「ネットで調べると片付け業者が山ほど出てきて、どこに頼めばいいか分からない」
「当日に何十万円も請求された、という話を聞くと怖くて頼めない」
先に答えます。
残置物撤去や不用品回収の業者は、次の3つで選んでください。
- 作業する家がある市町村の「一般廃棄物収集運搬業」の許可を持っているか(または、その許可業者が運ぶ形か)
- 見積書に、作業人数・トラックの台数・処分費・追加料金が出る条件まで書いてあるか
- 当日に金額が変わるとき、作業の前に書面で理由と金額を出すと約束できるか
この3つを満たさない業者は、安く見えても避けた方が安全です。
国民生活センターによると、不用品回収サービスの相談は2021年度に2,231件で、3年で1.6倍に増えました。
平均の契約額は約21万4,000円でした(国民生活センター 2022年公表)。
不用品回収サービスの相談
出典:国民生活センター(2022年公表)
リハコは片付け・残置物撤去の窓口として、許可を持つ業者と片付けを手配してきました。
2025年8月〜2026年9月だけで26件です。
業者に頼む側として見てきた「ここを見れば分かる」ポイントを、この記事にまとめます。
許可って、どの許可を見ればいいんですか。「古物商許可」と書いてある業者もありますけど…
古物商は「買い取る」ための許可で、ごみを運ぶ許可ではありません。家の片付けで見るべきは、市町村の一般廃棄物の許可です。順に説明しますね。
この記事でわかること
- 確かめるべき許可と、よくある勘違い
- 国民生活センターの事例に見る悪質業者の手口
- 見積書を項目ごとに読む方法と、金額の検算
- 相見積りの取り方
- 当日、見積りと違う金額を言われたときの対処
- 立ち会えない空き家の持ち主が確かめること
まず確かめる「許可」|市町村の一般廃棄物収集運搬業
家の片付けで出る家財やごみは、法律上「一般廃棄物」です。
これを業者が運ぶには、その作業をする区域を管轄する市町村長の許可が必要と定められています(廃棄物処理法第7条第1項)。
ポイントは「市町村ごと」だということです。A市の許可を持っていても、B市にある実家の片付けで出たごみは運べません。
ホームページに許可番号が書いてあったら、どの市町村の許可かまで見てください。
作業する家の市町村の、一般廃棄物の許可がある?
許可業者が運ぶ形でもかまいません。
古物商・産業廃棄物の許可だけでは、家のごみは運べない
環境省は、「古物商の許可」や「産業廃棄物処理業の許可」では家庭の廃棄物は回収できない、と案内しています。
必要なのは一般廃棄物処理業の許可です(環境省)。
| 許可 | 何のための許可か | 家の片付けでの意味 |
| 一般廃棄物収集運搬業(市町村) | 家庭から出るごみを運ぶ | これがないと、ごみとして運び出せない |
| 産業廃棄物収集運搬業(都道府県) | 会社や工場から出るごみを運ぶ | 家庭のごみには使えない |
| 古物商(公安委員会) | 中古品を買い取って売る | 売れる物の買取には必要。ごみを運ぶ許可ではない |
埼玉県ふじみ野市も、無許可の業者が古物商や産業廃棄物の許可を見せて正規の業者を装うことがある、と注意を呼びかけています。
市の許可業者一覧は「家の片付けに頼める業者」とは限らない
許可業者の一覧を公開している市町村は多くありますが、中身は市によって違います。
横浜市は、家庭の不用品の収集にも使える一覧を出しています。
一方で大和市のように、事業所のごみ向けの一覧を出している市もあります。
国民生活センターも、許可業者でも家庭のごみを扱えない場合がある市区町村があると注意しています。
いちばん確実なのは、市町村の清掃・ごみの担当に「家の片付けで出たごみを頼める許可業者はどこか」と聞くことです。
許可業者が運ぶ形でもよい
片付け業者の中には、自社は仕分けと運び出しを行い、運搬と処分は許可業者が行う形をとるところもあります。
この場合は、どの許可業者が運ぶのかを見積書に書いてもらってください。
なお、許可業者が運搬や処分を別の会社に丸投げすることは、法律で禁じられています。
