色に塗り分けると、付帯部の濃い色で全体が締まって見える

ほかの会社の見積りの塗料が妥当か、商品名から確かめてお返事します。
見積りの塗料を見てもらうお電話 044-712-4771LINEで写真を送る
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「20年以上もつ」と言われたら確かめること
知恵袋には「築5年で、訪問の営業に20〜30年もつという塗料をすすめられた」という相談もあります。
長もちをうたう塗料そのものが悪いわけではありませんが、年数だけで決めるのは危険です。次のことを確かめてください。
長もちをうたう塗料をすすめられたら
- メーカー名と商品名がわかり、カタログを見せてもらえるか
- カタログの期待耐用年数の条件(どんな試験・どんな環境での数字か)
- JIS K 5658 の等級の記載があるか
- つなぎ目と付帯部にも同じくらい長もちする材料を使うか
- 何回塗るか・どれだけの量を塗るかが見積書に書いてあるか。薄く伸ばせばどんな塗料も持たない
- 工事保証書で何を保証するか(はがれ・ふくれ・色あせ)と年数
塗料の性能は、決められた量を、決められた回数(下塗り・中塗り・上塗り)で塗って初めて出ます。
見積書の読み方は「外壁塗装の見積書の見方」で説明しています。
急かす営業の見分け方は、「外壁塗装の訪問販売と優良業者の見分け方」をご覧ください。
リハコの見積りでは
塗料はメーカー名と商品名で書き、足場・洗浄・下地補修・つなぎ目・3回塗り・付帯部を面積と単価で分けてお出しします。「一式」だけの見積りにはしません。ご相談の窓口は、株式会社リハコ(外壁塗装のご相談窓口)です。埼玉はモリタ建装(川口市)が自社の職人で、神奈川は協力の塗装職人が施工します。
塗料を選ぶ前に、まず金額の幅を。
坪数と塗料を選ぶだけで、税込の目安がすぐにわかります。
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よくある質問
外壁塗装で一番長もちする塗料は何ですか?
一般的には無機塗料、次いでフッ素塗料です。期待耐用年数の目安は無機が20年前後、フッ素が15〜20年です。
ただし年数は保証ではなく、立地や施工で変わります。つなぎ目や付帯部が先に傷むこともあります。
シリコン塗料は何年もちますか?
10〜15年が目安です。
費用と持ちのバランスがよく、戸建ての塗り替えで最も多く使われています。
期待耐用年数は保証されますか?
保証ではありません。
日本ペイントも「あくまでも目安」「内容を保証するものではありません」と明記しています。
保証の内容は、工事をした会社の工事保証書で確かめてください。
フッ素と無機では、どちらがいいですか?
無機のほうが期待耐用年数は長い一方、費用は高くなります。
30坪ならフッ素が約123万〜157万円、無機が約136万〜175万円が目安です(リハコの見積りの目安)。
あと何年住むか、つなぎ目や付帯部も同じグレードにできるかで決めてください。
水性塗料と油性(溶剤)塗料はどちらがいいですか?
一般的には溶剤のほうが高耐久とされ、水性はにおいが少ないのが利点です。
シンナーのにおいが苦手な方や、小さなお子さんのいる家では水性を選ぶことがあります。