コラム COLUMN

2024.11.01 更新 2024.10.31 公開
「田舎の家は売れない」って本当?3つの売却事例と売却方法を紹介

「親から田舎の家を受け継いだけれど、住む予定がなくて扱いに困る・・・」
「田舎の家には買い手が付かないという話は本当だろうか・・・」

このような悩みを抱えている方は少なくありません。住む予定がない田舎の家は買い手が見つかるか分からないため、解体を検討する方もいるでしょう。

しかし実際は、田舎の家でも100万円以上で売却できた事例はたくさんあります

そこで本記事では、田舎の家を売る方法を分かりやすく解説します。田舎の家の取引事例や、買い手が見つかりやすくなる方法も紹介するので、田舎の家を解体せずに売却するイメージを具体的に持てるようになります。

田舎の家の扱いに悩んでいる方にとって有益な情報が盛りだくさんなので、ぜひ最後までチェックしてみてください。

この記事の目次

1.「田舎の家は売れない」と言われる根本的な理由

「田舎の家は売れない」と言われる背景には、人口減少や需要の少なさなど、さまざまな理由があります。ここでは、「田舎の家は売れない」と言われる主な理由を3つ紹介します。

1-1.田舎の家を取り扱っている不動産会社が少ない

田舎の家を取り扱っている不動産会社が少ないのが、「田舎の家は売れない」と言われる理由であると考えられます。田舎の家は物件価格が低く、不動産会社の収入源である仲介手数料もあまり多く発生しないからです。

田舎の家を200万円で売却し、売主と買主の両方から仲介手数料を受け取る場合、不動産会社が受け取れる金額の上限は60万円+税です。

不動産会社としては同じ作業をするなら報酬が高い方が良いため、田舎の家ではなく都会の新築の仲介に積極的に取り組むところが多いです。

また田舎はそもそも不動産会社の数が少なく、中古物件まで取り扱っているところが限られているのも、田舎の家が売れない原因のひとつです。

1-2.老朽化が進んでいる家が多い

田舎にある家のなかには、親世代から受け継がれた古い家もたくさんあります。古い家は外観・内装の老朽化、設備の劣化などが進んでいるケースが多く、景観や機能の面での魅力が低下しがちです。

また1981年から適用されている新耐震基準を満たしておらず、安全面に不安がある物件も存在します。物件価格は安くても老朽化が進んでおり、快適に住むための修理費やリフォーム費が大きくなりやすいのも、「田舎の家は売れない」と言われる理由のひとつです。

2.実際は田舎の家でも売れる!取引事例を紹介

「田舎の家は売れない」とよく言われますが、実際は田舎の家でも売却できた例がたくさんあります。ここでは本ブログを運営するリハコが実際に手掛けた、田舎の取引事例を3つ紹介します!