許可の名義を貸すことも同じです(同法第7条第14項・第7条の5)。
見積りのときに見せられた許可の会社と、当日来た会社が違う場合は注意が必要です。
リハコの場合
リハコは一般廃棄物の許可を持っていないため、ご相談と見積りの窓口になり、運搬・処分は作業する家の市町村の許可を持つ業者が行います。どの業者が運ぶかも、見積りのときにお伝えします。
見積書を比べる前に、目安を知っておくと安心です。
間取りと荷物の量を選ぶだけで、税込の目安が出ます。
お電話 044-712-4771LINEで写真を送る
運搬・処分は市町村の許可を持つ業者が行います。2営業日以内にご連絡します。
悪質業者の手口|国民生活センターの事例から
国民生活センターが2022年に公表した事例は、どれも「広告の値段」と「当日の請求」の差でもめています。
| 広告・電話での話 | 当日に起きたこと |
| 軽トラックパック7,000円、2トントラックパック2万5,000円 | 2トン車と作業員3人が来て、作業後に25万円を請求された |
| 電話で「軽トラパックで2万円程度」 | 当日は2トン車。荷台の半分は他人の不用品で、合計10万円。抗議すると「すべて下ろす」と言われた |
| 空き家の片付けで「2トントラック詰め放題」約5万円 | 当日「荷台の囲いの高さ(20〜30cm)まで」と言われ、断るとキャンセル料1万5,000円 |
| チラシで冷蔵庫などの回収3万5,000円 | 5万5,000円、さらに「もう1台呼ぶ」で11万円。銀行で現金を下ろすよう言われた |
出典:国民生活センター「不用品回収サービスのトラブル」(2022年11月)
「2トントラックパック」の広告と当日の請求
国民生活センターの事例(2022年11月公表)。2トン車と作業員3人が来て、作業後に請求された。
3つ目は、空き家の片付けの事例です。「詰め放題」「積み放題」という言葉は、どこまで積めるのかが業者によって違います。
荷台の高さまでなのか、囲いを立てて上まで積むのかで、載る量は何倍も変わります。
こんな業者は避ける
- 「無料回収」を大音量で呼びかけながら町を回っている
- 空き地に「回収します」と看板を立てて持ち込みを受けている
- 見積りを出さず、「見てみないと分からない」と当日に金額を決める
- 会社の住所や固定電話が書いていない
- 許可番号がない、またはどの市町村の許可か書いていない
- 「今日決めれば半額」と契約を急がせる
- 作業後にその場で現金払いを求める
環境省は、町中を巡回する回収、空き地での回収、チラシやインターネット広告を、無許可業者によく見られる形として挙げています。
集めた物の不法投棄や、家電に含まれるフロン・鉛の流出、電池による火災も問題になっています。
無許可の業者には重い罰則がある
無許可で一般廃棄物の収集運搬を業として行った者は、重い罰則の対象です(同法第25条第1項)。
5年以下の拘禁刑(2025年6月までは懲役)もしくは1,000万円以下の罰金、またはその両方です。
これは業者側の罰則ですが、依頼した側も、不法投棄などのトラブルに巻き込まれるおそれがあります。
見積書の見方|項目ごとに確かめること
見積書は、業者を比べるいちばんの材料です。
「一式 ○○万円」だけでは比べられないので、次の項目が分かれて書いてあるかを見てください。
| 項目 | 書いてあるべきこと | 確かめるポイント |
| 作業の範囲 | どの部屋・物置・庭まで含むか | 「家全体」か「一部」か。物置や庭が抜けていないか |
| 作業人数と時間 | 何人で何時間(何日)か | 人件費の大半。量に見合っているか |
| トラック | 車の大きさと台数・往復回数 | 「積み放題」ならどこまで積めるか |
| 処分費 | 処分する量と費用 | 量の単位(立方メートル・台数)が書いてあるか |
| 家電リサイクル料金 | テレビ・冷蔵庫・洗濯機・エアコンの台数と金額 | 品目ごとに分かれているか |
| 特別な作業 | 階段での運び出し・吊り下げ・解体など | 追加になりやすい。事前に含めてあるか |