取引額や物件の状態などを写真付きで解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

2-1.群馬県邑楽郡板倉町の家を100万円で売却

  • 住所:群馬県邑楽郡板倉町
  • 築年数:50年
  • 訳あり:雨漏り、天井と床の崩壊
  • 買取価格:100万円

群馬県邑楽郡板倉町(2024年9月1日時点の人口:13,499人)にある家の取引事例です。

売主様は100万円で売却することができました。このように雨漏りや床が緩い状態でも、そのまま売却することが可能です。

なぜなら、戸建てをリノベーションして賃貸に出すという投資家が増えているからです。

昨今は、空き家の購入者のほとんどが、賃貸に出して家賃収入を得る投資家です。DIYや外注でリノベーションし、戸建てを賃貸に出しています。

玄関

お風呂

部屋

2-2.群馬県館林市赤生田本町の家を180万円で売却

  • 住所:群馬県館林市赤生田本町
  • 築年数:40年
  • 訳あり:市街化調整区域、草木の管理ができていない
  • 買取価格:180万円

群馬県館林市(2024年9月1日時点の人口:73,735人)の、赤生田本町にある家の取引事例を紹介します。

自治体がこれ以上開発しないと決めている、「市街化調整区域」に建っている物件です。売主様は遠方に在住で長年空き家になっており、草木の管理ができていない状態でした。

虫が湧いたり床が緩くなったりしていましたが、180万円で売却できました。売却後はリフォームを行い、現在は賃貸物件として再活用されています。

外観

部屋

キッチン

2-3.茨城県かすみがうら市の家を180万円で売却

  • 住所:茨城県かすみがうら市
  • 築年数:40年
  • 訳あり:傾き
  • 買取価格:180万円

茨城県かすみがうら市(2024年7月1日時点の人口:38,845人)にある家を180万円で売却した取引事例です。

家の傾きを修繕するための「ジャッキアップ工法」には200万〜500万円ほどの費用がかかるため、売主様もどう対処すれば良いか困っていました。

しかし、リハコであれば180万円でお買取りできると判断し、購入させていただきました。

購入後はリノベーションを実施し、心地よく過ごせる家に生まれ変わりました。解体しなくても、修復の仕方次第で田舎の家は住居としてより長く活用することが可能です。

外観

部屋

トイレ

3.田舎の家を売る方法

田舎の家を売る方法は、大きく分けて3種類あります。それぞれの売り方の特徴やメリット・デメリットを、以下の見出しで確認してみましょう。

3-1.不動産会社に購入希望者を探してもらう

田舎の家を売る手段としてまず挙げられるのが、不動産会社に購入希望者を探してもらう方法です。専門的な用語では、「仲介」や「媒介」と言うこともあります。

不動産会社に田舎の家を売りたい旨を伝え、広告の掲載やネットワークの活用を通して田舎の物件を探している人を見つけます。メリット・デメリットは、以下の表の通りです。

メリット高値で売りに出すことができる
難しい手続きは不動産会社にお任せできる
内覧を通じて購入検討者の考えを聞ける
デメリット仲介手数料がかかる
短期間での売却が難しい
契約不適合責任を負う必要がある
売りに出すことが知られる可能性がある

「契約不適合責任」とは、売買契約を結ぶときに伝えられていなかった不具合が見つかったとき、売却した人が負うことになる責任のことです。

ただし、空き家の売却が得意な不動産会社であれば、契約不適合を回避できることもあります。

不動産仲介は売却完了まで時間はかかりますが、インターネットを通じて多くの方に高値で売りに出すことができるため、一番おすすめの方法です。

3-2.不動産会社に買い取ってもらう

田舎の家を売るときは、不動産会社に買い取ってもらう方法もあります。買い取られた家は不動産会社によってリフォームされたうえで、新しい購入希望者に売却されたり、賃貸物件として活用されたりします。

不動産会社に田舎の家を買い取ってもらうメリット・デメリットは、次の通りです。

メリットすぐに売却できる
仲介手数料がかからない
契約不適合責任が免除されるケースがある
デメリット買取金額が仲介のときより安くなりやすい
物件の状態によっては買い取ってもらえない

不動産会社による買い取りは買取後のリフォームが前提になっているケースが多く、その分買取金額が仲介よりも安い傾向にあります。

ただし、仲介では売れなかった物件も、買い取りなら売買契約が成立しやすいため、家を手放したいときに有効な売却方法のひとつです。その場合は、処分費が掛かることがあるのでご注意ください。

3-3.自分で購入希望者を探す

家族・親戚・友人・近所の人など、身近なところで購入してくれそうな人がいる場合は、自分で購入希望者を探すのもひとつの方法です。メリット・デメリットとしては、以下のようなものが挙げられます。

メリット仲介手数料がかからない
価格設定や買主選びなどの自由度が高い
話をスムーズに進めやすい
デメリット物件の価格設定が難しい
住宅ローンの審査に通りにくい
購入者とのトラブルに発展することも

身近な人だと既に関係が構築できているため、契約締結から売却完了までスムーズに進めやすいのが魅力です。

しかし専門的な知識が乏しいと適正な価格設定ができず、相場より安く売ってしまったり、逆に高額で売却して後でトラブルに発展したりする可能性があります。

契約書類に不備が見つかり、住宅ローンの審査が通らないケースもあるため、不動産取引に慣れないうちは避ける方が無難な方法と言えるでしょう。

4.初めて田舎の家を売るときにおすすめの売り方

初めて田舎の家を売るときは、まずは不動産会社に購入希望者を探してもらう「仲介」という方法を試してみましょう

不動産会社同士のネットワークを活用することで、買主が見つかり、想定していたより高額で売却できるかもしれません。

もし仲介で購入希望者が見つからない場合は、不動産会社に買い取ってもらうのがおすすめです。

仲介ほどの金額にはなりにくいですが一定の売却益は入りますし、使う予定がない家を管理する負担をなくせます。

5.田舎の家の買い手を見つけやすくする方法

不動産会社による仲介や買い取りなど、田舎の家にはさまざまな売り方があります。さらに工夫を加えると、より売却しやすくなるかもしれません。ここでは、田舎の家の買い手を見つけやすくする方法を4つ紹介します。

5-1.自分でも家を掃除しておく

田舎の家の買い手を見つけやすくしたいときは、自分でも家を掃除しておくと良いでしょう。清潔感のある家だと、内覧のときに好印象を残せます。不用品の処分、水回りの掃除、庭の草抜きなど、簡単な手入れをしておきましょう。

万が一売却できなかったときを考えて、費用がかかるリノベーションやハウスクリーニングは避けるのが無難です。

査定額を算出するときは家の築年数や周辺環境を重視する場合が多く、清潔感はあまり考慮されないため、無理のない範囲で片付けてみてください。

遠方であれば、無理に片付ける必要はありません。

5-2.売却価格を抑える

売却価格を抑え、大きな家を安く購入できるようにするのも、田舎の家の買い手を見つけやすくする方法のひとつです。

古民家カフェや民泊の運営を計画しており、低価格な物件の購入を希望する人は少なくありません。若者世帯やファミリー層のなかには今後子育てすることを考え、広い家を探している人も一定数存在します。

価格を抑えることで興味を示す人が増え、購入希望者が見つかりやすくなることが期待されます。価格を下げ過ぎず、適切な価格の範囲内で売却できるよう、市場調査や価格設定は念入りに行いましょう。

5-3.田舎の家の取引に慣れている不動産会社に依頼する

一口に不動産会社と言っても、得意な分野や対象としている地域はそれぞれ異なります。田舎の家を売りたいときは、田舎の家の取引に慣れている不動産会社に依頼することをおすすめします。

また、田舎の家がある地域に特化した不動産会社に依頼するのもひとつの手段です。特定の地域に根差した繋がりや情報を持っており、スムーズに購入希望者を見つけ出せる場合があります。

ちなみにリハコは、関東7都県と山梨県に対応しています。田舎の家の取引に慣れている不動産会社を探すときは、条件に合う会社を一度に複数社提示できる不動産一括査定サービスを利用すると良いでしょう。

5-4.長く空き家になっている場合は「空き家バンク」に登録する

「空き家バンク」とは、空き家の情報を掲載して持ち主と購入希望者を繋げるインターネット上のサービスのことです。主に自治体が主体となって運営しており、戸建住宅や田んぼが付いているものなどさまざまな物件が掲載されています。

田舎の家が長く空き家になっているときは、空き家バンクに登録できる条件を確認したうえで活用してみると良いでしょう。

地方への移住を検討している人や、田舎の古民家を活用した事業を計画している人は、空き家バンクを確認する場合もあるため、自分が売りたい家を見つけてもらいやすくなります。

6.どうしても田舎の家の買い手が見つからないときの対処法

どうしても田舎の家の買い手が見つからないときは、不動産買取会社に処分費用を払い、買い取ってもらうと良いでしょう。固定資産税を払い続けること、築年数が増え続けることのデメリットが大きいからです。

不動産買取会社とは持ち主から物件を直接購入し、必要に応じてリフォームしたうえで、売却したり賃貸事業を営んだりしている不動産会社です。買取額の相場は100万〜200万円で、建物を解体したのに売却できないリスクを避けられます。

もしくは、自治体や企業への寄付を検討するのもひとつの方法です。防災倉庫の置き場や、小さめの公園として使ってもらえます。ただし寄付をするには、自治体や企業が提示する条件を満たさなければならない点には注意が必要です。

7.仲介で田舎の家を売るときの基本の流れ

田舎の家を売るときは基本的に、次のような流れで不動産仲介会社を探し、家を売却します。

  1. 自分で田舎の家の相場を調べる
  2. 複数の不動産会社に田舎の家の査定を依頼する
  3. 不動産会社と媒介契約を結ぶ
  4. 田舎の家の売却活動を進める
  5. 購入者と売買契約を結ぶ
  6. 購入者に田舎の家を引き渡す
  7. 必要な場合は確定申告をする

それでは、各手順について以下の見出しで詳しく解説します。

7-1.自分で田舎の家の相場を調べる

まずは、自分で田舎の家の相場を調べましょう。不動産会社による査定を受ける際、適正な査定額が提示されたか判断するときの参考になります。

査定額が相場より高すぎる場合、契約を結ぶためにあえて高く提示している可能性があります。また相場より低いと安く買いたたかれるケースもあるため、自分でも田舎の家の相場を把握しておくことが大切です。

自分で田舎の家の相場を調べるときは、国土交通省が運営している「不動産情報ライブラリ」や、不動産会社が運営している物件情報サイトを利用することをおすすめします。

家の間取りや地域などで情報を絞り込み、参考になる情報を集めましょう。

7-2.複数の不動産会社に田舎の家の査定を依頼する

次に、複数の不動産会社に田舎の家の査定を依頼します。自分に適した不動産会社と契約を結ぶため、査定額やスタッフの接客、サービスの内容をよく見比べましょう。可能であれば、3社以上の不動産会社に査定を依頼することをおすすめします。