| 買取 | 売れる物の品目と金額 | 片付け費用と分けて書いてあるか |
| 追加料金の条件 | どんなときに、いくら追加か | 書いていない追加は払わない約束に |
| キャンセル料 | いつまで無料か、いくらか | 当日キャンセルの金額 |
| 運搬・処分をする業者 | 許可業者の名前と許可の市町村 | 作業する家の市町村の許可か |
金額を自分で検算する
見積りの金額が妥当かどうかは、間取りと荷物の量から目安と比べると分かります。
| 間取り | 荷物が少ない | ふつう | 多い | ゴミ屋敷 |
| 1R・1K | 2万〜3万円 | 3万〜5万円 | 5万〜8万円 | 7万〜12万円 |
| 1DK〜2DK | 4万〜7万円 | 6万〜11万円 | 10万〜18万円 | 15万〜27万円 |
| 2LDK〜3DK | 8万〜14万円 | 13万〜23万円 | 21万〜36万円 | 31万〜54万円 |
| 3LDK〜4LDK | 12万〜21万円 | 20万〜35万円 | 32万〜56万円 | 48万〜84万円 |
| 5LDK以上 | 16万〜28万円 | 27万〜47万円 | 43万〜76万円 | 65万〜114万円 |
※税込の目安。リハコが手配した片付けで実際にかかった費用をもとにした 片付け費用のページの料金の目安 と同じ数字です。
「ふつう」は暮らしていたままの量、「多い」は床が見えない所がある量。
物置・倉庫・庭の物、2階以上で階段しかない場合は上がります。
たとえば3LDKで荷物がふつうなら20万〜35万円が目安です。
見積りがこれより大きく高いなら、作業範囲に物置や庭が入っているか、特別な作業があるかを確かめてください。
逆に大きく安い場合は、「積み放題」の条件や追加料金の条件を必ず確かめます。
安い見積りが当日に何倍にもなる、というのが先の事例の典型だからです。

手元の見積りが高いか、比べてみませんか。
人数・トラック・追加条件まで書いた見積書をお出しします。
お電話 044-712-4771LINEで写真を送る
運搬・処分は市町村の許可を持つ業者が行います。2営業日以内にご連絡します。
相見積りの取り方|同じ条件で2〜3社に
見積りは2〜3社で取り、同じ条件で比べます。条件がそろっていないと、安い方が本当に安いのか分かりません。
相見積りのコツ
- 全社に同じ写真と同じ説明を送る(部屋ごと・物置・庭・大きな家具家電)
- 「残す物」「売りたい物」を全社に同じように伝える
- 最終的には現地を見てもらい、書面の見積書をもらう
- 総額だけでなく、上の表の項目ごとに比べる
- その場で契約せず、持ち帰って比べる
大幅な値下げには注意
Yahoo!知恵袋には、見積りで15万円と言われた人の相談もありました。
キャンセルできないと強く言われましたが、5万円に値下げされたので契約したそうです。
ほかの業者は4,000円程度だったといいます。最初の金額から大きく下がる業者は、最初の金額に根拠がなかった可能性があります。
値下げされても、その場では決めないでください。
当日、見積りと違う金額を言われたら
当日「思ったより多いので追加です」と言われたら、どうすればいいんでしょう。
作業を始める前に、追加の理由と金額を紙に書いてもらってください。口頭だけで進めないのがいちばん大事です。
- 作業の前に、書面で理由と金額を出してもらう。納得できなければ、その日の作業は断る
- 作業後に高額を求められても、その場で払わない。納得できる金額を後日払う意思を伝える
- 身の危険を感じたら警察へ
- 消費生活センター(電話188)に相談する
見積りと違う金額を言われたとき
- 書面で出してもらう作業の前に理由と金額
- その場で払わない納得できる額を後日
- 188に相談消費生活センターへ
国民生活センターによると、次のような場合は特定商取引法の訪問販売に当たる可能性があります。
見積りのために呼んだ業者とその場で契約した場合や、広告の金額と請求が大きく違う場合です。