家の査定方法には大きく分けて2種類あり、それぞれで次のようなことを行います。

査定方法査定の仕方
机上査定家の住所・面積・築年数・間取りなどのデータをもとに査定額を算出
訪問査定実際に家を訪問して査定額を算出

詳しい査定額を知りたい方や、売る意思が固まっている方は、訪問査定を申し込むと良いでしょう。大手不動産会社だけでなく、中小規模の会社や地元の会社にも依頼して、幅広い意見を入手してみてください。

7-3.不動産会社と媒介契約を結ぶ

「媒介契約」とは、購入者を不動産会社に探してもらうため、家を売りたい人と不動産会社の間で結ぶ契約のことです。媒介契約を結ぶときに、家の情報をまとめた告知書や、設備の状態をまとめた付帯設備表といった書類を作成します。

媒介契約の種類は全部で3種類あります。それぞれの特徴は、以下の表の通りです。

条件 / 契約方法一般媒介契約専任媒介契約専属専任媒介契約
他の不動産会社とも媒介契約を結ぶ××
自分で購入者を探して取引する×
売却状況の報告の頻度決まりなし2週間に1回以上1週間に1回以上
契約期間決まりなし3カ月以内3カ月以内

複数の不動産会社に依頼したいときは一般媒介契約依頼したい不動産会社が1社のみのときは専属専任媒介契約を選択すると良いでしょう。

自分でも購入者を探せそうなときは、専任媒介契約を選ぶのもひとつの方法です。不動産会社と相談しながら、自分に合った媒介契約を結びましょう。

7-4.田舎の家の売却活動を進める

家の売却活動では、物件情報誌や物件情報サイトに広告を掲載し、購入希望者を探します。家の魅力や売り出し方を不動産会社の担当者と相談し、売却活動の方針を決定しましょう。方針が決まれば、後はほとんどの作業を不動産会社に担当してもらえます。

家の持ち主は家の中を片付け、広告に載せる写真の撮影や、購入を検討している人の内覧に対応できるよう準備しておきましょう。内覧の用意として、家の設備や周辺環境を説明できるようにしておくのもおすすめです。

7-5.購入者と売買契約を結ぶ

購入者が決まり、場合によって購入者のローンの審査が通ったら、売買契約を結びます。家の持ち主と仲介会社と購入者が、不動産会社に集まって手続きを行うのが一般的です。

売買契約を結ぶときは、次のようなことを行います。

  • 本人確認
  • 重要事項の説明
  • 売買契約書への捺印
  • 手付金の支払い(買主様)

売買契約を締結するときは、身分証明書や収入印紙といった書類を準備する必要があります。必要書類は不動産会社の担当者から教えてもらえるので、早めに揃えておきましょう。

7-6.購入者に田舎の家を引き渡す

売買契約を結んだら、売買契約時に決めた日程で田舎の家を購入者に引き渡します。基本的には金融機関に売買契約を結んだときと同じ人や司法書士などが集まり、手続きを進めます。引き渡しの手続きの際に行うことは、以下の通りです。

  • 登記関連書類の確認
  • 購入者によるローンの実行
  • 仲介手数料の支払い
  • 抵当権の抹消
  • 家の鍵や書類の引き渡し

家の鍵を購入者に渡す前に、公共料金の支払いを済ませておきましょう。引き渡しを終えたら、田舎の家の売却手続きは一区切り付きます。

7-7.必要な場合は確定申告をする

田舎の家を売ることで得たお金は「譲渡所得」に分類されるため、家を売った人は確定申告を行い、「譲渡所得税」という税金を支払う必要があります

特例を適用して税金の負担を減らしたり、納税が免除されたりする場合もあるので、税務署・税理士・不動産会社に一度相談してみると良いでしょう。

確定申告を行う時期は、譲渡所得が発生した翌年の2月16日〜3月15日です。例えば2024年5月10日に譲渡所得が発生した場合、2025年2月16日〜3月15日の間で確定申告を行います。

8.田舎の家を売るときに注意すること

「田舎の家を売ろう!」と思っても、大切なポイントを見落とすと買取価格が下がったり、税金を多く支払うことになったりする可能性があります。ここでは田舎の家を売るときに注意することを3つ紹介するので、ぜひチェックしてみてください。

8-1.家を放置しすぎないようにする

家を放置しすぎると、時間が経過するにつれて建物が傷み、物件価値がどんどん低下してしまいます。購入者は必ず築年数を確認するからです。

後になって「あの時売っていれば、もっと良い値段が付いたのに・・・」と後悔しないために、田舎の家を売却したいと思ったらなるべく早く行動に移すことをおすすめします。

また田舎の家を何年も放置していると、近所に住んでいる人の迷惑になったり、後世の子孫の間で責任の押し付け合いになったりする可能性もあります。トラブルの発生を防ぐためにも、住む予定がない田舎の家は放置しすぎないようにしましょう。

8-2.相続により家を取得した場合は3年以内に売却する

相続によって田舎の家を取得した場合、「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」を使える場合があります

相続もしくは遺贈によって取得した家屋や家屋の敷地等を売却し、一定の条件を満たせば、譲渡所得から最高3,000万円まで控除できる制度です。

特例を利用できる条件のひとつに、「相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること」が含まれています。つまり2024年11月1日に相続があった場合、2027年12月31日までに売る必要があります。

本来であれば家を売却すると「譲渡所得税」という税金を納める必要があるのですが、特例を使うことで売却額が3,000万円以下であれば税金がかからなくなるのがメリットです。

特例が使える期間は2027年12月31日までなので、自分が売りたい田舎の家は条件に合うか、ぜひ確認してみてください。

8-3.家の状態をよく確認しておく

「契約不適合責任」を負うリスクを避けるため、家の状態をよく確認しておくことも大切です。契約不適合責任とは、不動産を売却した後、説明漏れがあった箇所から不具合が見つかった場合、売却した人が負う責任のことです。

契約不適合責任を負うことになると、賠償請求されたり、修繕費を支払うことになったりするケースがあります。購入希望者に家の状態を正確に説明するため、家の状態を事前によく確認しておきましょう。

ただし、契約不適合責任を負わない特約(免責特約)を付けることも可能です。

また、「戸建」として売却するのではなく、「古家付きの土地」として売却する手法もあります。土地として売却するため、建物に不具合があっても責任を追う必要はございません。

「売却後、家に不具合が見つかったときに責任を取りたくないんだけど・・・」と不動産会社に相談してみてください。慣れている不動産会社であれば、相談に乗っていただけます。

9.田舎の家を売るときにかかる期間の目安

状態や立地などにもよりますが、田舎の家を売るときにかかる期間の目安は3カ月〜1年です。中古物件の需要の少なさや家の古さなどが影響し、通常よりも購入希望者が見つかるまでに時間がかかる傾向にあります。余裕を持ったスケジュールを組み、根気強く売却活動を続けることが大切です。

購入希望者がなかなか見つからない、なるべく早く手放したいといった時は、不動産会社に買い取ってもらうのも良いでしょう。田舎の家の売却を完了させたいタイミングから逆算し、自分に合った方法で売りに出してみてください。

10.田舎の家を売るときにかかる費用の目安

田舎の家を売るときにかかる費用は、仲介手数料の金額や特例の適用の有無などによって異なります。参考までに、空き家を売却するときにかかる主な費用を以下の表にまとめてみました。

費用金額の目安
仲介手数料最大30万円+税
※売却価格が800万円以下の場合
印紙税200円~5万円
※売却価格が1000万円以下の場合かつ、軽減税率の適用の有無により異なる
譲渡所得税売却価格、特例の適用の有無により異なる

実際にかかる費用は物件によって異なるため、気になるときは一度不動産会社に相談することをおすすめします。

11.まとめ:田舎の家も売ることができる!

よく「売れない」「人気がない」と言われる田舎の家ですが、実際は売却できた事例がたくさんあります。地方への移住や古民家カフェの運営、家族みんなが住める広い物件の需要など、田舎の家の購入を希望する人は大勢います。

まずは仲介で購入希望者を探し、もし見つからなかったら不動産会社による買い取りを依頼するのが良いでしょう。仲介で売却するのが難しそうな場合は、はじめから不動産会社に買い取ってもらうのもひとつの方法です。

このブログを運営しているリハコは、関東圏の家の買い取りを手掛けている不動産会社です。田舎の家の買い取りも積極的に行っているので、田舎の家の対処にお困りの方はぜひお気軽にお声がけください。

藤本 祐輔
記事監修
藤本 祐輔
代表取締役

同志社大学を卒業後、株式会社光通信に入社し営業職に従事。2019年から不動産賃貸業をはじめ、築古戸建の再生を主とした賃貸業を営む大家さんの一面を持つ。空き家問題をさらに大きな枠組みで解決するために、「空き家を復活させ、街を復活させ、活気あふれる日本をつくる」という理念で株式会社リハコを設立。保有資格は宅地建物取引士と空き家相談士。

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