そのときはクーリング・オフなどが使える可能性があります(書面を受け取ってから8日間)。
使えるかどうかは状況によるので、早めに消費生活センターに相談してください。
知恵袋には、ある相談者の体験も残っています。
サイトで「2トントラックパック49,800円」だった片付けが、当日別のプランで80万円を超えたそうです。
消費生活センターに相談して、一部が返金されました。払ってしまった後でも、あきらめずに相談してください。
立ち会えなくても、写真で確かめられます。
作業の前と後を写真でお送りし、確認いただいてからお支払いです。
お電話 044-712-4771LINEで写真を送る
運搬・処分は市町村の許可を持つ業者が行います。2営業日以内にご連絡します。
立ち会えない空き家の持ち主が確かめること
遠方の空き家や実家の片付けでは、作業の場にいられないことが多くなります。
そのぶん、書面と写真で確かめられる形にしておくことが大切です。
立ち会えないときに決めておくこと
- 残す物・探してほしい物を、写真に印をつけて渡す
- 作業の前と後の写真を、部屋ごと・物置・庭まで送ってもらう
- 当日の追加は、作業前に電話かLINEで了解を取ってもらう(書面で残す)
- 支払いは、写真で確認してから振り込みにする
- 鍵の受け渡しと返却の方法
遠方からの頼み方は 実家の片付けを遠方から頼む流れ に、ゴミ屋敷の費用は ゴミ屋敷の片付け費用 にまとめています。
リハコの進め方
最初に鍵の受け渡しと、残したい物・探してほしい物の確認だけお願いしています。見積書には作業人数・トラックの台数・追加が出る条件を書き、書いていない追加は請求しません。作業の前と後を写真でお送りし、確認いただいてからお支払いです。
まとめ
- 見るべき許可は、作業する家がある市町村の「一般廃棄物収集運搬業」。古物商・産業廃棄物の許可では家のごみは運べない
- 見積書は「一式」でなく、人数・トラック・処分費・家電リサイクル料金・追加料金の条件まで分けて書いてあるか
- 相見積りは同じ写真・同じ条件で2〜3社に。大幅な値下げや「今日決めれば」には乗らない
- 当日の追加は、作業の前に書面で理由と金額を出してもらう。困ったら消費生活センター(188)へ
- 立ち会えないなら、残す物は写真で伝え、作業前後の写真を確認してから支払う
手元の見積りが高いか安いか、まずは目安と比べてみてください。すぐ下のボタンから間取りと荷物の量を選ぶと、税込の目安が出ます。
リハコにも見積りをご依頼いただければ、人数・トラックの台数・追加が出る条件まで書いた見積書を無料でお出しします。
書いていない追加は、請求しません。
まずは税込の目安を見て、ほかの見積りと比べる材料にしてください。
お電話 044-712-4771LINEで写真を送る
運搬・処分は市町村の許可を持つ業者が行います。2営業日以内にご連絡します。
よくある質問
許可を持っているかは、どうやって確かめればいいですか?
業者に許可番号と、どの市町村の許可かを聞いてください。
そのうえで、作業する家のある市町村の清掃・ごみの担当に、その業者が家庭のごみを扱えるかを確かめるのが確実です。
「無料回収」は本当に無料ですか?
環境省は、無料をうたって町を回る回収や空き地での回収を、無許可業者によく見られる形として注意を呼びかけています。
積んだあとに有料と言われる例もあるので、利用しない方が安全です。
見積りは有料ですか?
無料の業者が多いですが、キャンセル料や出張費が別にかかる業者もあります。見積りを頼む前に確かめてください。
リハコの概算・現地確認・見積書は無料です。
一番安い業者を選べばいいですか?
金額だけで選ぶのはおすすめしません。許可・見積書の中身・追加料金の条件が同じなら、安い方を選べばよいです。
ただ、条件が書いていない安い見積りは、当日に高くなることがあります。
依頼した業者が不法投棄したら、私の責任になりますか?
法律上、依頼した家庭が罰せられる、とはっきり定めた条文は確認できませんでした。ただ、トラブルに巻き込まれるおそれはあります。
許可のある業者を選ぶことがいちばんの予防です。
